【VW アルテオン 試乗】「ガイシャに乗りたい」欲求とどう向き合うか…諸星陽一
フォルクスワーゲン(VW)はベーシックモデルなモデルを作るメーカーとして有名な存在で、それは世界的にも認知されている。『up!』、『ポロ』、そして『ゴルフ』とベーシックモデルらしいクルマを数多くしているVWだが、じつは高級志向のクルマも用意する。『パサート』などはその代表的なモデルで、今回試乗した『アルテオン』はそのパサートの上に位置している。
アルテオンは真横から見るとCピラーを寝かせたデザインの5ドアハッチバック。シューティングブレイクという見方もあるが、その点はちょっと疑問だ。最上級モデルを目指したというだけあり、内外装のフィニッシュはしっかりしていて上級感にあふれたもの。
乗ってみるとなるほどゴルフ由来であると感じられる素直で乗りやすい印象。今、プレミアムモデルはエンジンパワーにおいても必要以上の上乗せが行われていてパワフル極まりないものが搭載されることが多く、アルテオンに搭載されるエンジンも280馬力と強力だ。このエンジンのトルクを4輪に振り分ける4モーションと呼ばれる4WDの駆動方式を採用。ミッションは7速のデュアルクラッチ式DSGが組み合わされている。
高速道路から一般道まで余裕のある走りを味わえるが、その味付けはあくまでもVW的でプレミアム感を強調するようなことはなく「普通」だ。上級で落ち着いているが普通のクルマが欲しいという人にぴったりなのだが、そのユーザー層は薄いだろう。日本には輸入車は特別なものという考えが根付いているので、輸入車は普通よりもどこかが突出しているほうがウケがいい。普通ならばゴルフでいい…というお客さんも多いだろう。
非常に難しいポジションにいるアルテオンなのだが、ACCの性能アップなど地道に進化している部分もある。ベーシックタイプが549万円、上級のアドバンスが599万円という価格も二の足を踏む原因になりそう。性能的にはアルテオンのほうが高いが、ガイシャに乗りたいという欲求を満たしたいだけなら、もっとバリューのある車種があるからだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
(レスポンス 諸星陽一)
アルテオンは真横から見るとCピラーを寝かせたデザインの5ドアハッチバック。シューティングブレイクという見方もあるが、その点はちょっと疑問だ。最上級モデルを目指したというだけあり、内外装のフィニッシュはしっかりしていて上級感にあふれたもの。
乗ってみるとなるほどゴルフ由来であると感じられる素直で乗りやすい印象。今、プレミアムモデルはエンジンパワーにおいても必要以上の上乗せが行われていてパワフル極まりないものが搭載されることが多く、アルテオンに搭載されるエンジンも280馬力と強力だ。このエンジンのトルクを4輪に振り分ける4モーションと呼ばれる4WDの駆動方式を採用。ミッションは7速のデュアルクラッチ式DSGが組み合わされている。
高速道路から一般道まで余裕のある走りを味わえるが、その味付けはあくまでもVW的でプレミアム感を強調するようなことはなく「普通」だ。上級で落ち着いているが普通のクルマが欲しいという人にぴったりなのだが、そのユーザー層は薄いだろう。日本には輸入車は特別なものという考えが根付いているので、輸入車は普通よりもどこかが突出しているほうがウケがいい。普通ならばゴルフでいい…というお客さんも多いだろう。
非常に難しいポジションにいるアルテオンなのだが、ACCの性能アップなど地道に進化している部分もある。ベーシックタイプが549万円、上級のアドバンスが599万円という価格も二の足を踏む原因になりそう。性能的にはアルテオンのほうが高いが、ガイシャに乗りたいという欲求を満たしたいだけなら、もっとバリューのある車種があるからだ。
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諸星陽一|モータージャーナリスト
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(レスポンス 諸星陽一)
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