【メルセデスAMG GT Cロードスター 試乗】プライス以上の価値がある…丸山誠
メルセデスAMGのオープンモデルのフラッグシップが『GTロードスター』と、今回試乗した『GT Cロードスター』。両車とも完全受注生産のスペシャルなスポーツカーだ。
車両価格はGTロードスターが1854万円、GT Cロードスターはさらに高価な2323万円というプライス。メルセデスAMGによって自社開発されたメルセデスAMG GTをベースに、自動開閉のアコースティックソフトトップを装備したオープンスポーツと聞いただけでワクワクしてしまう。
GTロードスターとGT Cロードスターの違いはスタイリングとエンジンパフォーマンス。AMG製の4.0リットルV8直噴ツインターボエンジンは共通だが、GTロードスターの最高出力476PS、最大トルク630Nmに対し、GT Cロードスターは最高出力557PS、最大トルク680Nmとさらに強力。そのためGT Cロードスターは0-100km/h加速が3.7秒という、すばらしい加速性能を実現している。
GT Cロードスターはリヤがワイドボディ化されているのも特徴。GTと比べると55mmも拡大され、リヤトレッドも45mm広くされているためトラクションが高められるという。リヤに、20インチホイールを装着する姿からパフォーマンスをうかがい知ることはできるが、首都高速では実力を確かめようがない。スタイリングはリヤがワイドボディのGT Cロードスターのほうがやはり魅力的だ。
センターコンソールに配置されたスタートスイッチを押すと、瞬時にV8エンジンが低くうなるエキゾーストノートを響かせる。その音色はメルセデスAMG GTによく似ているが、オープンのためか重低音が強調された迫力のある音が耳に届く。都心から首都高速に乗ってアクセルを踏み込むとその瞬間に強烈な加速Gが体を襲う。
じつはこのときのトライブモードはコンフォート。燃費と快適性を優先したモードでも十分にスポーツカーらしい動力性能を実感できる。ドライブモードのスポーツプラスを選ぶとさらに快音を響かせて、耳からもスポーツカーらしさを堪能できる。加速はさらに鋭くなりDCTの変速も瞬時に行われ、伸びのある加速感に酔いしれてしまう。残念ながら首都高速ではすぐに規制速度に到達するためアクセルを深く踏み込むことができない。実力の片鱗を感じるだけにとどめないと運転免許が何枚あっても足りない。
公道では動力性能のすべてを解放できないほどパワフルだが、GT Cロードスターに標準のAMGパフォーマンスエキゾーストシステムは一般道でも気持ちのいい排気音を楽しめる。スポーツプラスとレースモード選択時にエキゾーストフラップが開くため、抜けのいい排気音を奏でる。
ダウンシフト時の自動ブリッピングでは、破裂音を交えたスポーツカーらしい音色を演出。コンフォートやスポーツモード時でもエキゾーストのスイッチを押すことでフラップを開けてサウンドを楽しむことができ、流して走りながらスポーツカーらしい音を直接耳で楽しむことができるのもオープンスポーツならではだ。
アジリティ性能とスタビリティ性能を両立させているのが、クローズドボディの『メルセデスAMG GT R』にも採用されているAMGリヤアクスルステアリング。いわゆる四輪操舵のシステムでステアリング操作に合わせてリヤも操舵することでステアリングレスポンスを高め、同時に安定性も向上させている。実際、素早いレーンチェンジをするとわずかな操舵で隣のレーンに移動でき、収束もピタッと決まる。水平のまま横移動できるようなイメージでスイスイとレーンチェンジできてしまう。
このシステムはリヤアクスルに電動機械式アクチュエーターが2個装備され、リヤホイールのトー角を最大1.5度可変できる。100km/h以下では操舵とは逆方向にリヤが操舵されるため、横方向に素早く動くような挙動を実現しているわけだ。高速域は同位相(最大0.5度)になり安定性を向上させる。ロール剛性が高いサスペンションを装備しているということもあるが、水平移動するような俊敏なハンドリングを実現できたのはAMGリヤアクスルステアリングのおかげだ。
試乗時はまだまだ寒い時期だったが、アコースティックソフトトップを開けたまま首都高速を走っても快適だった。例のヘッドレスト近くから温風が吹き出すエアスカーフのおかげでサイドウインドーを立てておけば、首都高速でも驚くほど風の巻き込みがない。AMGパフォーマンスシートにエアスカーフを組み合わせたのはこれが初だという。また、アコースティックソフトトップは、走行中でも50km/hまで操作可能で、約11秒で開閉できる。
完全受注生産のスペシャルなスポーツカーだけに注目度が高く、所有する喜びも大きい。2323万円と高価なモデルだが、プライス以上の価値がある。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
丸山 誠|モータージャーナリスト/AJAJ会員
自動車専門誌やウェブで新車試乗記事、新車解説記事などを執筆。キャンピングカーやキャンピングトレーラーなどにも詳しい。プリウスでキャンピングトレーラーをトーイングしている。
(レスポンス 丸山 誠)
車両価格はGTロードスターが1854万円、GT Cロードスターはさらに高価な2323万円というプライス。メルセデスAMGによって自社開発されたメルセデスAMG GTをベースに、自動開閉のアコースティックソフトトップを装備したオープンスポーツと聞いただけでワクワクしてしまう。
GTロードスターとGT Cロードスターの違いはスタイリングとエンジンパフォーマンス。AMG製の4.0リットルV8直噴ツインターボエンジンは共通だが、GTロードスターの最高出力476PS、最大トルク630Nmに対し、GT Cロードスターは最高出力557PS、最大トルク680Nmとさらに強力。そのためGT Cロードスターは0-100km/h加速が3.7秒という、すばらしい加速性能を実現している。
GT Cロードスターはリヤがワイドボディ化されているのも特徴。GTと比べると55mmも拡大され、リヤトレッドも45mm広くされているためトラクションが高められるという。リヤに、20インチホイールを装着する姿からパフォーマンスをうかがい知ることはできるが、首都高速では実力を確かめようがない。スタイリングはリヤがワイドボディのGT Cロードスターのほうがやはり魅力的だ。
センターコンソールに配置されたスタートスイッチを押すと、瞬時にV8エンジンが低くうなるエキゾーストノートを響かせる。その音色はメルセデスAMG GTによく似ているが、オープンのためか重低音が強調された迫力のある音が耳に届く。都心から首都高速に乗ってアクセルを踏み込むとその瞬間に強烈な加速Gが体を襲う。
じつはこのときのトライブモードはコンフォート。燃費と快適性を優先したモードでも十分にスポーツカーらしい動力性能を実感できる。ドライブモードのスポーツプラスを選ぶとさらに快音を響かせて、耳からもスポーツカーらしさを堪能できる。加速はさらに鋭くなりDCTの変速も瞬時に行われ、伸びのある加速感に酔いしれてしまう。残念ながら首都高速ではすぐに規制速度に到達するためアクセルを深く踏み込むことができない。実力の片鱗を感じるだけにとどめないと運転免許が何枚あっても足りない。
公道では動力性能のすべてを解放できないほどパワフルだが、GT Cロードスターに標準のAMGパフォーマンスエキゾーストシステムは一般道でも気持ちのいい排気音を楽しめる。スポーツプラスとレースモード選択時にエキゾーストフラップが開くため、抜けのいい排気音を奏でる。
ダウンシフト時の自動ブリッピングでは、破裂音を交えたスポーツカーらしい音色を演出。コンフォートやスポーツモード時でもエキゾーストのスイッチを押すことでフラップを開けてサウンドを楽しむことができ、流して走りながらスポーツカーらしい音を直接耳で楽しむことができるのもオープンスポーツならではだ。
アジリティ性能とスタビリティ性能を両立させているのが、クローズドボディの『メルセデスAMG GT R』にも採用されているAMGリヤアクスルステアリング。いわゆる四輪操舵のシステムでステアリング操作に合わせてリヤも操舵することでステアリングレスポンスを高め、同時に安定性も向上させている。実際、素早いレーンチェンジをするとわずかな操舵で隣のレーンに移動でき、収束もピタッと決まる。水平のまま横移動できるようなイメージでスイスイとレーンチェンジできてしまう。
このシステムはリヤアクスルに電動機械式アクチュエーターが2個装備され、リヤホイールのトー角を最大1.5度可変できる。100km/h以下では操舵とは逆方向にリヤが操舵されるため、横方向に素早く動くような挙動を実現しているわけだ。高速域は同位相(最大0.5度)になり安定性を向上させる。ロール剛性が高いサスペンションを装備しているということもあるが、水平移動するような俊敏なハンドリングを実現できたのはAMGリヤアクスルステアリングのおかげだ。
試乗時はまだまだ寒い時期だったが、アコースティックソフトトップを開けたまま首都高速を走っても快適だった。例のヘッドレスト近くから温風が吹き出すエアスカーフのおかげでサイドウインドーを立てておけば、首都高速でも驚くほど風の巻き込みがない。AMGパフォーマンスシートにエアスカーフを組み合わせたのはこれが初だという。また、アコースティックソフトトップは、走行中でも50km/hまで操作可能で、約11秒で開閉できる。
完全受注生産のスペシャルなスポーツカーだけに注目度が高く、所有する喜びも大きい。2323万円と高価なモデルだが、プライス以上の価値がある。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
丸山 誠|モータージャーナリスト/AJAJ会員
自動車専門誌やウェブで新車試乗記事、新車解説記事などを執筆。キャンピングカーやキャンピングトレーラーなどにも詳しい。プリウスでキャンピングトレーラーをトーイングしている。
(レスポンス 丸山 誠)
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