【ボルボ XC60ディーゼル 試乗】走りっぷりにコクが増した…島崎七生人
ここ最近のボルボ車は、どのモデルも登場段階から完成度の高さを実感させてくれる。モデルごとのコンセプト、立ち位置が明確で、ユーザーの期待どおり(またはそれ以上)の仕上がりぶりが即座に理解できる、そんな風なのである。
このレポートの試乗車は『XC60』の「D4」モデルだが、もちろんこのクルマの仕上がりぶりも例外ではなく、よかった。2017年に一新されて間もないXC60は全車AWDの設定で、試乗車はこれに2リットルの4気筒ディーゼルターボが搭載されるというもの。注目なのはエンジン違いで排気量も同じ2リットルのガソリンターボの「T5」も設定されている点。このD4とT5はカタログの装備表も共通なほどで、発表時点での価格設定も同じ。つまり、ディーゼルかガソリンか、ユーザーの好み、考え次第で選べるようになっているという訳だ。
話を戻せば、たとえエンジン違いでもXC60ならではの走りの世界観は統一されている。試乗では山道も選べたが、条件反射的に海沿いの自動車専用道を流すルートで試すことにした。言葉で表現すると「自然でしなやかな身のこなしと、ゆったりと心地いい乗り味」が存分に堪能できた。
T5と較べると、エアサス仕様同士で50kgの車重差があるが、D4はエアサスである上、重量のプラスアルファ分も味方につけて乗り味の“穏やか風味”のコクがより増して感じられる。例によって8速ATの洗練されたマナーのおかげで、動力性能は低速から高速領域までまったく不満がなく、回せば良くできたガソリンエンジンのような気持ちいいフィールも体感できる。どこまでの走って行きたい……そう思わせてくれる走りっぷり、だ。このディーゼルターボの190ps/40.8kgmのスペックは、実用性と走りのキレ味のよさの両面で威力を発揮する。
また心地よさは『XC90』に通じるとしても、身のこなしの軽快さは『XC60』ならではのもの。快適であるが、日常使いにもとても便利であろうことは、借り物の試乗車に乗っているだけでも(!)容易に想像がつく。
パンチングレザーの本革シートの身体をスッと受け止め、支えてくれる心地よさは相変わらず。上質であるが、控えめな色遣い、デザインのよさは、ボルボならではの空間だ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
このレポートの試乗車は『XC60』の「D4」モデルだが、もちろんこのクルマの仕上がりぶりも例外ではなく、よかった。2017年に一新されて間もないXC60は全車AWDの設定で、試乗車はこれに2リットルの4気筒ディーゼルターボが搭載されるというもの。注目なのはエンジン違いで排気量も同じ2リットルのガソリンターボの「T5」も設定されている点。このD4とT5はカタログの装備表も共通なほどで、発表時点での価格設定も同じ。つまり、ディーゼルかガソリンか、ユーザーの好み、考え次第で選べるようになっているという訳だ。
話を戻せば、たとえエンジン違いでもXC60ならではの走りの世界観は統一されている。試乗では山道も選べたが、条件反射的に海沿いの自動車専用道を流すルートで試すことにした。言葉で表現すると「自然でしなやかな身のこなしと、ゆったりと心地いい乗り味」が存分に堪能できた。
T5と較べると、エアサス仕様同士で50kgの車重差があるが、D4はエアサスである上、重量のプラスアルファ分も味方につけて乗り味の“穏やか風味”のコクがより増して感じられる。例によって8速ATの洗練されたマナーのおかげで、動力性能は低速から高速領域までまったく不満がなく、回せば良くできたガソリンエンジンのような気持ちいいフィールも体感できる。どこまでの走って行きたい……そう思わせてくれる走りっぷり、だ。このディーゼルターボの190ps/40.8kgmのスペックは、実用性と走りのキレ味のよさの両面で威力を発揮する。
また心地よさは『XC90』に通じるとしても、身のこなしの軽快さは『XC60』ならではのもの。快適であるが、日常使いにもとても便利であろうことは、借り物の試乗車に乗っているだけでも(!)容易に想像がつく。
パンチングレザーの本革シートの身体をスッと受け止め、支えてくれる心地よさは相変わらず。上質であるが、控えめな色遣い、デザインのよさは、ボルボならではの空間だ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
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パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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