【三菱 アウトランダーPHEV 試乗】モーターの存在感強く、車格も従来より上がった印象…片岡英明
間もなく三菱『アウトランダー PHEV』が商品改良を行い、2019年モデルになる。そのプロトタイプに袖ヶ浦フォレストレースウェイで乗ることができた。
エクステリアとインテリアは、デザインを変えている。だが、もっとも大きな進化は新しいパワートレインと前後輪のトルク配分や左右輪のトルクベクタリング、4輪ブレーキ制御などによって意のままの走りを実現するS-AWCの性能向上だ。制御を緻密にし、スポーツモードとスノーモードを追加した。
新しい心臓は、排気量を400cc大きくしたアトキンソンサイクルの2.4リットル直列4気筒DOHCエンジンだ。ツインモーター4WDも進化し、駆動用バッテリーの容量を約15%も増やし、バッテリーの出力は10%ほど高めた。また、後輪駆動用モーターの最大出力も10kW引き上げている。EV航続距離は65km、EVでの最高速度も135km/hに向上した。
排気量が400cc増えたから走りは余裕がある。とくにスポーツモードにするとレスポンスは鋭いし、トルクも気持ちよく盛り上がるなど、モーターの存在感が強くなった。軽やかにスピードを乗せ、加速も力強い。ノーマルモードでもEV走行の割合が多くなり、エンジンもかかりにくくなっている。同じ速度なら、今までよりエンジン回転数が抑えられているから静粛性も向上した。
ストラットに手を加え、ショックアブソーバーをサイズアップし、Sエディションと同じようにボディ構造用の接着剤も追加している。また、ステアリングのギア比もクイックになっている。トルクベクタリングの採用もあり、今までよりアンダーステアが減少し、ノーズの入りがよくなった。コーナーの立ち上がりでもモーターの駆動トルクを増やしているから気持ちよく向きが変わる。
ボディの剛性感もアップし、タイヤもサマータイヤを履いているからコントロールできる領域が広がり、乗り心地も洗練された。制御も緻密だから、運転がうまくなったように感じられるのが2019年モデルだ。サーキット以上に進化を感じ取れるのはオフロードや雪道などの滑りやすい路面だろう。狙ったラインに乗せやすく、コントロールしやすいと感じるはずだ。
メカニズムだけでなく、インテリアの質感も高められている。見栄えはよくなったし、シートの座り心地もよくなった。新型アウトランダーPHEVは、伸び代が大きい。マイナーチェンジで走りの実力を高めたが、車格も従来モデルより上がった印象を受けた。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク::★★★★
おすすめ度:★★★★★
片岡英明│モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員
(レスポンス 片岡英明)
エクステリアとインテリアは、デザインを変えている。だが、もっとも大きな進化は新しいパワートレインと前後輪のトルク配分や左右輪のトルクベクタリング、4輪ブレーキ制御などによって意のままの走りを実現するS-AWCの性能向上だ。制御を緻密にし、スポーツモードとスノーモードを追加した。
新しい心臓は、排気量を400cc大きくしたアトキンソンサイクルの2.4リットル直列4気筒DOHCエンジンだ。ツインモーター4WDも進化し、駆動用バッテリーの容量を約15%も増やし、バッテリーの出力は10%ほど高めた。また、後輪駆動用モーターの最大出力も10kW引き上げている。EV航続距離は65km、EVでの最高速度も135km/hに向上した。
排気量が400cc増えたから走りは余裕がある。とくにスポーツモードにするとレスポンスは鋭いし、トルクも気持ちよく盛り上がるなど、モーターの存在感が強くなった。軽やかにスピードを乗せ、加速も力強い。ノーマルモードでもEV走行の割合が多くなり、エンジンもかかりにくくなっている。同じ速度なら、今までよりエンジン回転数が抑えられているから静粛性も向上した。
ストラットに手を加え、ショックアブソーバーをサイズアップし、Sエディションと同じようにボディ構造用の接着剤も追加している。また、ステアリングのギア比もクイックになっている。トルクベクタリングの採用もあり、今までよりアンダーステアが減少し、ノーズの入りがよくなった。コーナーの立ち上がりでもモーターの駆動トルクを増やしているから気持ちよく向きが変わる。
ボディの剛性感もアップし、タイヤもサマータイヤを履いているからコントロールできる領域が広がり、乗り心地も洗練された。制御も緻密だから、運転がうまくなったように感じられるのが2019年モデルだ。サーキット以上に進化を感じ取れるのはオフロードや雪道などの滑りやすい路面だろう。狙ったラインに乗せやすく、コントロールしやすいと感じるはずだ。
メカニズムだけでなく、インテリアの質感も高められている。見栄えはよくなったし、シートの座り心地もよくなった。新型アウトランダーPHEVは、伸び代が大きい。マイナーチェンジで走りの実力を高めたが、車格も従来モデルより上がった印象を受けた。
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パワーソース:★★★★★
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片岡英明│モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員
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