【ベントレー コンチネンタルGT 新型試乗】至福の世界観、流石としか言いようがない…島崎七生人
精悍なスタイルに進化した
プライベートジェットは無理でもベントレーなら……。どちらにしてもハードルの高さは(筆者には)標高8848mのエベレスト以上。だがうっかり「いいな」と思わせられるほど、至福の世界観が詰まっているクルマなのだった。
3代目となる最新型は、スタイリングは従来型の流れを汲む。けれどホイールベースが105mm伸びた以外、サイズの違いはほんの僅かながら、これまでより位置を下げたグリルにより、グッと低く精悍な“構え”になった。
前輪は135mm前方に配置され、ロングノーズも強調。3次元の強い曲面で形作るフロントから、特徴的なリヤハンチへ繋がるサイドパネルは、今や叩き出しではなく、50度に熱したアルミに裏から空気を当てる“スーパーフォーミング”により成型される。
クリスタルガラスをイメージさせる前後の灯体も華やかなれどクラシカルで奥ゆかしい味わいで、よくある最近のLEDライトとはひと味もふた味も違う大人の表情を醸し出す。
贅を尽くしたインテリア
インテリアも贅を尽くしているだけに心地いい。ベントレーのバッジに倣った左右対称のインパネは、奇をてらわず、伸びやかな形状。木目パネル/12.3インチ液晶ディスプレイ/アナログ3連メーターの3面が回転して入れ替わる中央部分の仕掛けも実にユニークだ。
インテリア表皮は上品な色調と質感の革で、メッキ、金属の加飾部分もかなり贅沢に使われているものの、決して嫌みはないのはベントレーだからこそ。空調エアベントのベゼル部分などに、希望すればさらにローレット加工を施すこともできるという。
ウッドパネル8種(デュアルウッドパネル4種)、カーペット15種など、オプションで指定可能なパターンも多彩だ。
W12エンジンを味見した
搭載エンジンは6リットルの12気筒(W12)。635ps/900Nmを発生し、0-100km/h加速3.7秒、最高速度333km/hを発揮する。これに8速デュアルクラッチを組み合わせ、“可能な限り後輪駆動状態で走行”する全輪駆動方式を採用。
今回の試乗は“味見”程度のものではあったが、3チャンバーエアスプリング採用のサスペンションと相まって、たとえ山道であっても2260kg(前1240/後1020kg)のボディを軽々と走らせるのだった。
フロントの駆動力配分を17%としたスポーツモードでは、サウンドごとエンジン特性がダイナミックに変貌。一方で標準のB(ベントレー)モードは、アクセルがドライバーの右足と一体化したかのような、意のままのパワーコントロールができるのが印象的だった。
相当にファットで大径な21インチサイズ、ピレリの前後異サイズタイヤを装着しているものの、乗り味はコンフォートで、ロードノイズも発生しているはずだが、室内への到達がかなり遮断されているのもわかった。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
プライベートジェットは無理でもベントレーなら……。どちらにしてもハードルの高さは(筆者には)標高8848mのエベレスト以上。だがうっかり「いいな」と思わせられるほど、至福の世界観が詰まっているクルマなのだった。
3代目となる最新型は、スタイリングは従来型の流れを汲む。けれどホイールベースが105mm伸びた以外、サイズの違いはほんの僅かながら、これまでより位置を下げたグリルにより、グッと低く精悍な“構え”になった。
前輪は135mm前方に配置され、ロングノーズも強調。3次元の強い曲面で形作るフロントから、特徴的なリヤハンチへ繋がるサイドパネルは、今や叩き出しではなく、50度に熱したアルミに裏から空気を当てる“スーパーフォーミング”により成型される。
クリスタルガラスをイメージさせる前後の灯体も華やかなれどクラシカルで奥ゆかしい味わいで、よくある最近のLEDライトとはひと味もふた味も違う大人の表情を醸し出す。
贅を尽くしたインテリア
インテリアも贅を尽くしているだけに心地いい。ベントレーのバッジに倣った左右対称のインパネは、奇をてらわず、伸びやかな形状。木目パネル/12.3インチ液晶ディスプレイ/アナログ3連メーターの3面が回転して入れ替わる中央部分の仕掛けも実にユニークだ。
インテリア表皮は上品な色調と質感の革で、メッキ、金属の加飾部分もかなり贅沢に使われているものの、決して嫌みはないのはベントレーだからこそ。空調エアベントのベゼル部分などに、希望すればさらにローレット加工を施すこともできるという。
ウッドパネル8種(デュアルウッドパネル4種)、カーペット15種など、オプションで指定可能なパターンも多彩だ。
W12エンジンを味見した
搭載エンジンは6リットルの12気筒(W12)。635ps/900Nmを発生し、0-100km/h加速3.7秒、最高速度333km/hを発揮する。これに8速デュアルクラッチを組み合わせ、“可能な限り後輪駆動状態で走行”する全輪駆動方式を採用。
今回の試乗は“味見”程度のものではあったが、3チャンバーエアスプリング採用のサスペンションと相まって、たとえ山道であっても2260kg(前1240/後1020kg)のボディを軽々と走らせるのだった。
フロントの駆動力配分を17%としたスポーツモードでは、サウンドごとエンジン特性がダイナミックに変貌。一方で標準のB(ベントレー)モードは、アクセルがドライバーの右足と一体化したかのような、意のままのパワーコントロールができるのが印象的だった。
相当にファットで大径な21インチサイズ、ピレリの前後異サイズタイヤを装着しているものの、乗り味はコンフォートで、ロードノイズも発生しているはずだが、室内への到達がかなり遮断されているのもわかった。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
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島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
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