【ボルボ V60 新型試乗】「ボルボのエステート」に期待するものが詰まっている…藤島知子
◆ボルボの中核エステート「V60」
しばらく続きそうなSUVブームで、一見すると下火に映るステーションワゴンだが、いまから20年以上前のワゴンブームでは、アメ車はもとより、日本車では『レガシィ』然り、『アコード』や『マークII』などにもワゴンモデルが存在するなど、輝きを放った時代があった。
そうした中、ひときわお洒落でセレブなムードを纏っていたのが四角いボルボのエステート。ボルボではステーションワゴンのことを「エステート」と呼んできたが、マリンスポーツやキャンプといった趣味の移動で活躍するセレブなモデルとして、憧れをいだいた人も少なくないハズだ。
最新のボルボのラインナップは、フラッグシップの「90シリーズ」に始まり、「60シリーズ」、コンパクト系の「40シリーズ」と、新世代のプラットフォームを採用したニューモデルを続々とリリースしている。『V60』は、その中核にあたるエステートとなる。
◆ひとクラス上のクルマに乗っているよう
試乗したのは「V60 T5 インスクリプション」で、19インチのタイヤを装着していたが、荒れた路面でわずかにコツコツとした乗り心地を感じる瞬間があるものの、全般的にはひとクラス上の車格のクルマに乗っているような抜群の安定性と静けさをもたらしてくれていた。
全高は低めながら、車内は全ての乗員がゆったり過ごせる居住スペースを確保した設計もV60の魅力だろう。北欧の風を感じさせるプレミアムなインテリアは、天然木やレザーを用いたハイセンスなものに仕立てられている。
安全面をみると、衝突被害軽減ブレーキは前走車だけでなく、歩行者や自転車にも対応するシステムを採用。前走車との車間を維持して追従走行を行うクルーズコントロールは、ハンドル操作を支援することで、自車を車線内に留めて走れるパイロット・アシストを採用。それ以外にも、事故被害を軽減する数多くの安全装備が標準装備されているなど、安全面でリードするボルボを印象づける。
◆日本サイズに合わせてきた
実用面では、荷室の広さに驚かされてしまうだろう。スポーティでアグレッシブなスタイルだった先代モデルと比較して、車内は広くなっており、後席を立てた状態でも、このジャンルのクルマでトップクラスのラゲッジ容量を備えている。その秘密は、リヤのサスペンションに軽量でコンパクトな設計を可能としたリーフ式サスペンションが採用されていることにある。
一般的なクルマがコイル式スプリングを採用して、壁面が張り出しているのに対し、V60は張りだしがない。故に、横幅の広い荷物が積みやすく、テールゲート上部の角度が立ち気味名フォルムで描かれていることで、箱型の荷物が収まりやすい。従来のV60は、荷室よりもスタイリングに重きを置いていたが、新型V60は欲張りな積載性とスタイリッシュなデザインを見事に両立させてきた。
驚いたのは、日本仕様はボディの全幅を1850mmに合わせ込んできたという話。これは、一般的な機械式駐車場に収まるサイズを意識した数字といえるが、ボルボ・カー・ジャパンの担当者によれば、日本はスウェーデンに続くエステートが人気の市場だということもあり、本国に要求を受け容れて貰えたそうだ。とはいえ、それでも横幅は広い部類に入るので、狭い場所での取り回しが気になるところだが、360度カメラを駆使すれば、自車周りの障害物の状況が捉えやすいので、プレッシャーを受ける場面が少なかった。
◆「ボルボのエステート」に期待するものが詰まっている
今回のV60は、ボディサイズはほどほどながら、車内の広さ、荷室の積載性、最新鋭の運転支援システムが標準装備されているなど、ボルボのエステートに高い次元の安全機能や荷物が沢山積み込める多機能を期待してきたユーザーにとって、気になる存在となりそうだ。
そこに、世界的に高い評価を得ている最新のスタイリングとインテリアを携え、さらには新車時に5年保証を無償提供するなど、乗り換えを後押しするトピックも満載なのだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
藤島知子|モータージャーナリスト
幼い頃からのクルマ好きが高じて、2002年からワンメイクレースに挑戦。市販車からフォーミュラカーに至るまで、ジャンルを問わず、さまざまなレースに参加している。2007年にはマツダロードスターレースで女性初のクラス優勝を獲得した経験をもつ。現在はクルマの楽しさを多くの人に伝えようと、自動車専門誌、一般誌、TV、WEB媒体を通じて活動中。走り好きの目線と女性の目線の両方向から、カーライフ全般をサポートしている。COTYの選考基準は、クルマと共に過ごす日常において、気持ちを豊かにしてくれるクルマかどうかに焦点を当てる。
(レスポンス 藤島知子)
しばらく続きそうなSUVブームで、一見すると下火に映るステーションワゴンだが、いまから20年以上前のワゴンブームでは、アメ車はもとより、日本車では『レガシィ』然り、『アコード』や『マークII』などにもワゴンモデルが存在するなど、輝きを放った時代があった。
そうした中、ひときわお洒落でセレブなムードを纏っていたのが四角いボルボのエステート。ボルボではステーションワゴンのことを「エステート」と呼んできたが、マリンスポーツやキャンプといった趣味の移動で活躍するセレブなモデルとして、憧れをいだいた人も少なくないハズだ。
最新のボルボのラインナップは、フラッグシップの「90シリーズ」に始まり、「60シリーズ」、コンパクト系の「40シリーズ」と、新世代のプラットフォームを採用したニューモデルを続々とリリースしている。『V60』は、その中核にあたるエステートとなる。
◆ひとクラス上のクルマに乗っているよう
試乗したのは「V60 T5 インスクリプション」で、19インチのタイヤを装着していたが、荒れた路面でわずかにコツコツとした乗り心地を感じる瞬間があるものの、全般的にはひとクラス上の車格のクルマに乗っているような抜群の安定性と静けさをもたらしてくれていた。
全高は低めながら、車内は全ての乗員がゆったり過ごせる居住スペースを確保した設計もV60の魅力だろう。北欧の風を感じさせるプレミアムなインテリアは、天然木やレザーを用いたハイセンスなものに仕立てられている。
安全面をみると、衝突被害軽減ブレーキは前走車だけでなく、歩行者や自転車にも対応するシステムを採用。前走車との車間を維持して追従走行を行うクルーズコントロールは、ハンドル操作を支援することで、自車を車線内に留めて走れるパイロット・アシストを採用。それ以外にも、事故被害を軽減する数多くの安全装備が標準装備されているなど、安全面でリードするボルボを印象づける。
◆日本サイズに合わせてきた
実用面では、荷室の広さに驚かされてしまうだろう。スポーティでアグレッシブなスタイルだった先代モデルと比較して、車内は広くなっており、後席を立てた状態でも、このジャンルのクルマでトップクラスのラゲッジ容量を備えている。その秘密は、リヤのサスペンションに軽量でコンパクトな設計を可能としたリーフ式サスペンションが採用されていることにある。
一般的なクルマがコイル式スプリングを採用して、壁面が張り出しているのに対し、V60は張りだしがない。故に、横幅の広い荷物が積みやすく、テールゲート上部の角度が立ち気味名フォルムで描かれていることで、箱型の荷物が収まりやすい。従来のV60は、荷室よりもスタイリングに重きを置いていたが、新型V60は欲張りな積載性とスタイリッシュなデザインを見事に両立させてきた。
驚いたのは、日本仕様はボディの全幅を1850mmに合わせ込んできたという話。これは、一般的な機械式駐車場に収まるサイズを意識した数字といえるが、ボルボ・カー・ジャパンの担当者によれば、日本はスウェーデンに続くエステートが人気の市場だということもあり、本国に要求を受け容れて貰えたそうだ。とはいえ、それでも横幅は広い部類に入るので、狭い場所での取り回しが気になるところだが、360度カメラを駆使すれば、自車周りの障害物の状況が捉えやすいので、プレッシャーを受ける場面が少なかった。
◆「ボルボのエステート」に期待するものが詰まっている
今回のV60は、ボディサイズはほどほどながら、車内の広さ、荷室の積載性、最新鋭の運転支援システムが標準装備されているなど、ボルボのエステートに高い次元の安全機能や荷物が沢山積み込める多機能を期待してきたユーザーにとって、気になる存在となりそうだ。
そこに、世界的に高い評価を得ている最新のスタイリングとインテリアを携え、さらには新車時に5年保証を無償提供するなど、乗り換えを後押しするトピックも満載なのだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
藤島知子|モータージャーナリスト
幼い頃からのクルマ好きが高じて、2002年からワンメイクレースに挑戦。市販車からフォーミュラカーに至るまで、ジャンルを問わず、さまざまなレースに参加している。2007年にはマツダロードスターレースで女性初のクラス優勝を獲得した経験をもつ。現在はクルマの楽しさを多くの人に伝えようと、自動車専門誌、一般誌、TV、WEB媒体を通じて活動中。走り好きの目線と女性の目線の両方向から、カーライフ全般をサポートしている。COTYの選考基準は、クルマと共に過ごす日常において、気持ちを豊かにしてくれるクルマかどうかに焦点を当てる。
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