【メルセデスベンツ Cクラス 新型試乗】この仕上がり、弱点を見出すことは難しい…九島辰也
◆1.5リットルターボ+モーターの新ユニット登場
今回の『Cクラス』のモデルチェンジは劇的なものではない。もちろんマイナーチェンジなのだから限界はあるが、特に見た目はこれまでとほとんど変わらない。グリルやバンパーの形状とライトユニットの中身がリデザインされたくらいだ。
当然、これには理由があってこれまでのデザインが評価されている点が大きい。『Sクラス』から始まったセダン系デザインの系譜はいい感じに浸透しているといえよう。
ただ、新しいパワーソースが加わったのは大きなニュース。特に「C200」に搭載される1.5リットル直4ターボ+モーターのユニットは興味がそそる。なんたって「C180」に積まれる1.6リットル直4ターボより排気量が小さいのだから。その中身を理解しないと混乱する。
キモになるのはBSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)と48V電気システムだろう。これには2つのメリットがあって、ひとつは発進時にモーターのみで駆動させること、もうひとつはシフトチェンジ時にモーターがアシストすることだ。これによりエンジンの苦手な低回転域のトルクを分厚くし、かつ高回転領域に振ることができる。事実このエンジンの最大トルクは3000回転以上となる。
◆4種のエンジンを乗り比べ
でもって実際にこれを走らせると、発進時にグイッとクルマを前へ押し出すモーターを感じることができる。この走り出しは1.5リットルという排気量からは想像がつかない。しかも、トルクの出方は自然でそのままエンジンに引き継がれる。なので3500回転からの気持ちのいいエンジンの吹け上がりをそのまま体感できる。
だが、このエンジンばかりに感動してはいられない。次に乗った「C220」に搭載される2リットル直4ディーゼルターボがそれを上回るくらいの気持ち良さを発揮した。これはすでに『Eクラス』で高い評価を得ているユニットだが、Cクラスとのマッチングも半端なくいい。何が気に入ったかというと、低回転から高回転までの一連の吹け上がり。どの領域でも満遍なく太いトルクを巻き散らかしながらリニアにパワーが出て行く。要するにそこに快適なフィーリングがある。
ちなみに、これは低速で街中を走っていてもあまり感じない。タイトコーナーから高速コーナーが続くワインディングで魅力を発揮する。
最後に乗った「AMG C43」の3リットルV6ツインターボに関しては、ある意味良くて当たり前。試乗日に乗った最もパワフルなエンジンだし、AMGがチューンしたサウンドを持つからだ。低回転域からまんまレーシングカーのような野太いエキゾーストノートを響きわたらせる。後ろから聞こえて来たらミラーの中ではまだ米粒大でも道を譲るだろう。
◆意外なほどのハンドリングマシン
といったのがマイナーチェンジしたCクラスのファーストインプレッション。パワーソースの違いが明瞭にわかったが、それと同時にCクラスらしい足のさばきも際立った。Cクラスって意外なほどのハンドリングマシンでもある。
試乗車のボディはセダン、ステーションワゴン、カブリオレとバラバラだったが、その辺はどれかが極端にボディ剛性が落ちるといったことはなかった。ドイツ系のカブリオレは閉めた時に逆に乗り心地に硬さを感じる傾向があるが、このクルマはそうではない。開けている時の開放感もあり、スタイリングもいい。現存する数少ない秀逸なオープン4シーターであろう。
とにもかくにもCクラスはメルセデスにとって販売面とイメージ面で重要な位置にある。その仕上がりに弱点はなかなか見出せない。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。『Car EX』(世界文化社 刊)副編集長、『アメリカンSUV』(エイ出版社 刊)編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌『LEON』(主婦と生活社 刊)副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。 東京・自由が丘出身。
(レスポンス 九島辰也)
今回の『Cクラス』のモデルチェンジは劇的なものではない。もちろんマイナーチェンジなのだから限界はあるが、特に見た目はこれまでとほとんど変わらない。グリルやバンパーの形状とライトユニットの中身がリデザインされたくらいだ。
当然、これには理由があってこれまでのデザインが評価されている点が大きい。『Sクラス』から始まったセダン系デザインの系譜はいい感じに浸透しているといえよう。
ただ、新しいパワーソースが加わったのは大きなニュース。特に「C200」に搭載される1.5リットル直4ターボ+モーターのユニットは興味がそそる。なんたって「C180」に積まれる1.6リットル直4ターボより排気量が小さいのだから。その中身を理解しないと混乱する。
キモになるのはBSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)と48V電気システムだろう。これには2つのメリットがあって、ひとつは発進時にモーターのみで駆動させること、もうひとつはシフトチェンジ時にモーターがアシストすることだ。これによりエンジンの苦手な低回転域のトルクを分厚くし、かつ高回転領域に振ることができる。事実このエンジンの最大トルクは3000回転以上となる。
◆4種のエンジンを乗り比べ
でもって実際にこれを走らせると、発進時にグイッとクルマを前へ押し出すモーターを感じることができる。この走り出しは1.5リットルという排気量からは想像がつかない。しかも、トルクの出方は自然でそのままエンジンに引き継がれる。なので3500回転からの気持ちのいいエンジンの吹け上がりをそのまま体感できる。
だが、このエンジンばかりに感動してはいられない。次に乗った「C220」に搭載される2リットル直4ディーゼルターボがそれを上回るくらいの気持ち良さを発揮した。これはすでに『Eクラス』で高い評価を得ているユニットだが、Cクラスとのマッチングも半端なくいい。何が気に入ったかというと、低回転から高回転までの一連の吹け上がり。どの領域でも満遍なく太いトルクを巻き散らかしながらリニアにパワーが出て行く。要するにそこに快適なフィーリングがある。
ちなみに、これは低速で街中を走っていてもあまり感じない。タイトコーナーから高速コーナーが続くワインディングで魅力を発揮する。
最後に乗った「AMG C43」の3リットルV6ツインターボに関しては、ある意味良くて当たり前。試乗日に乗った最もパワフルなエンジンだし、AMGがチューンしたサウンドを持つからだ。低回転域からまんまレーシングカーのような野太いエキゾーストノートを響きわたらせる。後ろから聞こえて来たらミラーの中ではまだ米粒大でも道を譲るだろう。
◆意外なほどのハンドリングマシン
といったのがマイナーチェンジしたCクラスのファーストインプレッション。パワーソースの違いが明瞭にわかったが、それと同時にCクラスらしい足のさばきも際立った。Cクラスって意外なほどのハンドリングマシンでもある。
試乗車のボディはセダン、ステーションワゴン、カブリオレとバラバラだったが、その辺はどれかが極端にボディ剛性が落ちるといったことはなかった。ドイツ系のカブリオレは閉めた時に逆に乗り心地に硬さを感じる傾向があるが、このクルマはそうではない。開けている時の開放感もあり、スタイリングもいい。現存する数少ない秀逸なオープン4シーターであろう。
とにもかくにもCクラスはメルセデスにとって販売面とイメージ面で重要な位置にある。その仕上がりに弱点はなかなか見出せない。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。『Car EX』(世界文化社 刊)副編集長、『アメリカンSUV』(エイ出版社 刊)編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌『LEON』(主婦と生活社 刊)副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。 東京・自由が丘出身。
(レスポンス 九島辰也)
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