【メルセデスベンツ Cクラス 新型試乗】C200アバンギャルドは「190E」の再来か…島崎七生人
◆BSG+48Vの「C200」
4車種23モデルで展開される新型メルセデスベンツ『Cクラス』は、スタンダードな4気筒から、4リットルのV8ツインターボまで、例によって幅広い展開だ。
その中でも注目なのは、スターターとジェネレーターの役割を果たすモーターをもつBSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)と48V電気システムを搭載した「C200アバンギャルド」。
エンジンは何と1.5リットルの4気筒ターボながら184ps/280Nmを発揮。これに加えて、ベルトでクランクシャフトと繋がる例のモーターが14ps/160Nmを発生し、加速時ほか、シフトチェンジ時の回転合わせ、コースティングなど、場面に応じ駆動力を発揮、アシストするというもの。発電は回生ブレーキ等で行われ、1kWhのリチウムイオン電池に蓄電される仕組みで、低燃費と走りを支える。
他方で安全/運転支援機能は『Sクラス』同等に設定。ウインカー操作で車線変更を自動で行なう機能や、自動停止後の自動再発進(高速道路上なら30秒以内など条件がある)、従来より作動領域を拡大させたステアリングアシストなど、充実した内容が盛り込まれる。
外観はグリル回り、ランプ類の意匠変更などがポイントだが、いつものように従来型オーナーや熱烈なメルセデス・ベンツ・ファンなら識別可能といったレベル。それ以上に内容、性能の熟成が進められた……といったところだ。
◆「190E」のインパクトに匹敵
試乗会で与えられた1枠分の試乗(と撮影)につき、自分のクルマのように数日間乗ることで見えてくる良さは、もっとあると思う。が、反対にさらっと乗り、感じられたことも決して少なくなかった。そのひとつが、極上のドライバビリティが実現されている、ということ。
BSGが裏支えしているのは確かだが、最初の発進から、街中の渋滞での加減速、山間路、バイパスなど、およそすべてのシーンで、とにかくスムースに徹した走りっぷりを示してくれるのである。新機構を搭載しながら、それらを完璧に使いこなした上で、これだけそんなりと走ってしまう。たいしたものだというほかない。
当然、乗り味もなめらかな味わい。神経を一切逆撫でしない。さらに、ステアリングフィールもなめらかで上質なのも、やはりメルセデスベンツならではだ。個人的には、ここまで感銘を受けたメルセデスベンツの乗り味は久しぶりであり、遠く『190E』に初試乗した際のインパクトにも匹敵するのでは?とさえ思った。
ステアリングホイールはグリップの奥行き方向の厚みがやや大きいとも思う。けれどコラム右手に備わるシフトレバーや、昔ながらのシート形状をしたドアトリム上のパワーシートの調節スイッチなど、操作系は整理された配置で使いやすい。
カッチリと上質な室内のフィニッシュレベルは相変わらずだが、フロントガラスからサイドウインドにかけて、ベルトラインが真っすぐに通っているなど、セダンらしく視界がよく、車両感覚が掴みやすいデザインなのも好ましいところ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
4車種23モデルで展開される新型メルセデスベンツ『Cクラス』は、スタンダードな4気筒から、4リットルのV8ツインターボまで、例によって幅広い展開だ。
その中でも注目なのは、スターターとジェネレーターの役割を果たすモーターをもつBSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)と48V電気システムを搭載した「C200アバンギャルド」。
エンジンは何と1.5リットルの4気筒ターボながら184ps/280Nmを発揮。これに加えて、ベルトでクランクシャフトと繋がる例のモーターが14ps/160Nmを発生し、加速時ほか、シフトチェンジ時の回転合わせ、コースティングなど、場面に応じ駆動力を発揮、アシストするというもの。発電は回生ブレーキ等で行われ、1kWhのリチウムイオン電池に蓄電される仕組みで、低燃費と走りを支える。
他方で安全/運転支援機能は『Sクラス』同等に設定。ウインカー操作で車線変更を自動で行なう機能や、自動停止後の自動再発進(高速道路上なら30秒以内など条件がある)、従来より作動領域を拡大させたステアリングアシストなど、充実した内容が盛り込まれる。
外観はグリル回り、ランプ類の意匠変更などがポイントだが、いつものように従来型オーナーや熱烈なメルセデス・ベンツ・ファンなら識別可能といったレベル。それ以上に内容、性能の熟成が進められた……といったところだ。
◆「190E」のインパクトに匹敵
試乗会で与えられた1枠分の試乗(と撮影)につき、自分のクルマのように数日間乗ることで見えてくる良さは、もっとあると思う。が、反対にさらっと乗り、感じられたことも決して少なくなかった。そのひとつが、極上のドライバビリティが実現されている、ということ。
BSGが裏支えしているのは確かだが、最初の発進から、街中の渋滞での加減速、山間路、バイパスなど、およそすべてのシーンで、とにかくスムースに徹した走りっぷりを示してくれるのである。新機構を搭載しながら、それらを完璧に使いこなした上で、これだけそんなりと走ってしまう。たいしたものだというほかない。
当然、乗り味もなめらかな味わい。神経を一切逆撫でしない。さらに、ステアリングフィールもなめらかで上質なのも、やはりメルセデスベンツならではだ。個人的には、ここまで感銘を受けたメルセデスベンツの乗り味は久しぶりであり、遠く『190E』に初試乗した際のインパクトにも匹敵するのでは?とさえ思った。
ステアリングホイールはグリップの奥行き方向の厚みがやや大きいとも思う。けれどコラム右手に備わるシフトレバーや、昔ながらのシート形状をしたドアトリム上のパワーシートの調節スイッチなど、操作系は整理された配置で使いやすい。
カッチリと上質な室内のフィニッシュレベルは相変わらずだが、フロントガラスからサイドウインドにかけて、ベルトラインが真っすぐに通っているなど、セダンらしく視界がよく、車両感覚が掴みやすいデザインなのも好ましいところ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
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オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
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