【ホンダ CR-V 新型試乗】3列シート車にも受け継がれた“秘伝”の走り…島崎七生人
◆ガソリン車で選べる3列シート
新型『CR-V』のパワートレインは2種が用意される。このうちFFの5シーターであれば全国メーカー希望小売価格323万280円(消費税8%込み)から設定されるのがガソリンエンジンモデルだ。
試乗車は上級グレードの「EX・Masterpiece」のFF車、3列/7シーター。手元でiPhoneのアプリの電卓を弾いてみると、5シーター+22万3560円、4WDに対してはー21万6000円の価格。ハイブリッドは5シーターのみだが、同グレードのFF同士の差額は33万480円で、ガソリン車のほうがより身近な存在ということになる。
◆実用面でのアドバンテージは大きい
新設定された3列/7シーターは、実車に触れてみると、やはり実用面でのアドバンテージが大きいことがわかる。2列目はリヤモーストが5シーターと同じで、従来型より50mm拡大された足元スペース、しっかりしたサイズ、クッションのシートのおかげで着座感は上々だ。
さらにその位置から最大で150mm前方にスライドさせられ、3列目の足元スペースの確保にも貢献。3列目へはタンブル式の2列目をクッションごとハネ上げた状態でのアクセスとなる。3列目もシートクッションなどキチンとした造り(ただし膝を曲げての着座姿勢にはなるが)で、空間は頭上、足元とも最小限ながら、肘かけ部分とその上の肩口のトリム部分を大きく窪ませるなど、最大限の工夫はされている。
ラゲッジスペースも使い勝手の幅が広い。というのも3列目(と2列目)を倒した状態で、高さ調整が可能なラゲッジのフロアボードをあげれば、前から段差が小さく広いスペースが作れるからだ。この状態で床面は5シーターのほうが低いものの、奥行きはほぼ互角。また床下には十分な容量、深さの使い勝手のよさそうなアンダーボックスも備える。
◆ハイブリッドよりもカジュアルな味わい
一方で走りは、別に試乗したi-MMD(の4WD車)が上質な味わいだったのに対し、較べた場合、より自然体というかカジュアルなムードに思えた。1.5リットルターボ(190ps/24.5kgm)は、それ自身不満のない性能、レスポンスだが、とても厳密に見ると(CVTとの兼ね合いか)場面によりパワートレイン系のごく小さなこもり音を室内で感じることがあった。それと運転中気になることは、体格により、運転席から目に入るエンジンフード左右の盛り上がり(位置と形状)がやや気になることくらいか。
とはいえ7シーターながらボディサイズは5シーターと変わらず(最小回転半径も全車5.5mだ)、基本、軽快な走りっぷり。遠く初代は、爽快な走りと実用性を兼備したSUVのハシリだったが、その秘伝のレシピは現代にも脈々と受け継がれているといったところか。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
新型『CR-V』のパワートレインは2種が用意される。このうちFFの5シーターであれば全国メーカー希望小売価格323万280円(消費税8%込み)から設定されるのがガソリンエンジンモデルだ。
試乗車は上級グレードの「EX・Masterpiece」のFF車、3列/7シーター。手元でiPhoneのアプリの電卓を弾いてみると、5シーター+22万3560円、4WDに対してはー21万6000円の価格。ハイブリッドは5シーターのみだが、同グレードのFF同士の差額は33万480円で、ガソリン車のほうがより身近な存在ということになる。
◆実用面でのアドバンテージは大きい
新設定された3列/7シーターは、実車に触れてみると、やはり実用面でのアドバンテージが大きいことがわかる。2列目はリヤモーストが5シーターと同じで、従来型より50mm拡大された足元スペース、しっかりしたサイズ、クッションのシートのおかげで着座感は上々だ。
さらにその位置から最大で150mm前方にスライドさせられ、3列目の足元スペースの確保にも貢献。3列目へはタンブル式の2列目をクッションごとハネ上げた状態でのアクセスとなる。3列目もシートクッションなどキチンとした造り(ただし膝を曲げての着座姿勢にはなるが)で、空間は頭上、足元とも最小限ながら、肘かけ部分とその上の肩口のトリム部分を大きく窪ませるなど、最大限の工夫はされている。
ラゲッジスペースも使い勝手の幅が広い。というのも3列目(と2列目)を倒した状態で、高さ調整が可能なラゲッジのフロアボードをあげれば、前から段差が小さく広いスペースが作れるからだ。この状態で床面は5シーターのほうが低いものの、奥行きはほぼ互角。また床下には十分な容量、深さの使い勝手のよさそうなアンダーボックスも備える。
◆ハイブリッドよりもカジュアルな味わい
一方で走りは、別に試乗したi-MMD(の4WD車)が上質な味わいだったのに対し、較べた場合、より自然体というかカジュアルなムードに思えた。1.5リットルターボ(190ps/24.5kgm)は、それ自身不満のない性能、レスポンスだが、とても厳密に見ると(CVTとの兼ね合いか)場面によりパワートレイン系のごく小さなこもり音を室内で感じることがあった。それと運転中気になることは、体格により、運転席から目に入るエンジンフード左右の盛り上がり(位置と形状)がやや気になることくらいか。
とはいえ7シーターながらボディサイズは5シーターと変わらず(最小回転半径も全車5.5mだ)、基本、軽快な走りっぷり。遠く初代は、爽快な走りと実用性を兼備したSUVのハシリだったが、その秘伝のレシピは現代にも脈々と受け継がれているといったところか。
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(レスポンス 島崎七生人)
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