【ベントレー ベンテイガV8 試乗】国産車も見習うべき、意外と正当派なパッケージング…諸星陽一
◆値段はさておき…
ベントレー初のSUVとなるのが『ベンテイガ』。W12エンジン搭載でスタートしたベンテイガにV8エンジンモデルが追加された。
W12モデルは約2700万円というプライスタグが付けられたが、V8はそれよりもリーズナブルな価格で2000万円をギリギリ切った1994万6000円というプライスとなった…と数字的には安くなっているように見える。しかし、2700円と2000円なら安くなっているかもしれないが、2700万円が2000万円は絶対値が高すぎて、現実離れしすぎている。
まあ、それはさておき。ベンテイガは非常にSUVらしいSUVだった。最近のSUVはスタイリッシュなスタイリングが重視され、ユーティリティを犠牲にしてUが抜けたSVになっているようなクルマばかりだが、ベンテイガはちゃんとUを持っているクルマであった。
◆運転はビックリするほどにイージー
リヤゲートをオープンすると広くフラットな室内が目に入る。最近のSUVでこんなにきちんとしたラゲッジルームを持つクルマはなかなかお目にかかれない。家族4人で乗ってキャンプに行ってもかなり大型の荷物を積んで行くことができるだろう。
「誰がベンテイガでキャンプに行くんだ?」なんて野暮な質問はなし。それを言うんだったら何でベントレーにSUVが必要なんだ? である。ル・マン24時間レースに行くと、ロールス・ロイスなどの高級車に乗って来てキャンプをしながらレース観戦をしている人もいる。そんなカーライフが楽しめるクルマがベンテイガと思っていいだろう。
搭載されるエンジンは4リットルのV8ターボで最高出力は550馬力、最大トルクは770Nmを発生する。いったいそのどれほどが路面に伝えられるのだろう? と思うとやってられないが、ものすごいエンジンであることは確か。
アクセルを床まで踏み込めば、6800回転のレッドゾーンまで一気にスムーズに吹け上がる。アイドリングからレッドゾーンまでどこにもフリクションを感じないような加速感だ。しかも低速トルクも十分にあり、運転はビックリするほどにイージーだ。
◆存在感はあっても、威圧感は少ない
ただし、ボディは大きい。全長は5mを超え、全幅は2mにもなる。基本的に路地は不可能なクルマと考えたほうがいいだろう。しかし、駐車場の前の道が広く、そのまま国道や都道に出て行けるならとくに不満は感じないだろう。なにしろ存在感がハンパないから、自分が気を遣う以上に周囲のクルマが気を遣ってくれる。そこにイヤミがないのがベントレーらしさ。存在感はあっても、威圧感は少ない(ゼロではない)。
ここまで別世界のクルマはもはやスーパーカーと同じ同じ存在だが、そのパッケージングは大きく評価できる。このまま車幅を1695mmに合わせて縮小した5ナンバー版、1800mmにした同じく3ナンバー版みたいなパッケージングでエンジンもそれぞれ1.8リットルと2.5リットルくらいになればかなり実用的…と考えてしまうくらいに正当派なパッケージングは本当に素晴らしいし、国産車も見習うべきだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
(レスポンス 諸星陽一)
ベントレー初のSUVとなるのが『ベンテイガ』。W12エンジン搭載でスタートしたベンテイガにV8エンジンモデルが追加された。
W12モデルは約2700万円というプライスタグが付けられたが、V8はそれよりもリーズナブルな価格で2000万円をギリギリ切った1994万6000円というプライスとなった…と数字的には安くなっているように見える。しかし、2700円と2000円なら安くなっているかもしれないが、2700万円が2000万円は絶対値が高すぎて、現実離れしすぎている。
まあ、それはさておき。ベンテイガは非常にSUVらしいSUVだった。最近のSUVはスタイリッシュなスタイリングが重視され、ユーティリティを犠牲にしてUが抜けたSVになっているようなクルマばかりだが、ベンテイガはちゃんとUを持っているクルマであった。
◆運転はビックリするほどにイージー
リヤゲートをオープンすると広くフラットな室内が目に入る。最近のSUVでこんなにきちんとしたラゲッジルームを持つクルマはなかなかお目にかかれない。家族4人で乗ってキャンプに行ってもかなり大型の荷物を積んで行くことができるだろう。
「誰がベンテイガでキャンプに行くんだ?」なんて野暮な質問はなし。それを言うんだったら何でベントレーにSUVが必要なんだ? である。ル・マン24時間レースに行くと、ロールス・ロイスなどの高級車に乗って来てキャンプをしながらレース観戦をしている人もいる。そんなカーライフが楽しめるクルマがベンテイガと思っていいだろう。
搭載されるエンジンは4リットルのV8ターボで最高出力は550馬力、最大トルクは770Nmを発生する。いったいそのどれほどが路面に伝えられるのだろう? と思うとやってられないが、ものすごいエンジンであることは確か。
アクセルを床まで踏み込めば、6800回転のレッドゾーンまで一気にスムーズに吹け上がる。アイドリングからレッドゾーンまでどこにもフリクションを感じないような加速感だ。しかも低速トルクも十分にあり、運転はビックリするほどにイージーだ。
◆存在感はあっても、威圧感は少ない
ただし、ボディは大きい。全長は5mを超え、全幅は2mにもなる。基本的に路地は不可能なクルマと考えたほうがいいだろう。しかし、駐車場の前の道が広く、そのまま国道や都道に出て行けるならとくに不満は感じないだろう。なにしろ存在感がハンパないから、自分が気を遣う以上に周囲のクルマが気を遣ってくれる。そこにイヤミがないのがベントレーらしさ。存在感はあっても、威圧感は少ない(ゼロではない)。
ここまで別世界のクルマはもはやスーパーカーと同じ同じ存在だが、そのパッケージングは大きく評価できる。このまま車幅を1695mmに合わせて縮小した5ナンバー版、1800mmにした同じく3ナンバー版みたいなパッケージングでエンジンもそれぞれ1.8リットルと2.5リットルくらいになればかなり実用的…と考えてしまうくらいに正当派なパッケージングは本当に素晴らしいし、国産車も見習うべきだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
(レスポンス 諸星陽一)
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