【ホンダ インサイト 新型試乗】高性能ハイブリッドの搭載を考えれば割安だ…渡辺陽一郎
従来型のホンダ『インサイト』は5ナンバー車だったが、現行型は全長が4675mm、全幅は1820mmに達する3ナンバー車だ。プラットフォーム、ルーフ、前後のピラー(ルーフを支える柱の部分)などの形状は、『シビックセダン』と基本的に共通化されている。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も2700mmで等しい。
ハイブリッドシステムは『アコード』や『ステップワゴン』と同じスポーツハイブリッドi-MMDで、エンジンは主に発電を担当して駆動はモーターが行う。
エンジンの排気量は、アコードなどは2リットルだが、インサイトは『クラリティPHEV』と共通の1.5リットルになる。モーターの動力性能も抑えたが、加速力には余裕がある。モーターはアクセル操作に対する反応も素早く、動力性能をガソリンエンジンに当てはめると2.5リットル並みだ。加速は滑らかで、速度を直線的に高めていく。ノイズも小さい。
乗り心地は、時速40km以下では若干コツコツするが、速度が少し高まれば快適になる。同サイズのセダンの中では優れた部類に入る。
カーブを曲がる時は、乗り心地を重視した足まわりによってボディを少し大きく傾かせるが、後輪の接地性を高めて挙動の変化も穏やかに進むから不安を感じない。スポーティとはいえないが、走りが全般的に滑らかで快適に運転できる。
安全装備のホンダセンシングやカーナビは、全車に標準装着した。グレードはベーシックな「LX」(326万1600円)で十分と考えたいが、この仕様は後方の並走車両などを検知して警報するブラインドスポットインフォメーションを省いてしまった。安全装備は公平に設定すべきだが、LXではオプションでも選べない。そこでこの装備を標準装着した中級の「EX」(349万9200円)を推奨する。
高価格だが、シビックの1.5リットルターボに比べると、装備の違いを補正すれば実質26万円前後で高機能なスポーツハイブリッドi-MMDが搭載される。ステップワゴンでは47万円前後に換算されるからインサイトは割安だ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度:★★★★★
渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。
(レスポンス 渡辺陽一郎)
ハイブリッドシステムは『アコード』や『ステップワゴン』と同じスポーツハイブリッドi-MMDで、エンジンは主に発電を担当して駆動はモーターが行う。
エンジンの排気量は、アコードなどは2リットルだが、インサイトは『クラリティPHEV』と共通の1.5リットルになる。モーターの動力性能も抑えたが、加速力には余裕がある。モーターはアクセル操作に対する反応も素早く、動力性能をガソリンエンジンに当てはめると2.5リットル並みだ。加速は滑らかで、速度を直線的に高めていく。ノイズも小さい。
乗り心地は、時速40km以下では若干コツコツするが、速度が少し高まれば快適になる。同サイズのセダンの中では優れた部類に入る。
カーブを曲がる時は、乗り心地を重視した足まわりによってボディを少し大きく傾かせるが、後輪の接地性を高めて挙動の変化も穏やかに進むから不安を感じない。スポーティとはいえないが、走りが全般的に滑らかで快適に運転できる。
安全装備のホンダセンシングやカーナビは、全車に標準装着した。グレードはベーシックな「LX」(326万1600円)で十分と考えたいが、この仕様は後方の並走車両などを検知して警報するブラインドスポットインフォメーションを省いてしまった。安全装備は公平に設定すべきだが、LXではオプションでも選べない。そこでこの装備を標準装着した中級の「EX」(349万9200円)を推奨する。
高価格だが、シビックの1.5リットルターボに比べると、装備の違いを補正すれば実質26万円前後で高機能なスポーツハイブリッドi-MMDが搭載される。ステップワゴンでは47万円前後に換算されるからインサイトは割安だ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度:★★★★★
渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。
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