【トヨタ RAV4 新型試乗】欧州車に負けないセンス、一目で気に入った!…津々見友彦

RAV4
◆5代目は先進性とオフローダーの力強さをイメージ

4代目を飛ばし、5代目のトヨタRAV4が投入された。デザインコンセプトは八角形(オクタゴン)がテーマ。先進性とオフローダーの力強さをイメージさせ、ヨーロッパ車にも負けないセンスの良さ。一目で気に入った!



メーター周りのデザインも良い。リアルな機械式メーターとセンターのディスプレイとを巧みに融合し、4WDの各輪のトルクメーターなど、独特の楽しい世界がある。

◆圧倒的!ピックアップの良いハイブリッドの加速

動力性能で気持ちの良いのが4WD、E-Fourが自慢のハイブリッドだ。停止から急発進させるとリヤタイヤにトルクを集めロケットスタート。スピードが上がるに従い今度はフロントにトルクが出始め、エンジンが助っ人し見事なエンジンとモーターのコラボで、0-400の発進加速は15秒台! の俊足の雰囲気。軽快だ! 2.5リットル131kw/178psエンジンと88kw/120ps、40kw/54psの前後モーターの威力はさすが! 低回転が弱いエンジントルクを低回転が得意なモーターが補い、高速ではエンジンが頑張る。



一方、2リットルガソリン仕様の“アドベンチャー”も軽快。126kw/171psの出力だが、約40kg程度ハイブリッドより軽量なので低中速トルクがあり不満はない走り。0-400加速は17秒台と実は充分に軽快なのだが、E-Fourモデルが速すぎるのだ!

◆確かな操縦性の“アドベンチャー”

スポーティールックの“アドベンチャー”は特に滑りやすいダート路面で素晴らしい操縦性を見せてくれた。“ダイナミックトルク・ベクタリングAWD”がそれだ。“スポーツモード”でグリップがプアな滑りやすいダート路面でコーナリングしながらアクセルを入れると、アンダーステアで飛び出すのか! と一瞬緊張するが、実はナチュラルに狙いのラインをトレースしてくれた。電制のリヤの左右カップリングを利用し、アウト側タイヤのトルクを増し、難しいテクニックなしで安全にコーナリングしてくれた。



ハイブリッドE-Fourを同じようにコーナーでフルスロットルにすると、最初はアンダー、次にテイルが流れるオーバーステアなどになり、やや忙しい。トルク・ベクタリングのない従来型4WDではややアンダー傾向だった。

もっともフルスロットルにしなければどのタイプもそれなりにコーナリング出来るので問題はない。また、舗装路ではトルク・ベクタリングでも特にダートほどターンインする訳ではない。“トルク・ベクタリングAWD”は燃費のために後輪の駆動系を不要な時には切り離す「ディスコネクト機構」を持つ中身の濃さも特徴。

◆オン、オフどちらも楽しめるミッドサイズSUV

乗り心地や静粛性も快適でルックスの良いRAV4はモデルによりオン、オフどちらも楽しめるミッドサイズSUV。レーダークルーズをはじめ、ぺダル踏み間違えでも衝突被害軽減する「サポカーS」仕様は全モデル装備。シニアにも嬉しいクルマだ。



加速性能の高い“E-Four”か? コーナリングに強い“トルク・ベクタリングAWD”か? 低価格なFFモデルか? はたまた燃費重視の2WDハイブリッドか? チョイスに悩むラインナップだ!

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度:★★★★★
(対象車両:アドベンチャー)

津々見 友彦│モータージャーナリスト
第1回日本GPに出場し、その後日産、トヨタ、いすゞのワークスドライバーとして活躍。現在は自動車雑誌、ラジオ、Car Worldなどに試乗記を書く。サーキット走りとパソコン大好き。今は自転車に凝る。

(レスポンス 津々見友彦)

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