【BMW 3シリーズ 新型試乗】自然吸気エンジンのような素直な運転感覚…御堀直嗣
今回試乗したのは、新型『3シリーズ』のうち国内に導入される最上級車種となる「330i Mスポーツ」だ。
前型に比べ、車幅が25mm拡幅され1825mmとなり、デザインの要素もあるだろうがかなり大柄に見える。それでも、55kgの軽量化が行われているとの説明で、実際に走り出してみると車体の大型化の走行性能への影響は感じなかった。
また、燃料噴射圧を1.5倍高めたとのことで、アイドリング時のカラカラというディーゼル騒音のような音も抑えられた印象だ。
◆速度を上げるほど安定する
直列4気筒2.0リットルのツインスクロールターボ・ガソリンエンジンは、低回転域から十分な加速をもたらし、フルスロットル時には自然吸気エンジンのように伸びやかな回転で心地よく速度にのせていく。ターボエンジンらしさはあまりないが、伝統的なBMWの自然吸気エンジンの快さという持ち味を活かした加速が、アクセルペダルの操作への応答も的確にし、前後重量配分50:50にこだわるBMWの素直な運転感覚にもあっていると思う。
ただし、このクルマに関していえば、ステアリングホイールの握りが太すぎて、違和感を覚えさせた。
ランフラットタイヤを標準装着し、ややゴツゴツとした乗り味ではあるが、体を突き上げるような硬さではなく、スポーティさを持ち味とした車種としては十分快適といえる水準だ。速度が高くなるほどにタイヤの接地感覚が増し、安定して落ち着きのある乗り心地になるあたりは欧州車の常である。
◆ゆとりが増した後席
ホイールベースが前型に比べ40mm伸ばされたことにより後席のゆとりが増し、贅沢な空間を味わえる。座席はきちんと座ることができ、前席下へ爪先を差し入れることもできるので、ゆったりくつろいで座れる。室内の静粛性により、前席との会話も普通に交わすことができた。
唯一気になったのは、車両感覚が掴みにくいことだった。車幅が広がったこともあり、左側が掴みにくいことによってガードレールに擦らないか常に気掛かりで、運転に集中できないのが残念であった。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度:★★★★
御堀直嗣|フリーランス・ライター
玉川大学工学部卒業。1988~89年FL500参戦。90~91年FJ1600参戦(優勝1回)。94年からフリーランスライターとなる。著書は、『知らなきゃヤバイ!電気自動車は市場をつくれるか』『ハイブリッドカーのしくみがよくわかる本』『電気自動車は日本を救う』『クルマはなぜ走るのか』『電気自動車が加速する!』『クルマ創りの挑戦者たち』『メルセデスの魂』『未来カー・新型プリウス』『高性能タイヤ理論』『図解エコフレンドリーカー』『燃料電池のすべてが面白いほどわかる本』『ホンダトップトークス』『快走・電気自動車レーシング』『タイヤの科学』『ホンダF1エンジン・究極を目指して』『ポルシェへの頂上作戦・高性能タイヤ開発ストーリー』など20冊。
(レスポンス 御堀直嗣)
前型に比べ、車幅が25mm拡幅され1825mmとなり、デザインの要素もあるだろうがかなり大柄に見える。それでも、55kgの軽量化が行われているとの説明で、実際に走り出してみると車体の大型化の走行性能への影響は感じなかった。
また、燃料噴射圧を1.5倍高めたとのことで、アイドリング時のカラカラというディーゼル騒音のような音も抑えられた印象だ。
◆速度を上げるほど安定する
直列4気筒2.0リットルのツインスクロールターボ・ガソリンエンジンは、低回転域から十分な加速をもたらし、フルスロットル時には自然吸気エンジンのように伸びやかな回転で心地よく速度にのせていく。ターボエンジンらしさはあまりないが、伝統的なBMWの自然吸気エンジンの快さという持ち味を活かした加速が、アクセルペダルの操作への応答も的確にし、前後重量配分50:50にこだわるBMWの素直な運転感覚にもあっていると思う。
ただし、このクルマに関していえば、ステアリングホイールの握りが太すぎて、違和感を覚えさせた。
ランフラットタイヤを標準装着し、ややゴツゴツとした乗り味ではあるが、体を突き上げるような硬さではなく、スポーティさを持ち味とした車種としては十分快適といえる水準だ。速度が高くなるほどにタイヤの接地感覚が増し、安定して落ち着きのある乗り心地になるあたりは欧州車の常である。
◆ゆとりが増した後席
ホイールベースが前型に比べ40mm伸ばされたことにより後席のゆとりが増し、贅沢な空間を味わえる。座席はきちんと座ることができ、前席下へ爪先を差し入れることもできるので、ゆったりくつろいで座れる。室内の静粛性により、前席との会話も普通に交わすことができた。
唯一気になったのは、車両感覚が掴みにくいことだった。車幅が広がったこともあり、左側が掴みにくいことによってガードレールに擦らないか常に気掛かりで、運転に集中できないのが残念であった。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度:★★★★
御堀直嗣|フリーランス・ライター
玉川大学工学部卒業。1988~89年FL500参戦。90~91年FJ1600参戦(優勝1回)。94年からフリーランスライターとなる。著書は、『知らなきゃヤバイ!電気自動車は市場をつくれるか』『ハイブリッドカーのしくみがよくわかる本』『電気自動車は日本を救う』『クルマはなぜ走るのか』『電気自動車が加速する!』『クルマ創りの挑戦者たち』『メルセデスの魂』『未来カー・新型プリウス』『高性能タイヤ理論』『図解エコフレンドリーカー』『燃料電池のすべてが面白いほどわかる本』『ホンダトップトークス』『快走・電気自動車レーシング』『タイヤの科学』『ホンダF1エンジン・究極を目指して』『ポルシェへの頂上作戦・高性能タイヤ開発ストーリー』など20冊。
(レスポンス 御堀直嗣)
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