【BMW Z4 新型試乗】エンジンの“タメ”はスープラRZにもあるのか…島崎七生人
◆コンセプトZ4でほぼ完成していたデザイン
2017年東京モーターショーの『コンセプトZ4』に対し、市販車はキドニーグリルの逆スラントの角度はやや控えめとなり、エンジンフードもサイドは左右フェンダーに回り込ませてあるものの、ノーズ部分はグリルから離して見切り線が入れられ、スクリーンも大きい。
とはいえショーモデルとはホイールのデザインは同じに見えるし、インテリアにあっては、今にしてみればほぼ量産デザインだったことがわかる。
今回の新型「G29型」3代目『Z4』は、生産拠点もこれまでのアメリカ、ドイツから変わり、オーストリアとなる。いうまでもなくトヨタの新型『スープラ』と同じ工場での生産であり、設計レベルの共通項目も多いはずだ。
◆よくぞここまで“別モノ”に仕立ててくれた
が、屋根アリかナシかの違いは大きいにしても、外観にしろインテリアにしろ、よくぞここまで“別モノ”に仕立ててくれた……そんな嬉しい気持ちを覚えたのは事実である。
低い構えでワイドなクルマに思えるが、全幅は1865mmに留まり、全長も4335mmだから手頃な印象。ホイールベースは2470mmと短い設定だが、ソフトトップを使った状態でのサイドシルエットはなだらかに曲線を描いて優雅に見える。
最新の『3シリーズ』以降『8シリーズ』にも共通する、新時代の象徴ともいえる新形状のキドニーグリルも、低く薄いためロードスターのZ4には無理なくマッチしている。
◆どんな場面でもジャストな性能を発揮する
ところで試乗車は「M40i」で、アダプティブMスポーツサスペンションを始め、Mスポーツ仕様のデファレンシャル、ブレーキが標準。さらにタイヤは前:後=255/35ZR19 96Y:275/35ZR19 100Y(ミシュランパイロットスーパースポーツ)を装着するが、これは非ランフラット。なので走らせると、ドライビングモードを“スポーツ・スタンダード”程度なら乗り味はまろやかで快適に思えるほど。
とはいえ、正確無比といった印象のステアリングはあくまで高精度なハンドリングを維持してくれ(決してクイック過ぎない)、ワインディングを安定しきった姿勢でこなす。ソフトトップの開閉でのハンドリングや乗り味の差がほとんど気にならないのは、ボディの作り込みが確かなことの証。トップを閉めてもハードな乗り味に見舞われることはない。
「B58B30C型」の呼称がつく直6の3リットルターボは、340ps/51.0kgmの性能をもち、このスペックは8速ATのギヤ比を含め、スープラの「RZ」グレードと共通。車重はコチラのほうが50kg上乗せの1570kgだから、加速時の、いい意味での“タメ”がZ4固有かどうかは直接乗り較べて確認したいが、総じて、高回転まで、快音を伴いながらスムースでキレイに回ってくれ、どんな場面でもジャストな性能を発揮してくれる。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
2017年東京モーターショーの『コンセプトZ4』に対し、市販車はキドニーグリルの逆スラントの角度はやや控えめとなり、エンジンフードもサイドは左右フェンダーに回り込ませてあるものの、ノーズ部分はグリルから離して見切り線が入れられ、スクリーンも大きい。
とはいえショーモデルとはホイールのデザインは同じに見えるし、インテリアにあっては、今にしてみればほぼ量産デザインだったことがわかる。
今回の新型「G29型」3代目『Z4』は、生産拠点もこれまでのアメリカ、ドイツから変わり、オーストリアとなる。いうまでもなくトヨタの新型『スープラ』と同じ工場での生産であり、設計レベルの共通項目も多いはずだ。
◆よくぞここまで“別モノ”に仕立ててくれた
が、屋根アリかナシかの違いは大きいにしても、外観にしろインテリアにしろ、よくぞここまで“別モノ”に仕立ててくれた……そんな嬉しい気持ちを覚えたのは事実である。
低い構えでワイドなクルマに思えるが、全幅は1865mmに留まり、全長も4335mmだから手頃な印象。ホイールベースは2470mmと短い設定だが、ソフトトップを使った状態でのサイドシルエットはなだらかに曲線を描いて優雅に見える。
最新の『3シリーズ』以降『8シリーズ』にも共通する、新時代の象徴ともいえる新形状のキドニーグリルも、低く薄いためロードスターのZ4には無理なくマッチしている。
◆どんな場面でもジャストな性能を発揮する
ところで試乗車は「M40i」で、アダプティブMスポーツサスペンションを始め、Mスポーツ仕様のデファレンシャル、ブレーキが標準。さらにタイヤは前:後=255/35ZR19 96Y:275/35ZR19 100Y(ミシュランパイロットスーパースポーツ)を装着するが、これは非ランフラット。なので走らせると、ドライビングモードを“スポーツ・スタンダード”程度なら乗り味はまろやかで快適に思えるほど。
とはいえ、正確無比といった印象のステアリングはあくまで高精度なハンドリングを維持してくれ(決してクイック過ぎない)、ワインディングを安定しきった姿勢でこなす。ソフトトップの開閉でのハンドリングや乗り味の差がほとんど気にならないのは、ボディの作り込みが確かなことの証。トップを閉めてもハードな乗り味に見舞われることはない。
「B58B30C型」の呼称がつく直6の3リットルターボは、340ps/51.0kgmの性能をもち、このスペックは8速ATのギヤ比を含め、スープラの「RZ」グレードと共通。車重はコチラのほうが50kg上乗せの1570kgだから、加速時の、いい意味での“タメ”がZ4固有かどうかは直接乗り較べて確認したいが、総じて、高回転まで、快音を伴いながらスムースでキレイに回ってくれ、どんな場面でもジャストな性能を発揮してくれる。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
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