【フィアット 500X 新型試乗】新エンジンは軽やかに回り好燃費…島崎七生人
◆『500』にならった控えめなフェイスリフト
新旧でデザインをガラッと変えなかったのは元ネタ(?)のフィアット『500』と同様。フロントではランプ類、ロゴ左右の“ヒゲ”や、バンパーまわりの僅かな意匠変更が目に止まる程度。リヤも、灯体を周囲に細くまわし内側にボディ色を置いたのは500の現行型と同じ手法だ。
インテリアではシート表皮の入れ替えが実施された。インパネ中央のUconnectは7インチにモニターサイズが拡大し、Apple CarPlay、Android Autoに対応、Siri、Googleアシスタントも利用可能になった。眼前のメーター盤面や、ステアリングホイール(フラットボトム→正円に)のデザインも変更されている。
ボディ色を引用するインパネ前面、上下2段のフタ付きグローブボックス(下段には日本仕様の純正車検証入れがキチンと収まる)、十分な容量のドアポケットなど、使い勝手のよさはもちろん変わらない。
◆軽やかでスムースに回る新開発エンジン
変更点で大きいのはエンジンだ。“FireFly”と呼ぶオールアルミ製新開発エンジンが搭載されたからだ。排気量は1331cc(従来は1368cc)で、これまでどおりのマルチエア16バルブインタークーラー付きターボだが、性能は151ps/27.5kgm(従来は140ps/23.5kgm)に向上。欧州計測参考値で燃費もおよそ10%向上している。
そのエンジンの印象は、非常に軽やかでスムースに回る。とくに高速側の伸びのよさはストレスがなく気持ちがいい。スペック表を当たるとデュアルクラッチ方式の6速ミッションは、最終減速比を含めギヤ比は新旧エンジンで共通。ただし100km/h、6速走行時のエンジン回転は2250rpm(従来は2100rpmだった)とことなるが、これはタイヤサイズの差(新型は17インチ、旧型Pop Star Plusは18インチ)によるものと思われる。
試乗車は下ろしたばかりの個体だったが、走り込むにつれシフトチェンジのタイミングが馴染んできたし、もともとシフトチェンジ自体はスムースに実行され、高速巡航時のノイズ、振動の小ささも旧型以上に進化、洗練されている。
◆旧型のほうが、操作に対しよりオットリしていた
試乗車を借り受け3泊4日、走行距離は130km程度だったが実燃費は12km/リットルほど。一般道を中心に高速道路では集中工事に見舞われるなどしたから、条件がよければWLTCモードの13.5km/リットルは日常的に軽く上回りそうな感触だった。
下ろしたばかりの試乗車ということもあり、乗り味も“馴染み”が出てくるのはこれから……といった印象だった。現状ではステアリングレスポンス、サスペンションの効きかたなど旧型のほうが、操作に対しよりオットリとした反応だったように感じた。
とはいえ車線逸脱警告を始め最新の安全支援機能の搭載は何より心強い。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
新旧でデザインをガラッと変えなかったのは元ネタ(?)のフィアット『500』と同様。フロントではランプ類、ロゴ左右の“ヒゲ”や、バンパーまわりの僅かな意匠変更が目に止まる程度。リヤも、灯体を周囲に細くまわし内側にボディ色を置いたのは500の現行型と同じ手法だ。
インテリアではシート表皮の入れ替えが実施された。インパネ中央のUconnectは7インチにモニターサイズが拡大し、Apple CarPlay、Android Autoに対応、Siri、Googleアシスタントも利用可能になった。眼前のメーター盤面や、ステアリングホイール(フラットボトム→正円に)のデザインも変更されている。
ボディ色を引用するインパネ前面、上下2段のフタ付きグローブボックス(下段には日本仕様の純正車検証入れがキチンと収まる)、十分な容量のドアポケットなど、使い勝手のよさはもちろん変わらない。
◆軽やかでスムースに回る新開発エンジン
変更点で大きいのはエンジンだ。“FireFly”と呼ぶオールアルミ製新開発エンジンが搭載されたからだ。排気量は1331cc(従来は1368cc)で、これまでどおりのマルチエア16バルブインタークーラー付きターボだが、性能は151ps/27.5kgm(従来は140ps/23.5kgm)に向上。欧州計測参考値で燃費もおよそ10%向上している。
そのエンジンの印象は、非常に軽やかでスムースに回る。とくに高速側の伸びのよさはストレスがなく気持ちがいい。スペック表を当たるとデュアルクラッチ方式の6速ミッションは、最終減速比を含めギヤ比は新旧エンジンで共通。ただし100km/h、6速走行時のエンジン回転は2250rpm(従来は2100rpmだった)とことなるが、これはタイヤサイズの差(新型は17インチ、旧型Pop Star Plusは18インチ)によるものと思われる。
試乗車は下ろしたばかりの個体だったが、走り込むにつれシフトチェンジのタイミングが馴染んできたし、もともとシフトチェンジ自体はスムースに実行され、高速巡航時のノイズ、振動の小ささも旧型以上に進化、洗練されている。
◆旧型のほうが、操作に対しよりオットリしていた
試乗車を借り受け3泊4日、走行距離は130km程度だったが実燃費は12km/リットルほど。一般道を中心に高速道路では集中工事に見舞われるなどしたから、条件がよければWLTCモードの13.5km/リットルは日常的に軽く上回りそうな感触だった。
下ろしたばかりの試乗車ということもあり、乗り味も“馴染み”が出てくるのはこれから……といった印象だった。現状ではステアリングレスポンス、サスペンションの効きかたなど旧型のほうが、操作に対しよりオットリとした反応だったように感じた。
とはいえ車線逸脱警告を始め最新の安全支援機能の搭載は何より心強い。
■5つ星評価
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(レスポンス 島崎七生人)
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