【マツダ3 新型 雪上試乗】パワフルではないが車両との一体感を得やすい2Lガソリンモデル…渡辺陽一郎
マツダ『アクセラ』は、5月24日にフルモデルチェンジを行って『マツダ3』になった。販売店では3月上旬から予約受注を行っていたが、生産や納車を伴う「発売」の時期はグレードに応じて異なる。
販売店によると「5月に発売するのは1.5Lのガソリンのみで、2Lのガソリンと1.8Lのクリーンディーゼルターボは8月頃。2LのSKYACTIV-Xは不明瞭で、早くても8月末」という。
◆走りが上質で、マツダ車らしさも濃厚
雪上ではあるが、マツダ3のプロトタイプの運転感覚と居住性を確認できた。試乗したのは主に北米仕様で、エンジンは2Lのガソリンだ。2.5Lも試乗したが、日本には導入されない。
2Lエンジンは、車両重量とのバランスを考えるとパワフルではないが、実用回転域の駆動力に余裕があって運転しやすい。有段式6速ATとの相乗効果で、細かな速度調節もしやすい。動力性能が高いのはディーゼルやSKYACTIV-Xだが、2Lのノーマルエンジンは、ドライバーが車両との一体感を得やすい。走りが上質で、マツダ車らしさも濃厚だ。
走行安定性は雪上試乗だから差し引いて考える必要はあるが、Gベクタリングコントロール+の効果もあり、カーブでは車両を内側に向けやすい。4輪の接地性も高く、カーブを曲がっている最中にアクセルペダルを戻すような操作をしても、挙動が乱されにくい。後輪側のサスペンションは、独立式のマルチリンクから車軸式のトーションビームに変更したが、特に不都合はない。
◆注意したいのは後方視界
注意したいのは後方視界だ。特にハッチバックはボディ後端のピラー(柱)が太く、後席側のサイドウインドーは面積が狭い。最近のクルマは全般的に視界が悪いが、マツダ3のハッチバックはこの傾向が強い。セダンも良好とはいえないが、ハッチバックに比べれば見やすい。視界は安全性に大きな影響を与えるから、最近のデザイン優先に基づく後方視界の悪化は改善すべき重要課題だ。日本車に限らず輸入車にも当てはまる。
居住性は、前席の座り心地とホールド性は良好だ。腰から大腿部をしっかりと支える。後席は足元空間が狭い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ1つ半だ。現行アクセラも同程度だが、『フィット』は同じ測り方で握りコブシ2つ半を確保する。
マツダ3はミドルサイズのハッチバック&セダンだが、運転の楽しさを含めて、ドライバー本位のクルマ造りに徹している。運転するのが好きなユーザーに相応しい。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア&居住性:★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★
渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。
(レスポンス 渡辺陽一郎)
販売店によると「5月に発売するのは1.5Lのガソリンのみで、2Lのガソリンと1.8Lのクリーンディーゼルターボは8月頃。2LのSKYACTIV-Xは不明瞭で、早くても8月末」という。
◆走りが上質で、マツダ車らしさも濃厚
雪上ではあるが、マツダ3のプロトタイプの運転感覚と居住性を確認できた。試乗したのは主に北米仕様で、エンジンは2Lのガソリンだ。2.5Lも試乗したが、日本には導入されない。
2Lエンジンは、車両重量とのバランスを考えるとパワフルではないが、実用回転域の駆動力に余裕があって運転しやすい。有段式6速ATとの相乗効果で、細かな速度調節もしやすい。動力性能が高いのはディーゼルやSKYACTIV-Xだが、2Lのノーマルエンジンは、ドライバーが車両との一体感を得やすい。走りが上質で、マツダ車らしさも濃厚だ。
走行安定性は雪上試乗だから差し引いて考える必要はあるが、Gベクタリングコントロール+の効果もあり、カーブでは車両を内側に向けやすい。4輪の接地性も高く、カーブを曲がっている最中にアクセルペダルを戻すような操作をしても、挙動が乱されにくい。後輪側のサスペンションは、独立式のマルチリンクから車軸式のトーションビームに変更したが、特に不都合はない。
◆注意したいのは後方視界
注意したいのは後方視界だ。特にハッチバックはボディ後端のピラー(柱)が太く、後席側のサイドウインドーは面積が狭い。最近のクルマは全般的に視界が悪いが、マツダ3のハッチバックはこの傾向が強い。セダンも良好とはいえないが、ハッチバックに比べれば見やすい。視界は安全性に大きな影響を与えるから、最近のデザイン優先に基づく後方視界の悪化は改善すべき重要課題だ。日本車に限らず輸入車にも当てはまる。
居住性は、前席の座り心地とホールド性は良好だ。腰から大腿部をしっかりと支える。後席は足元空間が狭い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ1つ半だ。現行アクセラも同程度だが、『フィット』は同じ測り方で握りコブシ2つ半を確保する。
マツダ3はミドルサイズのハッチバック&セダンだが、運転の楽しさを含めて、ドライバー本位のクルマ造りに徹している。運転するのが好きなユーザーに相応しい。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア&居住性:★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★
渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。
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