【トヨタ RAV4 新型試乗】「よい買い物をした」と思える一台では…御堀直嗣
◆NAの出足は力不足も感じさせるが
日本市場へは再登場となったトヨタ『RAV4』は、より悪路走破性を高めたSUVの位置づけで開発された。そのカギを握るのは、新開発された4輪駆動システムと、『カムリ』から継承された「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」である。
パワーユニットは直列4気筒2リットルガソリンエンジンと、2.5リットルガソリンエンジンを使うハイブリッド(HV)の2種類。新開発されたダイナミックトルクベクタリングAWDと組み合わされるのは、2リットルのガソリンエンジンだ。
変速機は、CVTが組み合わされる。このCVTは、発進用のギアが組み込まれ、停止からの発進時にグッとクルマを押し出す手ごたえが得られる。とはいえ、自然吸気のガソリンエンジンは、その発進後の30~40km/hあたりまでの加速で力不足を覚えさせ、アクセルペダルをさらに踏み込むことになる。それ以後は、滑らかに回転を上げていき、1.6トン前後のRAV4を快適に走らせた。
◆3種類もの4WDシステム
新開発のAWDは、後輪左右に0~100%のトルク配分を行う。これにより、舗装路では的確な進路でカーブを曲がらせる。やや狭い道でもはみ出すことを心配せず曲がって行ける安心感があった。未舗装路や雪道でも進路が的確になる安心がある一方で、後輪が横滑りをしはじめた場合には駆動配分を調整することで逆に揺り戻しのような挙動が出ることもあった。
HVの4輪駆動システムである「E-Four(イー・フォー)」は、2001年の『エスティマ ハイブリッド』から採用されている後輪をモーター駆動する方式だ。新型RAV4では、後輪の駆動力をより高めることで、FR車のような運転感覚をもたらすことが特徴の一つとなっている。実際、舗装路でも未舗装路でも、4輪駆動車というより後輪駆動車の味わいがあり、それを楽しむことができた。
もう一つ、ガソリンエンジン車用に従来からのフルタイム4輪駆動方式を選ぶことができる。目新しさはないとはいえ、4輪駆動車ならではの安心感のある乗り味は健在で、素直な運転感覚に好感が持てた。
TNGAの採用により、基本がしっかり作り込まれたSUVとの印象が強く、よい買い物をしたと思える一台ではないだろうか。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★
御堀直嗣|フリーランス・ライター
玉川大学工学部卒業。1988~89年FL500参戦。90~91年FJ1600参戦(優勝1回)。94年からフリーランスライターとなる。著書は、『知らなきゃヤバイ!電気自動車は市場をつくれるか』『ハイブリッドカーのしくみがよくわかる本』『電気自動車は日本を救う』『クルマはなぜ走るのか』『電気自動車が加速する!』『クルマ創りの挑戦者たち』『メルセデスの魂』『未来カー・新型プリウス』『高性能タイヤ理論』『図解エコフレンドリーカー』『燃料電池のすべてが面白いほどわかる本』『ホンダトップトークス』『快走・電気自動車レーシング』『タイヤの科学』『ホンダF1エンジン・究極を目指して』『ポルシェへの頂上作戦・高性能タイヤ開発ストーリー』など20冊。
(レスポンス 御堀直嗣)
日本市場へは再登場となったトヨタ『RAV4』は、より悪路走破性を高めたSUVの位置づけで開発された。そのカギを握るのは、新開発された4輪駆動システムと、『カムリ』から継承された「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」である。
パワーユニットは直列4気筒2リットルガソリンエンジンと、2.5リットルガソリンエンジンを使うハイブリッド(HV)の2種類。新開発されたダイナミックトルクベクタリングAWDと組み合わされるのは、2リットルのガソリンエンジンだ。
変速機は、CVTが組み合わされる。このCVTは、発進用のギアが組み込まれ、停止からの発進時にグッとクルマを押し出す手ごたえが得られる。とはいえ、自然吸気のガソリンエンジンは、その発進後の30~40km/hあたりまでの加速で力不足を覚えさせ、アクセルペダルをさらに踏み込むことになる。それ以後は、滑らかに回転を上げていき、1.6トン前後のRAV4を快適に走らせた。
◆3種類もの4WDシステム
新開発のAWDは、後輪左右に0~100%のトルク配分を行う。これにより、舗装路では的確な進路でカーブを曲がらせる。やや狭い道でもはみ出すことを心配せず曲がって行ける安心感があった。未舗装路や雪道でも進路が的確になる安心がある一方で、後輪が横滑りをしはじめた場合には駆動配分を調整することで逆に揺り戻しのような挙動が出ることもあった。
HVの4輪駆動システムである「E-Four(イー・フォー)」は、2001年の『エスティマ ハイブリッド』から採用されている後輪をモーター駆動する方式だ。新型RAV4では、後輪の駆動力をより高めることで、FR車のような運転感覚をもたらすことが特徴の一つとなっている。実際、舗装路でも未舗装路でも、4輪駆動車というより後輪駆動車の味わいがあり、それを楽しむことができた。
もう一つ、ガソリンエンジン車用に従来からのフルタイム4輪駆動方式を選ぶことができる。目新しさはないとはいえ、4輪駆動車ならではの安心感のある乗り味は健在で、素直な運転感覚に好感が持てた。
TNGAの採用により、基本がしっかり作り込まれたSUVとの印象が強く、よい買い物をしたと思える一台ではないだろうか。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★
御堀直嗣|フリーランス・ライター
玉川大学工学部卒業。1988~89年FL500参戦。90~91年FJ1600参戦(優勝1回)。94年からフリーランスライターとなる。著書は、『知らなきゃヤバイ!電気自動車は市場をつくれるか』『ハイブリッドカーのしくみがよくわかる本』『電気自動車は日本を救う』『クルマはなぜ走るのか』『電気自動車が加速する!』『クルマ創りの挑戦者たち』『メルセデスの魂』『未来カー・新型プリウス』『高性能タイヤ理論』『図解エコフレンドリーカー』『燃料電池のすべてが面白いほどわかる本』『ホンダトップトークス』『快走・電気自動車レーシング』『タイヤの科学』『ホンダF1エンジン・究極を目指して』『ポルシェへの頂上作戦・高性能タイヤ開発ストーリー』など20冊。
(レスポンス 御堀直嗣)
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