【三菱 デリカD:5 新型試乗】本質的なよさが、D:5の寿命を保っている…御堀直嗣
◆上質な乗り味になった新型
内外装を大きく変更し、ディーゼルターボエンジンを進化させて8速ATと組み合わせた『デリカD:5』は、好印象を残した。試乗したのは、新設定されたアーバンギアのGパワーパッケージである。
三菱車の統一イメージであるダイナミックシールドの顔つきは、D:5の印象を一変させる。室内も、より乗用車的となり、従来のレクリエーショナルヴィークル色の強い室内を好んだ人には肩透かしを覚えさせるかもしれない。
だが、そうした快適で乗用車的な見栄えは、デリカD:5の上質な乗り味と一致していた。
現行D:5が登場した際に採用されたリブボーンフレームと呼ばれる骨格構造を備えた車体は、堅牢かつ剛性の高さを体感させ、今回のマイナーチェンジにより強化されたフロント部の剛性向上と合わせて、タイヤの的確な接地をさらに前進させた手ごたえがある。舗装路での高速走行でも安定性が高く、背の高いミニバンでありながら高速巡行をさらに楽にした。
◆多段化で高速域の快適性が“様変わり”
尿素SCRが追加された直列4気筒2.3リットルのディーゼルターボエンジンは、ディーゼル騒音はあるものの、その音色が軽く耳ざわりではない。そして、発進ギア比を低めとし、以後のギア比を燃費よりの高速側へ移行された8速ATにより、まず軽やかに発進させる。その後の変速も、6速から8速へ増えた段数によりショックなく滑らかに速度を上げ、上質だ。エンジン回転数をあまり上げずに走行できることにより、室内の静粛性にも優れる。
とくに高速域で騒音が大きかったこれまでのD:5とは様変わりしたように快適さが向上している。
◆実感する車幅感覚の掴みやすさ
そして改めて、車幅感覚が掴みやすいクルマであることも実感した。車幅が1.8m近くあるが、市街地での扱いやすさも得られるだろうし、未舗装路で樹木などが接近した場面でも、この車幅感覚によってうまく進路を誘導することができるだろう。そうした本質的なよさが、D:5の寿命を保っているといえる。
格段に改善された快適性と、より的確さを増した操縦安定性により、D:5は新型といっていいほど進化したと実感した。
余談ながら、新しい顔つきに好みはわかれるかもしれないが、大型トラックがやや無理な車線変更をしようとした際、この顔つきに気づいて躊躇する場面が試乗中にあった。そんな効果も持ち合わせているようだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★★
御堀直嗣|フリーランス・ライター
玉川大学工学部卒業。1988~89年FL500参戦。90~91年FJ1600参戦(優勝1回)。94年からフリーランスライターとなる。著書は、『知らなきゃヤバイ!電気自動車は市場をつくれるか』『ハイブリッドカーのしくみがよくわかる本』『電気自動車は日本を救う』『クルマはなぜ走るのか』『電気自動車が加速する!』『クルマ創りの挑戦者たち』『メルセデスの魂』『未来カー・新型プリウス』『高性能タイヤ理論』『図解エコフレンドリーカー』『燃料電池のすべてが面白いほどわかる本』『ホンダトップトークス』『快走・電気自動車レーシング』『タイヤの科学』『ホンダF1エンジン・究極を目指して』『ポルシェへの頂上作戦・高性能タイヤ開発ストーリー』など20冊。
(レスポンス 御堀直嗣)
内外装を大きく変更し、ディーゼルターボエンジンを進化させて8速ATと組み合わせた『デリカD:5』は、好印象を残した。試乗したのは、新設定されたアーバンギアのGパワーパッケージである。
三菱車の統一イメージであるダイナミックシールドの顔つきは、D:5の印象を一変させる。室内も、より乗用車的となり、従来のレクリエーショナルヴィークル色の強い室内を好んだ人には肩透かしを覚えさせるかもしれない。
だが、そうした快適で乗用車的な見栄えは、デリカD:5の上質な乗り味と一致していた。
現行D:5が登場した際に採用されたリブボーンフレームと呼ばれる骨格構造を備えた車体は、堅牢かつ剛性の高さを体感させ、今回のマイナーチェンジにより強化されたフロント部の剛性向上と合わせて、タイヤの的確な接地をさらに前進させた手ごたえがある。舗装路での高速走行でも安定性が高く、背の高いミニバンでありながら高速巡行をさらに楽にした。
◆多段化で高速域の快適性が“様変わり”
尿素SCRが追加された直列4気筒2.3リットルのディーゼルターボエンジンは、ディーゼル騒音はあるものの、その音色が軽く耳ざわりではない。そして、発進ギア比を低めとし、以後のギア比を燃費よりの高速側へ移行された8速ATにより、まず軽やかに発進させる。その後の変速も、6速から8速へ増えた段数によりショックなく滑らかに速度を上げ、上質だ。エンジン回転数をあまり上げずに走行できることにより、室内の静粛性にも優れる。
とくに高速域で騒音が大きかったこれまでのD:5とは様変わりしたように快適さが向上している。
◆実感する車幅感覚の掴みやすさ
そして改めて、車幅感覚が掴みやすいクルマであることも実感した。車幅が1.8m近くあるが、市街地での扱いやすさも得られるだろうし、未舗装路で樹木などが接近した場面でも、この車幅感覚によってうまく進路を誘導することができるだろう。そうした本質的なよさが、D:5の寿命を保っているといえる。
格段に改善された快適性と、より的確さを増した操縦安定性により、D:5は新型といっていいほど進化したと実感した。
余談ながら、新しい顔つきに好みはわかれるかもしれないが、大型トラックがやや無理な車線変更をしようとした際、この顔つきに気づいて躊躇する場面が試乗中にあった。そんな効果も持ち合わせているようだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★★
御堀直嗣|フリーランス・ライター
玉川大学工学部卒業。1988~89年FL500参戦。90~91年FJ1600参戦(優勝1回)。94年からフリーランスライターとなる。著書は、『知らなきゃヤバイ!電気自動車は市場をつくれるか』『ハイブリッドカーのしくみがよくわかる本』『電気自動車は日本を救う』『クルマはなぜ走るのか』『電気自動車が加速する!』『クルマ創りの挑戦者たち』『メルセデスの魂』『未来カー・新型プリウス』『高性能タイヤ理論』『図解エコフレンドリーカー』『燃料電池のすべてが面白いほどわかる本』『ホンダトップトークス』『快走・電気自動車レーシング』『タイヤの科学』『ホンダF1エンジン・究極を目指して』『ポルシェへの頂上作戦・高性能タイヤ開発ストーリー』など20冊。
(レスポンス 御堀直嗣)
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