【アルファロメオ ジュリア 新型試乗】156から「1回休み」だったアルフィスタに…島崎七生人
◆わずかプラス10万円の左ハンドル4WD
「ヴェローチェ」にはFR(右ハンドル)とQ4(左ハンドル)の2モデルが用意される。直近ではFRについて仕様変更があり、その内容は、19インチホイールやレッドブレーキキャリパーの装着、革内装化(インパネ、ドア部分)、10%の燃費向上(12.0→13.2km/リットル)など。
一方で試乗車はQ4(4WD)である。もともと『ジュリア』の導入当初からヴェローチェとして用意されていたのは4WD(FRの右ハンドルは2018年1月に追加設定された)で、その意味では馴染みが深い。
さらに価格設定にも着目したいが、FRが587万円(ちなみに先の仕様変更後も価格は同一)なのに対し、4WDのQ4はわずか+10万円の597万円となっているのである。実はレポーターも目薬をさし、価格表を見直したくらいだが、2WDと4WDの価格差は、数字の小ささだけでいえば日本の軽自動車並みだ。
◆左ハンドルは機械的な調律がバランスしている
その“Q4のヴェローチェ”だが、ディーゼルが追加されるなどバリエーションが拡充した最新の『ジュリア』にあっても、シリーズきってのクールな走りを実現した、その立ち位置は変わらない。試乗したのは2018年12月登録の比較的新しい個体。しかし(これは“いい意味で”ということになるが)導入当初と何ら違わない、しなやかで気持ちのいい走りが保たれていることが確認できた。
280ps/40.8kgmのスペックの2リットル・ツインスクロールターボは、例によりDNAドライブモードシステムの切り替え次第でダイナミックなレスポンスも見せるも、あくまでドライバーの意思を尊重しているというか、忠誠を尽くしながら仕事をこなすところがアルファロメオらしい。ハンドリングも同様で、Q4はFRモデルとはひと味違うオン・ザ・レール感覚を味わわせてくれるも、決して安定感一辺倒ではなく、切る・曲がるのプロセスにデリケートな感触を残している点が持ち味だ。
それと左ハンドルの『ジュリア』は、右ハンドル車に対し身体にシックリと馴染むのも当初からの印象のひとつ。もちろん右ハンドル車が決定的に劣るということではなく、ドライビングポジションは右ハンドルでも十分に吟味されている。が、乗り込み走らせてみると、クルマ全体の機械的な調律がよりバランスしていることによるスッキリとしたフィット感があるのは試乗のたびに実感することだ。
◆156から「1回休み」だったアルフィスタの受け皿に
近年のアルファロメオのセダンでいうと、『156』(や『166』)でアルファロメオの虜になったユーザーは日本でも多いはず。しかし『159』はやや情感に乏しく物足りず乗り換えは見合わせていた……そんなケースも少なくなかったのでは?
『ジュリア』は、そんな1回休みだったアルフィスタの受け皿としても相応しい“走りもスタイリングも語りかけてくる情緒感たっぷりのアルファロメオ”になっている。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
「ヴェローチェ」にはFR(右ハンドル)とQ4(左ハンドル)の2モデルが用意される。直近ではFRについて仕様変更があり、その内容は、19インチホイールやレッドブレーキキャリパーの装着、革内装化(インパネ、ドア部分)、10%の燃費向上(12.0→13.2km/リットル)など。
一方で試乗車はQ4(4WD)である。もともと『ジュリア』の導入当初からヴェローチェとして用意されていたのは4WD(FRの右ハンドルは2018年1月に追加設定された)で、その意味では馴染みが深い。
さらに価格設定にも着目したいが、FRが587万円(ちなみに先の仕様変更後も価格は同一)なのに対し、4WDのQ4はわずか+10万円の597万円となっているのである。実はレポーターも目薬をさし、価格表を見直したくらいだが、2WDと4WDの価格差は、数字の小ささだけでいえば日本の軽自動車並みだ。
◆左ハンドルは機械的な調律がバランスしている
その“Q4のヴェローチェ”だが、ディーゼルが追加されるなどバリエーションが拡充した最新の『ジュリア』にあっても、シリーズきってのクールな走りを実現した、その立ち位置は変わらない。試乗したのは2018年12月登録の比較的新しい個体。しかし(これは“いい意味で”ということになるが)導入当初と何ら違わない、しなやかで気持ちのいい走りが保たれていることが確認できた。
280ps/40.8kgmのスペックの2リットル・ツインスクロールターボは、例によりDNAドライブモードシステムの切り替え次第でダイナミックなレスポンスも見せるも、あくまでドライバーの意思を尊重しているというか、忠誠を尽くしながら仕事をこなすところがアルファロメオらしい。ハンドリングも同様で、Q4はFRモデルとはひと味違うオン・ザ・レール感覚を味わわせてくれるも、決して安定感一辺倒ではなく、切る・曲がるのプロセスにデリケートな感触を残している点が持ち味だ。
それと左ハンドルの『ジュリア』は、右ハンドル車に対し身体にシックリと馴染むのも当初からの印象のひとつ。もちろん右ハンドル車が決定的に劣るということではなく、ドライビングポジションは右ハンドルでも十分に吟味されている。が、乗り込み走らせてみると、クルマ全体の機械的な調律がよりバランスしていることによるスッキリとしたフィット感があるのは試乗のたびに実感することだ。
◆156から「1回休み」だったアルフィスタの受け皿に
近年のアルファロメオのセダンでいうと、『156』(や『166』)でアルファロメオの虜になったユーザーは日本でも多いはず。しかし『159』はやや情感に乏しく物足りず乗り換えは見合わせていた……そんなケースも少なくなかったのでは?
『ジュリア』は、そんな1回休みだったアルフィスタの受け皿としても相応しい“走りもスタイリングも語りかけてくる情緒感たっぷりのアルファロメオ”になっている。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
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