【メルセデスベンツ Bクラス 新型試乗】実用多目的コンパクトカーとしての資質は高い…島崎七生人
◆フレンドリーな立ち位置は変わらず
カタログの表紙の写真で背景に組み合わせられているのは住宅街。まさしく!といった、“日常に溶け込むメルセデス・ベンツ”を象徴する光景だが、そういうフレンドリーな立ち位置は、もちろん新型でも不変だ。
手元の新型の資料は欧州参考値だが、ざっと新旧比較でボディサイズの拡大幅は、全長、全幅、全高ともに20mm程度、ホイールベースは30mm程度伸ばされ、新型『Aクラス』やそのセダンとは共通の数値(であるはず)。全高は1562mmとなっており、AMGラインであれば1541mmに数値が変わる。
全体のスタイリングは先代の雰囲気を踏襲しているが、ボディサイドの、あらずもがなだったキックしたキャラクターラインがなくなり、最新世代のデザインのすっきりとしたものに。フロントマスクは新型Aクラスと較べると、フロントグリル、ヘッドライトの形状の違いで、キリッとしたAクラスに対し、温和でやわらかな印象をもつ。
◆後席スペース&乗降性は美点
インテリアは天地方向の余裕をもたせた空間作りになっている。インパネはAクラスと同様のディスプレイ、ジェットエンジンのタービン風という5つのエア吹き出し口を始め、パーツ類は共用しつつ、Aクラスとは縦方向の位置を微調整して配置。アッパーフェイシアは(2トーンであれば色分け部分を境に)ドアトリムの上部とともにソフトパッドで作られているほか、センターコンソールのフタの閉まり具合のしっかりとした感触など、細部の仕上げにも神経が行き届く。
MBUXはセンターパッド、ステアリングのスイッチでも操作は可能。個人差はあろうが、じっくりとコクピットドリルを受けて、サクサクと“直感操作”ができるようになれば便利だろう、と思う。
後席は適度に硬めの座面と背もたれで快適な乗車姿勢が保て、何よりドア開口が大きく(とくに頭まわり)乗降性がすこぶるいいのが美点。ラゲッジスペースは“敷居”がもう少し低いほうが、大物の荷物の積載の多いユーザーには扱いやすいかもしれないが、スペース、容量は不満は感じない。
◆履き慣れた靴のような馴染みやすい走り
試乗車は17インチタイヤを履く標準車の「B180」だった。走らせて印象的なのは、履き慣れた自分の靴で歩くような馴染みやすさが誰でも味わえるだろう、ということ。たとえば日本車から乗り換えても、ステアリングの感触やアクセルの反応、取り回しなど、きのうまでと同じように扱えるはずだし、メルセデス・ベンツだからと気負う必要はまったくない。
136ps/20.4kgf・mの性能を1.3リットルガソリンターボは、負荷をかけた時にエンジン音、バイブレーションを感じるのは事実で、健全な自動車を走らせている感はある……などと表現を工夫する必要がなくなればさらにいいが、標準装備が充実し価格設定も妥当であり、爽快な実用多目的コンパクトカーとしての資質は高い、と思う。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
カタログの表紙の写真で背景に組み合わせられているのは住宅街。まさしく!といった、“日常に溶け込むメルセデス・ベンツ”を象徴する光景だが、そういうフレンドリーな立ち位置は、もちろん新型でも不変だ。
手元の新型の資料は欧州参考値だが、ざっと新旧比較でボディサイズの拡大幅は、全長、全幅、全高ともに20mm程度、ホイールベースは30mm程度伸ばされ、新型『Aクラス』やそのセダンとは共通の数値(であるはず)。全高は1562mmとなっており、AMGラインであれば1541mmに数値が変わる。
全体のスタイリングは先代の雰囲気を踏襲しているが、ボディサイドの、あらずもがなだったキックしたキャラクターラインがなくなり、最新世代のデザインのすっきりとしたものに。フロントマスクは新型Aクラスと較べると、フロントグリル、ヘッドライトの形状の違いで、キリッとしたAクラスに対し、温和でやわらかな印象をもつ。
◆後席スペース&乗降性は美点
インテリアは天地方向の余裕をもたせた空間作りになっている。インパネはAクラスと同様のディスプレイ、ジェットエンジンのタービン風という5つのエア吹き出し口を始め、パーツ類は共用しつつ、Aクラスとは縦方向の位置を微調整して配置。アッパーフェイシアは(2トーンであれば色分け部分を境に)ドアトリムの上部とともにソフトパッドで作られているほか、センターコンソールのフタの閉まり具合のしっかりとした感触など、細部の仕上げにも神経が行き届く。
MBUXはセンターパッド、ステアリングのスイッチでも操作は可能。個人差はあろうが、じっくりとコクピットドリルを受けて、サクサクと“直感操作”ができるようになれば便利だろう、と思う。
後席は適度に硬めの座面と背もたれで快適な乗車姿勢が保て、何よりドア開口が大きく(とくに頭まわり)乗降性がすこぶるいいのが美点。ラゲッジスペースは“敷居”がもう少し低いほうが、大物の荷物の積載の多いユーザーには扱いやすいかもしれないが、スペース、容量は不満は感じない。
◆履き慣れた靴のような馴染みやすい走り
試乗車は17インチタイヤを履く標準車の「B180」だった。走らせて印象的なのは、履き慣れた自分の靴で歩くような馴染みやすさが誰でも味わえるだろう、ということ。たとえば日本車から乗り換えても、ステアリングの感触やアクセルの反応、取り回しなど、きのうまでと同じように扱えるはずだし、メルセデス・ベンツだからと気負う必要はまったくない。
136ps/20.4kgf・mの性能を1.3リットルガソリンターボは、負荷をかけた時にエンジン音、バイブレーションを感じるのは事実で、健全な自動車を走らせている感はある……などと表現を工夫する必要がなくなればさらにいいが、標準装備が充実し価格設定も妥当であり、爽快な実用多目的コンパクトカーとしての資質は高い、と思う。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
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