【三菱 エクリプスクロス ディーゼル 新型試乗】アクセルワークに齟齬のない走り…島崎七生人
◆デリカD:5ゆずりの2.2リットルディーゼル
三菱『エクリプスクロス』に新設定されたディーゼルエンジンは、すでに『デリカD:5』にも搭載済み。2.2リットルのコモンレール式DI-Dクリーンディーゼルターボで、AdBlue(尿素水溶液)によりNOxを安定的に浄化するシステムを採用する。
試乗車はこのディーゼルターボ搭載の限定車“BLACK Edition”。その名のとおりホイール、ドアミラーハウジングを始め、フロントグリル、前後スキッドプレート、サイドドアガーニッシュなどがブラック系の仕上げとなり、精悍さが増した外観が特徴。ちょうどフロントグリルを象るクロームの“ダイナミックシールド”を効果的に際立たせ、賑やか過ぎないルックスに仕上がっている。
◆フィールはまるで切れ味のいいガソリンのよう
気になるディーゼルエンジンのパフォーマンスは“自然に積みこなしている”印象。カタログをあたると『デリカD:5』とは、145ps/38.7kgf・mのスペックは同様、8速スポーツモードATのギヤ比も最終減速比を専用としている以外は共通だ。
対して車重はコチラが1680kgで、ざっと280~250kgものアドバンテージをもつ。もちろん車型がまったく違う点を差し引いても、一般道から高速走行まで、アクセルワークに対して齟齬のない加減速と、素直でスムースな動力性能を発揮してくれる。
“エコモード”も走りを極端に犠牲にせず実用的だし、シフトまたはパドルで選べる任意シフトも、スマートで気持ちのいい変速が実行できる。回すと4000rpm+でシフトアップしていく、高回転エンジン時のエンジン音、フィールはまるで切れ味のいいガソリンエンジンのよう。100km/h巡航は8速で1500rpmと低い。
◆ハンドリング、ロードホールディングは得意科目
通常の音・振動もチェックは行き届き、アイドリングストップ後の再始動時のショックが気になるものの、全体としてソツなく洗練されたマナーを発揮してくれる。
ハンドリング、ロードホールディングも『エクリプスクロス』の得意科目だが、ガソリン車同等レベル。S-AWCの的確で緻密な駆動力のマネージメントで、日常的なコーナーをひとつ曲がったような場面でも、安心感、安定感が実感できる。車重の増加分は、低速でボディを路面に押さえつける効果につながり、ダンパーをより働かせながらの、ゆったりとした乗り心地に繋がっていると思えた。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
三菱『エクリプスクロス』に新設定されたディーゼルエンジンは、すでに『デリカD:5』にも搭載済み。2.2リットルのコモンレール式DI-Dクリーンディーゼルターボで、AdBlue(尿素水溶液)によりNOxを安定的に浄化するシステムを採用する。
試乗車はこのディーゼルターボ搭載の限定車“BLACK Edition”。その名のとおりホイール、ドアミラーハウジングを始め、フロントグリル、前後スキッドプレート、サイドドアガーニッシュなどがブラック系の仕上げとなり、精悍さが増した外観が特徴。ちょうどフロントグリルを象るクロームの“ダイナミックシールド”を効果的に際立たせ、賑やか過ぎないルックスに仕上がっている。
◆フィールはまるで切れ味のいいガソリンのよう
気になるディーゼルエンジンのパフォーマンスは“自然に積みこなしている”印象。カタログをあたると『デリカD:5』とは、145ps/38.7kgf・mのスペックは同様、8速スポーツモードATのギヤ比も最終減速比を専用としている以外は共通だ。
対して車重はコチラが1680kgで、ざっと280~250kgものアドバンテージをもつ。もちろん車型がまったく違う点を差し引いても、一般道から高速走行まで、アクセルワークに対して齟齬のない加減速と、素直でスムースな動力性能を発揮してくれる。
“エコモード”も走りを極端に犠牲にせず実用的だし、シフトまたはパドルで選べる任意シフトも、スマートで気持ちのいい変速が実行できる。回すと4000rpm+でシフトアップしていく、高回転エンジン時のエンジン音、フィールはまるで切れ味のいいガソリンエンジンのよう。100km/h巡航は8速で1500rpmと低い。
◆ハンドリング、ロードホールディングは得意科目
通常の音・振動もチェックは行き届き、アイドリングストップ後の再始動時のショックが気になるものの、全体としてソツなく洗練されたマナーを発揮してくれる。
ハンドリング、ロードホールディングも『エクリプスクロス』の得意科目だが、ガソリン車同等レベル。S-AWCの的確で緻密な駆動力のマネージメントで、日常的なコーナーをひとつ曲がったような場面でも、安心感、安定感が実感できる。車重の増加分は、低速でボディを路面に押さえつける効果につながり、ダンパーをより働かせながらの、ゆったりとした乗り心地に繋がっていると思えた。
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1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
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