【MINI クラブマン JCW 新型試乗】ウソでしょう~?と、叫びたくなる速さ!…竹岡圭

MINI クラブマン JCW(ジョンクーパーワークス)新型
◆200km/hで巡航できてしまう安心感


ウソでしょう~? と、叫びたくなるくらいの速さ! ドイツのアウトバーンを、200km/h以上で肩の力を抜いて巡行できちゃうのは、MINIの中でもホイールベースが2670mmと長めの『クラブマン』だからこそなせる業なのでしょう。

今回はマイナーチェンジということですが、フランクフルト郊外で試乗して「JCW」(ジョンクーパーワークス)モデルの直列4気筒2リットルターボエンジンのパワーススペックは、先代比+75ps/+100Nmというんだから驚き。コンパクトカー1台分は上がってる感じですからね。でもALL4(4WD)モデルなので、パワーを伝えながらも安心感が高いんでしょうね。

◆走りのトピックは「メカニカルLSD」


このパワーに対応するためのいちばんのトピックは、メカニカルLSDがついたこと。これまでの電子制御LSDに加えて、機械式LSDを加えることで、コーナリング時もパワーを逃がさず、しっかり前へ前へとクルマを進めてくれるようになりました。コーナリングスピードが上がり、高速でも安定感が高いので、モータースポーツシーンでも活躍できそうな雰囲気。乾燥重量で1550kgということなので、決して軽くはありませんが、ALL4だしそこそこ行ける? というところでしょうか。

とはいえ、MINIには「GP」という超モータースポーツ向けモデルがあるので、クラブマンはそういう意図で作られているわけではありませんが、新GPが登場するまでの現在値で言うと、今回の新型MINIクラブマンJCWがいちばんパワフルなモデルということになります。

さて、LSDに話を戻しますと、LSDの制御があまりにも強いと曲がりにくくなりますが、こちらはファミリー~スポーツまで幅広くというか、どちらも対応するというのがコンセプトなので、LSDの制御もそんなに強くは作られていません。普段街中で道を曲がるときに曲がりにくいなんていうことはありませんのでご心配なく。

◆自制心との戦いになりそうです(笑)


そして個人的には、リアスタイルがすごくよくなったのもお気に入り。先代は顔とお尻のデザインのマッチングがあまりよくないなぁと思っていたのですが、リアのコンビランプがユニオンジャックになって、メチャクチャカワイクなりました!

バックミラーで後ろを見ると、観音開きゆえのセンターの柱が邪魔に感じることもありますが、それでもやっぱりカワイイから、それもまぁいいかな~と思えるのは、やっぱりMINIブランドだからこそなのでしょうね。

日本への上陸が楽しみですが、とにかく速いモデルなので、サーキット以外では自制心との戦いになりそうです(笑)



■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

竹岡圭|モータージャーナリスト・タレント
「クルマは楽しくなくっちゃネ!」をモットーに、さまざまな媒体で「喋って・書いて・走って」を実践する女性モータージャーナリスト。テレビのバラエティ番組のMCから、官公庁の委員まで、硬軟幅広く携わっている。モータースポーツでも、耐久レースやラリーレイドなど数々のレースに参戦、現在は全日本ラリー選手権に自らチームを立ち上げチャレンジ中。日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J.)副会長。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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