「復活のロータリー」も搭載!マツダのEVに最速試乗…乗り味は「高級サルーン」
世界が電動化に向く現在、マツダの次なる目標は現状市販モデルを持たない、BEV(バッテリー)と フルHEV 、PHEVの量産モデル化である。
SKYACTIV-X(スカイアクティブ・エックス)で内燃機におけるひとつの究極にたどり着いたマツダだが、電動化でもその存在を明確に示す必要がある。
マツダが遂に送り出すBEVに試乗するため、勇んで向かった先はEVのシェアが50%という環境先進国ノルウェー。港町オスロに着いて驚いたのは、アメリカ・ロサンゼルス以外でこんなにも目にするのか!? と思うテスラ全モデルの数々。BMW『i3』も次々に現れるし、日産『リーフ』は新旧が走り、キアほか韓国勢も負けない台数のBEVを目の当たりにする。
BEV=ピュアEVには税制が優遇される他、購入時の物品税もかからない、となればEVを選ばない手はないだろうこの国で、マツダはBEVの誕生を告げる!!
◆すべては10月の東京モーターショーで明らかに
e-TPV(Technology Prove-out Vehicle)と、仮の名が与えられたマツダの試乗車は、姿かたちこそマットブラックに塗られた最新の『CX-30』そのものだが、クルマのクラスからサイズと肝心のスタイリングも含めて、あくまでも「黒の試走車」=プロトタイプだった。
すべては東京モーターショーが発表の舞台という!! かつて無い、いや東京モーターショーとはそういう場であった過去のワク~ドキが蘇る。期待と興奮と感動が今年の東京モーターショーには用意されているという事だ。
『マツダ3』から始まった新世代シャーシ構成は、まさにこの電動化を想定してのフロア構造だった。スペース効率と、トー変化を起こさないリアの接地安定性に優れたトーションビームサスペンションの採用も、凹凸が少ないフラットなフロアパンを見れば、なるほど、そう言う事だったか!と改めて納得。
角型セルのリチウムイオンバッテリー(電圧355V、容量35.5kWh)を16モジュール“低く”敷き詰めて、構造材の一部として使いシャーシの前後左右横方向や捻れに対して強固な強度と剛性を確保して、安全性と操縦安定性は、走る喜びに貢献する。
CX-30の外板を流用するためシャーシ、とくにホイールベースはこのままのサイズなのだろうかと問うと、「重量バランスを崩さないように仕上げてあります」!!と、そうとは限らない旨の答えが返ってくる。ボディスタイルはどんななのか?についても全く新しいデザインだと口を割らない。デザイン力抜群のマツダが敢えて隠すその姿かたちに想像力は膨れ上がる一方だ。
◆マツダファン歓喜!?なロータリーエンジンの復活も
タイヤサイズはTURANZA T005A 215/55R18 95V。これも変わる可能性はあると濁しながら、車格を探るひとつのポイントになる。因みに215/45R18がマツダ3のひとつのタイヤサイズであるから、わずかだが大径になる。
走行中もかなりの勢いでコーナリングを繰り返したがスキール音ひとつも発せず、シャーシ性能に見合うスポーティーな特性であることを確認済み。メーカーはブリヂストンとヨコハマとトーヨーの3社が用意される。という話からして、タイヤサイズはほぼ確定していると推察できる!!
ボンネットを開ける。105kW(142.8ps)、265Nmを発生するモーターはインバーター、DCDCコンバーターとユニット化されたそれはコンパクトで、エンジンルームの左寄りに収まる。右側はガラ空きのすかすか状態!! この空いたスペースには、マツダファン狂喜乱舞!?お待たせしました、復活の“ロータリーエンジンを基本”とするレンジエクステンダー、プラグインハイブリッド、シリーズハイブリッドが収まるためのスペースでもある。
展示シャーシに搭載されていたのが、まさにシングルロータリーのレンジエクステンダー仕様だが、世界のどのメーカーも真似できない低くコンパクトなサイズにまとめたところがマツダならでは。残念ながらロータリーパワーは発電のみ。「わずかでもいいからロータリーに駆動力を与えられないのか!?」 というこちらの問いにEVの開発責任者様は「できない事ではない」とも。
◆「EV=ロケットダッシュ」ではないマツダEVの走り
さて黒の試走車だ。見た目は急速充電を含む充電ポートをカバーする盛り上がりが、いかにもプロトと言える外観以外、大きな変化はないCX-30のドアを開きコクピットへ。人間中心の操作性を重視するマツダの美点は、シートの前後スライド量と背の角度とステアリングを手前に引き出し高さを合わせると理想的なドライビングポジションが容易に決まるところ。
スイッチを押して電源ON、 センターコンソールのシフトレバーはPの位置が前方左に倒して入る。ジグザグではなくP以下のR-N-Dが縦一列配置で、Rはそれ以上うえには行かず、Dはそれ以下には下がらない、前後に都合2段階しか動かさないため、ギヤ位置を目視の必要がなく誤操作を防ぐ事を狙う。個人的には今更レバーの必要はなく、スイッチで十分だし、新しいと思う。
さて電源が入ると“クーン”とAVAS(Acoustic Vehicle Alerting System)が歩行者に向けて接近通報音を発す。右に倒して下げてDレンジへ。アクセルを踏む、スーッとよちよちの幼児の歩みから動き出すきめ細やかなコントロールが効くところからして、あくまでも自然な動きを好むマツダの繊細な特性が優しい。踏んだと同時にロケットダッシュする事がEVの凄さ、と感じさせる多くのメーカーに対してマツダは違うところに好感が持てる。
アクセル開度の初期からジワーと走り始めるから、当初はトロイ(遅い)とも思うが、必要な時は、早く深く踏み込めば142ps/265Nmのモーターパワーとトルクは軽々と速度を増す。ただし、エンジン音とともに!?もちろん擬似音だがアクセルペダルの動きに応じてエンジン音(3気筒が重なるような音ならばV6だが、
それとは少し違う音色は、未決定だという)もリニアに増減して走行フィールにリニアリティを増す。速度を含む走行状況を耳でも感じさせると言う意味だ。
すでに世に出回っているEVのほとんどは無音。正確にはモーターやインバーター音こそがEVらしさではないかと思うが、ここでもマツダはマツダらしい独自性を築こうとしている。
◆重厚な上級サルーンの感触がある乗り味
操縦性はプロトながら基本的に重量物であるバッテリーを床に敷き詰めた低重心の安定感は、どのEVにも共通する走行フィール。
道幅が狭くセンターラインもない曲りくねりアップダウンもありながら60~80km/hが許されるフィヨルドの海岸線を行く。敢えて道幅全部は使わず右車線のみで、道なりにステア操作してトレースして行くのに、80km/hプラスの速度を維持する事は、速過ぎて難しいのだが、それをいとも簡単にトレースする前後に重量物が無いフットワークがいい。
前後重量配分は55対45で前輪のみが駆動しているが、まるで後輪からも押し出されるような、4輪で路面をひたっと捉えた接地安定性が感じられる。
驚くべきはその乗り味だ。乗り味が優れていることはマツダ3、CX-30も同様でこの新世代プラットフォームの特性である。e-TPV=黒の試走車の乗り味はさらにストローク感たっぷりの重厚な上級サルーンの感触がある。動きの穏やかさがオトナのクルマを想像させるが、もちろんそれはステアリング操作、アクセル操作(モーターペダル)に応じてダイレクトに変化する。その操作=入力に対する応答遅れの少なさが、近年のマツダに共通する素晴らしい点だがe-TPVはそこがさらに光る。EVでも他社とは違うマツダ流儀が発揮されているという事だ。
アクセルをモーターペダルと呼ぶこれは、加減速の踏み加減に直結する動きを言う。ただし今回は減速時に、通常の回生はするが、回生の強弱をコントロールする制御が未だ入っていない。これはエンジニアが試乗会直前まで現場で徹底的に取り組んでいたが、マツダが目指す減速制御に達していないため、エンジニア判断で今回は通常の回生のみの試乗となったということだ。
回生ブレーキ力をアクセルペダルのみで発進~停止を行う、BMW i3や日産リーフが示すワンペダル方式。パドルあるいはシフトレバーを操作して回生力をコントロールするVW『eゴルフ』や、PHEVだが三菱『アウトランダー』のパドル制御はひとつの理想形だけに、マツダのBEVはどういう制御方法を展開するのかは今後に期待。
◆マルチEV化で、可能性は無限大!?
操縦安定性に優れている事は既に体感した。ゼロスタートが極めて繊細に動き出せる事も確認したが、そこから先アクセルを踏み込むと、まさにアクセル開度に応じたリニアな車速の伸びでフリーウェイでは軽く100km/hオーバー。アクセルストロークをフルに使う事ができる。
室内の静粛性はエンジンに相当する擬音が聞こえるが、アクセルOFF時にロードノイズ、タイヤのパターンノイズ他の騒音の類まで押さえ込まれている事が判る。
エンジニアによると、それも流しているエンジン擬音のなかに、走行ノイズの周波数をカバーする効果があると言う。ならばその擬音をOFFにすると、ノイズの類はどれほど侵入しているのか?“OFFして欲しい”と嘆願したが叶わず、違いは未確認。
あくまでプロトタイプ故に姿カタチはもちろん、車両重量も未発表なだけに気になる航続距離も想像のレベルでしかない。従来の日産リーフを引き合いに出せば公称300kmレベルで現実は200km台を割るレベル。と予測できる。
ま、それは使う用途に合わせれば良いと言う考え方だ。ノルウェーのようにすでに1万か所以上の充電施設を備える国であればBEVの航続距離も気にならない。まずは基本的なBEVの発表だが、注目はやはりロータリーエンジンを基盤としたレンジエクステンダー、マルチEV化こそ重要だ。燃料にしても種類が選べるロータリーの特性を活かしたEVの可能性は無限大!?は言い過ぎでも、まさに適材適所にパワーユニットが選択できるところにマツダの技術力が光り輝くのである。
桂 伸一|モータージャーナリスト/レーシングドライバー
1982年より自動車雑誌編集部にてレポーター活動を開始。幼少期から憧れだったレース活動を編集部時代に開始、「走れて」「書ける」はもちろんのこと、 読者目線で見た誰にでも判りやすいレポートを心掛けている。レーサーとしての活動は自動車開発の聖地、ニュルブルクリンク24時間レースにアストンマー ティン・ワークスから参戦。08年クラス優勝、09年クラス2位。11年クラス5位、13年は世界初の水素/ガソリンハイブリッドでクラス優勝。15年は、限定100台のGT12で出場するも初のリタイア。と、年一レーサー業も続行中。
(レスポンス 桂伸一)
SKYACTIV-X(スカイアクティブ・エックス)で内燃機におけるひとつの究極にたどり着いたマツダだが、電動化でもその存在を明確に示す必要がある。
マツダが遂に送り出すBEVに試乗するため、勇んで向かった先はEVのシェアが50%という環境先進国ノルウェー。港町オスロに着いて驚いたのは、アメリカ・ロサンゼルス以外でこんなにも目にするのか!? と思うテスラ全モデルの数々。BMW『i3』も次々に現れるし、日産『リーフ』は新旧が走り、キアほか韓国勢も負けない台数のBEVを目の当たりにする。
BEV=ピュアEVには税制が優遇される他、購入時の物品税もかからない、となればEVを選ばない手はないだろうこの国で、マツダはBEVの誕生を告げる!!
◆すべては10月の東京モーターショーで明らかに
e-TPV(Technology Prove-out Vehicle)と、仮の名が与えられたマツダの試乗車は、姿かたちこそマットブラックに塗られた最新の『CX-30』そのものだが、クルマのクラスからサイズと肝心のスタイリングも含めて、あくまでも「黒の試走車」=プロトタイプだった。
すべては東京モーターショーが発表の舞台という!! かつて無い、いや東京モーターショーとはそういう場であった過去のワク~ドキが蘇る。期待と興奮と感動が今年の東京モーターショーには用意されているという事だ。
『マツダ3』から始まった新世代シャーシ構成は、まさにこの電動化を想定してのフロア構造だった。スペース効率と、トー変化を起こさないリアの接地安定性に優れたトーションビームサスペンションの採用も、凹凸が少ないフラットなフロアパンを見れば、なるほど、そう言う事だったか!と改めて納得。
角型セルのリチウムイオンバッテリー(電圧355V、容量35.5kWh)を16モジュール“低く”敷き詰めて、構造材の一部として使いシャーシの前後左右横方向や捻れに対して強固な強度と剛性を確保して、安全性と操縦安定性は、走る喜びに貢献する。
CX-30の外板を流用するためシャーシ、とくにホイールベースはこのままのサイズなのだろうかと問うと、「重量バランスを崩さないように仕上げてあります」!!と、そうとは限らない旨の答えが返ってくる。ボディスタイルはどんななのか?についても全く新しいデザインだと口を割らない。デザイン力抜群のマツダが敢えて隠すその姿かたちに想像力は膨れ上がる一方だ。
◆マツダファン歓喜!?なロータリーエンジンの復活も
タイヤサイズはTURANZA T005A 215/55R18 95V。これも変わる可能性はあると濁しながら、車格を探るひとつのポイントになる。因みに215/45R18がマツダ3のひとつのタイヤサイズであるから、わずかだが大径になる。
走行中もかなりの勢いでコーナリングを繰り返したがスキール音ひとつも発せず、シャーシ性能に見合うスポーティーな特性であることを確認済み。メーカーはブリヂストンとヨコハマとトーヨーの3社が用意される。という話からして、タイヤサイズはほぼ確定していると推察できる!!
ボンネットを開ける。105kW(142.8ps)、265Nmを発生するモーターはインバーター、DCDCコンバーターとユニット化されたそれはコンパクトで、エンジンルームの左寄りに収まる。右側はガラ空きのすかすか状態!! この空いたスペースには、マツダファン狂喜乱舞!?お待たせしました、復活の“ロータリーエンジンを基本”とするレンジエクステンダー、プラグインハイブリッド、シリーズハイブリッドが収まるためのスペースでもある。
展示シャーシに搭載されていたのが、まさにシングルロータリーのレンジエクステンダー仕様だが、世界のどのメーカーも真似できない低くコンパクトなサイズにまとめたところがマツダならでは。残念ながらロータリーパワーは発電のみ。「わずかでもいいからロータリーに駆動力を与えられないのか!?」 というこちらの問いにEVの開発責任者様は「できない事ではない」とも。
◆「EV=ロケットダッシュ」ではないマツダEVの走り
さて黒の試走車だ。見た目は急速充電を含む充電ポートをカバーする盛り上がりが、いかにもプロトと言える外観以外、大きな変化はないCX-30のドアを開きコクピットへ。人間中心の操作性を重視するマツダの美点は、シートの前後スライド量と背の角度とステアリングを手前に引き出し高さを合わせると理想的なドライビングポジションが容易に決まるところ。
スイッチを押して電源ON、 センターコンソールのシフトレバーはPの位置が前方左に倒して入る。ジグザグではなくP以下のR-N-Dが縦一列配置で、Rはそれ以上うえには行かず、Dはそれ以下には下がらない、前後に都合2段階しか動かさないため、ギヤ位置を目視の必要がなく誤操作を防ぐ事を狙う。個人的には今更レバーの必要はなく、スイッチで十分だし、新しいと思う。
さて電源が入ると“クーン”とAVAS(Acoustic Vehicle Alerting System)が歩行者に向けて接近通報音を発す。右に倒して下げてDレンジへ。アクセルを踏む、スーッとよちよちの幼児の歩みから動き出すきめ細やかなコントロールが効くところからして、あくまでも自然な動きを好むマツダの繊細な特性が優しい。踏んだと同時にロケットダッシュする事がEVの凄さ、と感じさせる多くのメーカーに対してマツダは違うところに好感が持てる。
アクセル開度の初期からジワーと走り始めるから、当初はトロイ(遅い)とも思うが、必要な時は、早く深く踏み込めば142ps/265Nmのモーターパワーとトルクは軽々と速度を増す。ただし、エンジン音とともに!?もちろん擬似音だがアクセルペダルの動きに応じてエンジン音(3気筒が重なるような音ならばV6だが、
それとは少し違う音色は、未決定だという)もリニアに増減して走行フィールにリニアリティを増す。速度を含む走行状況を耳でも感じさせると言う意味だ。
すでに世に出回っているEVのほとんどは無音。正確にはモーターやインバーター音こそがEVらしさではないかと思うが、ここでもマツダはマツダらしい独自性を築こうとしている。
◆重厚な上級サルーンの感触がある乗り味
操縦性はプロトながら基本的に重量物であるバッテリーを床に敷き詰めた低重心の安定感は、どのEVにも共通する走行フィール。
道幅が狭くセンターラインもない曲りくねりアップダウンもありながら60~80km/hが許されるフィヨルドの海岸線を行く。敢えて道幅全部は使わず右車線のみで、道なりにステア操作してトレースして行くのに、80km/hプラスの速度を維持する事は、速過ぎて難しいのだが、それをいとも簡単にトレースする前後に重量物が無いフットワークがいい。
前後重量配分は55対45で前輪のみが駆動しているが、まるで後輪からも押し出されるような、4輪で路面をひたっと捉えた接地安定性が感じられる。
驚くべきはその乗り味だ。乗り味が優れていることはマツダ3、CX-30も同様でこの新世代プラットフォームの特性である。e-TPV=黒の試走車の乗り味はさらにストローク感たっぷりの重厚な上級サルーンの感触がある。動きの穏やかさがオトナのクルマを想像させるが、もちろんそれはステアリング操作、アクセル操作(モーターペダル)に応じてダイレクトに変化する。その操作=入力に対する応答遅れの少なさが、近年のマツダに共通する素晴らしい点だがe-TPVはそこがさらに光る。EVでも他社とは違うマツダ流儀が発揮されているという事だ。
アクセルをモーターペダルと呼ぶこれは、加減速の踏み加減に直結する動きを言う。ただし今回は減速時に、通常の回生はするが、回生の強弱をコントロールする制御が未だ入っていない。これはエンジニアが試乗会直前まで現場で徹底的に取り組んでいたが、マツダが目指す減速制御に達していないため、エンジニア判断で今回は通常の回生のみの試乗となったということだ。
回生ブレーキ力をアクセルペダルのみで発進~停止を行う、BMW i3や日産リーフが示すワンペダル方式。パドルあるいはシフトレバーを操作して回生力をコントロールするVW『eゴルフ』や、PHEVだが三菱『アウトランダー』のパドル制御はひとつの理想形だけに、マツダのBEVはどういう制御方法を展開するのかは今後に期待。
◆マルチEV化で、可能性は無限大!?
操縦安定性に優れている事は既に体感した。ゼロスタートが極めて繊細に動き出せる事も確認したが、そこから先アクセルを踏み込むと、まさにアクセル開度に応じたリニアな車速の伸びでフリーウェイでは軽く100km/hオーバー。アクセルストロークをフルに使う事ができる。
室内の静粛性はエンジンに相当する擬音が聞こえるが、アクセルOFF時にロードノイズ、タイヤのパターンノイズ他の騒音の類まで押さえ込まれている事が判る。
エンジニアによると、それも流しているエンジン擬音のなかに、走行ノイズの周波数をカバーする効果があると言う。ならばその擬音をOFFにすると、ノイズの類はどれほど侵入しているのか?“OFFして欲しい”と嘆願したが叶わず、違いは未確認。
あくまでプロトタイプ故に姿カタチはもちろん、車両重量も未発表なだけに気になる航続距離も想像のレベルでしかない。従来の日産リーフを引き合いに出せば公称300kmレベルで現実は200km台を割るレベル。と予測できる。
ま、それは使う用途に合わせれば良いと言う考え方だ。ノルウェーのようにすでに1万か所以上の充電施設を備える国であればBEVの航続距離も気にならない。まずは基本的なBEVの発表だが、注目はやはりロータリーエンジンを基盤としたレンジエクステンダー、マルチEV化こそ重要だ。燃料にしても種類が選べるロータリーの特性を活かしたEVの可能性は無限大!?は言い過ぎでも、まさに適材適所にパワーユニットが選択できるところにマツダの技術力が光り輝くのである。
桂 伸一|モータージャーナリスト/レーシングドライバー
1982年より自動車雑誌編集部にてレポーター活動を開始。幼少期から憧れだったレース活動を編集部時代に開始、「走れて」「書ける」はもちろんのこと、 読者目線で見た誰にでも判りやすいレポートを心掛けている。レーサーとしての活動は自動車開発の聖地、ニュルブルクリンク24時間レースにアストンマー ティン・ワークスから参戦。08年クラス優勝、09年クラス2位。11年クラス5位、13年は世界初の水素/ガソリンハイブリッドでクラス優勝。15年は、限定100台のGT12で出場するも初のリタイア。と、年一レーサー業も続行中。
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