【MINI クラブマン 新型試乗】スプリット・ドアをあえて手で開ける、その所作も味わい…島崎七生人
◆あえて手で開けたいスプリット・ドア
歴代『MINIクラブマン』のカタログの表紙は、リヤビューの写真が用いられている。当然である。クラシック・ミニ時代の『カントリーマン&トラベラー』をルーツとするこのクルマの見せ場は、何といって(日本流に言うと観音開きの)このスプリット・ドアにあるからだ。
そのスプリット・ドアには「イージー・オープナー機能」が備わり、バンパー下で足を前後させるアクションを行なうと電動でドアが開いてくれる。いうまでもなく荷物で両手が塞がっている際に便利だ。が、レポーターはこのドアはあえて手で右、左と1枚ずつ開けたい。この所作こそ『クラブマン』でしか味わえない使い勝手だからだ。
通常の1枚ドアのハッチゲートであれば、ガバッとあけてバン!と閉めるが、ひと手間多い分、その都度、自分の手で開け閉めしながら『クラブマン』を使っているのだ……との実感を楽しみたいと思う。
◆落ち着いた雰囲気、控えめなセンスでまとめられた
試乗車は「クーパー」で、新設定されたオプションプログラムの“MINI YOURS STYLE”がセット済みだった。外観ではユニオンジャックをモチーフにした18インチアロイホイールが目を惹く。
インテリアではカーボン・ブラックのスポーツレザーシートやステアリング、ドアトリムの加飾部分に仕込まれたアンビエント・ライトなどが特徴。シートはヘッドレストにもユニオンジャックがうっすらと描かれているほか、肩口にはカフスボタンのようなユニオンジャックのバッジも。全体に落ち着いた雰囲気、控えめなセンスでまとめられているのがとても好ましく感じた。
そういえば前席は電動パワーシートでR50の頃のようにコンソール側に手を入れて背もたれの角度調節を……といった苦労もないし、シートヒーター付きというのも、R50を所有していたレポーターの経験からいうと、スイッチONで素早く効いてくれるはずだから、冬場の近距離のドライブでもその恩恵にあずかれる(だろう)。
ほかに、ブラックにも深いブルーにも見える試乗車のボディ色も新設定。外観では今回の改良で、グリル全体に6本のメッキの横桟が走るデザインに改められたが、サッパリとした顔つきになり悪くない。デイライトのリングも切れ目のないオーバル状に変わった。
◆ミニ・ファミリーの一員であることを実感する走り
1.5リットルの3気筒ツインパワーターボは従来とは同スペックながら、7速DCT(従来は6速AT)との組み合わせにより、より快活な走りを実現している。音、振動も十分に抑えられたうえで、クルマを走らせている際にメカニカルな実感を伴う感覚といったところか。
2670mmのホイールベース(BMW『1シリーズ』と同数値)によりハッチバックよりゆったりした乗り味ながら、ステアリングの反応には適度にクイックな味があり、このあたりはゴーカート感覚と言われるミニ・ファミリーの一員であることを実感する。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
歴代『MINIクラブマン』のカタログの表紙は、リヤビューの写真が用いられている。当然である。クラシック・ミニ時代の『カントリーマン&トラベラー』をルーツとするこのクルマの見せ場は、何といって(日本流に言うと観音開きの)このスプリット・ドアにあるからだ。
そのスプリット・ドアには「イージー・オープナー機能」が備わり、バンパー下で足を前後させるアクションを行なうと電動でドアが開いてくれる。いうまでもなく荷物で両手が塞がっている際に便利だ。が、レポーターはこのドアはあえて手で右、左と1枚ずつ開けたい。この所作こそ『クラブマン』でしか味わえない使い勝手だからだ。
通常の1枚ドアのハッチゲートであれば、ガバッとあけてバン!と閉めるが、ひと手間多い分、その都度、自分の手で開け閉めしながら『クラブマン』を使っているのだ……との実感を楽しみたいと思う。
◆落ち着いた雰囲気、控えめなセンスでまとめられた
試乗車は「クーパー」で、新設定されたオプションプログラムの“MINI YOURS STYLE”がセット済みだった。外観ではユニオンジャックをモチーフにした18インチアロイホイールが目を惹く。
インテリアではカーボン・ブラックのスポーツレザーシートやステアリング、ドアトリムの加飾部分に仕込まれたアンビエント・ライトなどが特徴。シートはヘッドレストにもユニオンジャックがうっすらと描かれているほか、肩口にはカフスボタンのようなユニオンジャックのバッジも。全体に落ち着いた雰囲気、控えめなセンスでまとめられているのがとても好ましく感じた。
そういえば前席は電動パワーシートでR50の頃のようにコンソール側に手を入れて背もたれの角度調節を……といった苦労もないし、シートヒーター付きというのも、R50を所有していたレポーターの経験からいうと、スイッチONで素早く効いてくれるはずだから、冬場の近距離のドライブでもその恩恵にあずかれる(だろう)。
ほかに、ブラックにも深いブルーにも見える試乗車のボディ色も新設定。外観では今回の改良で、グリル全体に6本のメッキの横桟が走るデザインに改められたが、サッパリとした顔つきになり悪くない。デイライトのリングも切れ目のないオーバル状に変わった。
◆ミニ・ファミリーの一員であることを実感する走り
1.5リットルの3気筒ツインパワーターボは従来とは同スペックながら、7速DCT(従来は6速AT)との組み合わせにより、より快活な走りを実現している。音、振動も十分に抑えられたうえで、クルマを走らせている際にメカニカルな実感を伴う感覚といったところか。
2670mmのホイールベース(BMW『1シリーズ』と同数値)によりハッチバックよりゆったりした乗り味ながら、ステアリングの反応には適度にクイックな味があり、このあたりはゴーカート感覚と言われるミニ・ファミリーの一員であることを実感する。
■5つ星評価
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パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
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