【VW Tクロス 新型試乗】これぞ今の時代の主流!“上出来”コンパクトSUV…島崎七生人
◆「ポロ派生」どころか、今の時代の主流とみなしてもいい
実用車であるとともに遊びグルマでもある、とVW。完璧な説明である。『Tクロス』(VW T-Cross)は『ポロ』から派生したコンパクトSUVだが、派生どころか、今の時代の立派な“主流”とみなしてもいい“上出来ぶり”が印象的だ。
スタイリングは兄貴分の『ティグアン』をスケールダウンしたよう。けれど『ポロ』とは2550mmのホイールベースは共通で、全長で+55mm、全幅+10mmのコンパクトなボディに合わせディテールは整理され、見た瞬間に、サッパリとしたデザインであるところに好感がもてる。
小さいが水平基調だから安心感もある。とはいえVW初(!)という「リフレクターバンド」(リアガーニッシュ)で繋がれたテールランプはアクセントになっており、バラ文字の車名バッジとともに“これまでのVW車とはちょっと違う感”を演出している。
また導入記念特別仕様車の「TSI 1st Plus Design Package」を選ぶと、外観ではホイール、ドアミラーハウジングにオレンジ、グリーン、ブラック(ホイールはシルバー)の3色用意された挿し色を入れた仕様となる。ボディカラーは8色と豊富な設定で、グレード、パッケージと組み合わせて全21パターンのバリエーションが存在するのだそうだ。ボディカラーのブルー、グリーン系が個性的で、これらは今後もカタログから落とさないで欲しい。
◆アップライトな乗車姿勢でスペースを有効活用
インテリアは外観がら想像するよりもゆとりがある。とくに『ポロ』より100mm高いという着座位置(前席597mm、後席652mm)による高さ方向の寸法を使ったアップライトな乗車姿勢が、スペースを有効活用している。
後席は140mmのスライド機構も備わる。ただしクッションは一体式で60:40の分割はシートバックの可倒のみと割り切られており、シートをフロントモーストにした場合、ラゲッジスペースフロアとの間に隙間ができる。が、床面を2段に使い分けできるラゲッジスペースの“床下”の掘り込みは深く、実際の使い勝手はかなりよさそうだ。
運転席からフード左右の盛り上がりが見えることと、最小回転半径が5.1mと小さいこととで、取り回しはすこぶるいい。室内では、おそらく左ハンドル車と共通のエンジン始動ボタンが、シフトレバーの左側にあり隠れがちな点は改良をリクエストしておきたいが、全般に操作性は問題なしだ。
◆穏やかな乗り心地、SUVらしい安心感
そして自然体な走りも魅力。999ccの3気筒エンジン(116ps/20.4kgm)は7速DSGとの組み合わせと切り替え可能な走行モードで、快活な動力性能を発揮してくれる。
試乗車は18インチタイヤを履いていた。299万9000円のベースグレードの16インチタイヤも試したいところだが、18インチタイヤでも案外と“重さ”を意識することなく走れ、乗り心地も“タオッ!”とした穏やかだ。ステアリングフィールにも安定感、手応えがしっかりとあり、コンパクトなボディながらSUVらしい安心感のある走りになっているのがいい。
繋がる機能をもつ「Discover Pro」や、ドライバー支援など現代的な充実した機能が標準装備というのも見逃せない。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
実用車であるとともに遊びグルマでもある、とVW。完璧な説明である。『Tクロス』(VW T-Cross)は『ポロ』から派生したコンパクトSUVだが、派生どころか、今の時代の立派な“主流”とみなしてもいい“上出来ぶり”が印象的だ。
スタイリングは兄貴分の『ティグアン』をスケールダウンしたよう。けれど『ポロ』とは2550mmのホイールベースは共通で、全長で+55mm、全幅+10mmのコンパクトなボディに合わせディテールは整理され、見た瞬間に、サッパリとしたデザインであるところに好感がもてる。
小さいが水平基調だから安心感もある。とはいえVW初(!)という「リフレクターバンド」(リアガーニッシュ)で繋がれたテールランプはアクセントになっており、バラ文字の車名バッジとともに“これまでのVW車とはちょっと違う感”を演出している。
また導入記念特別仕様車の「TSI 1st Plus Design Package」を選ぶと、外観ではホイール、ドアミラーハウジングにオレンジ、グリーン、ブラック(ホイールはシルバー)の3色用意された挿し色を入れた仕様となる。ボディカラーは8色と豊富な設定で、グレード、パッケージと組み合わせて全21パターンのバリエーションが存在するのだそうだ。ボディカラーのブルー、グリーン系が個性的で、これらは今後もカタログから落とさないで欲しい。
◆アップライトな乗車姿勢でスペースを有効活用
インテリアは外観がら想像するよりもゆとりがある。とくに『ポロ』より100mm高いという着座位置(前席597mm、後席652mm)による高さ方向の寸法を使ったアップライトな乗車姿勢が、スペースを有効活用している。
後席は140mmのスライド機構も備わる。ただしクッションは一体式で60:40の分割はシートバックの可倒のみと割り切られており、シートをフロントモーストにした場合、ラゲッジスペースフロアとの間に隙間ができる。が、床面を2段に使い分けできるラゲッジスペースの“床下”の掘り込みは深く、実際の使い勝手はかなりよさそうだ。
運転席からフード左右の盛り上がりが見えることと、最小回転半径が5.1mと小さいこととで、取り回しはすこぶるいい。室内では、おそらく左ハンドル車と共通のエンジン始動ボタンが、シフトレバーの左側にあり隠れがちな点は改良をリクエストしておきたいが、全般に操作性は問題なしだ。
◆穏やかな乗り心地、SUVらしい安心感
そして自然体な走りも魅力。999ccの3気筒エンジン(116ps/20.4kgm)は7速DSGとの組み合わせと切り替え可能な走行モードで、快活な動力性能を発揮してくれる。
試乗車は18インチタイヤを履いていた。299万9000円のベースグレードの16インチタイヤも試したいところだが、18インチタイヤでも案外と“重さ”を意識することなく走れ、乗り心地も“タオッ!”とした穏やかだ。ステアリングフィールにも安定感、手応えがしっかりとあり、コンパクトなボディながらSUVらしい安心感のある走りになっているのがいい。
繋がる機能をもつ「Discover Pro」や、ドライバー支援など現代的な充実した機能が標準装備というのも見逃せない。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
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1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
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