トヨタ ハリアー 新型試乗 座った瞬間から味わえる、クルマと自分との馴染みの良さ…島崎七生人
7月17日付けのトヨタのニュースリリースによれば、新型『ハリアー』は6月17日の発売後1か月で、およそ4万5000台の注文が入ったという。月販目標台数が3100台だから単純計算でその14.5倍!
ただ街のディーラーのショールームを見ていると、くまなく実車が配備されているように見受けられる。
色分けしながらトヨタのSUVを作ってきた……という中で、新型『ハリアー』の位置づけは“セダンの代わりになるクルマ”だそう。気構えずに気軽に選んで乗れるところがポイントだという。が、評判の高さを考えれば、きっと“趣旨”はユーザーに理解されているに違いない。
◆セダン感覚で安心して乗れる
実際に街中に乗り出してみても、確かに“セダン感覚で安心して乗れる”ことが実感できた。試乗したのはハイブリッドのE-Four(電気式4WD)と2WD(FF)、それと2.5リットルのガソリン車(FF)の3台。仕様にかかわらず全車に共通するのは、ドライバー席に座った瞬間から味わえる、クルマと自分との馴染みの良さ、だ。
全幅こそ1855mmあるが、セダンより高めのアイポイントで見晴らしがよく、車両感覚も掴みやすいので“大げさなSUVに乗ってしまった感”がない。フロントスクリーン下端が下げられ、Aピラーもグッと細く、ドアミラーもハウジングの位置が是正され斜め前方視界を広げてくれたため、視界全体がすっきりと自然になったことは新型の美点だ。
インテリアは大人のセンスで上質にまとめられている。センターコンソールの始動ボタンは、ボタン→シフトの一連の操作が自然にできるし、“鞍”のイメージのセンターコンソール始め、元シトロエンの『DS5』ほど飛ばし過ぎではないが、軽く非日常感覚の味をもつ空間は、オーナーになったら乗るたびに気持ちを引き込んでくれそうだ。
気持ちを引き込むのは外観スタイルもそう。なめらかでスマートなフォルムに、グリル、ランプ類のパーツが控えめなアクセントとなり、知的な存在感を漂わす。リヤクォーターまわりの凝ったパネル面の形状は見せ場のひとつだが、ディテールやプレスラインが過剰ではないところに個人的には好感がもてる。
◆滑らかに走る心地よさ
そして走り。なるほど過日のサーキットでは実感しにくかったが、リアルワールドで“流す”ように走らせてみると、このクルマの心地よさが実感できた。なめらかに走り、ステアリング操作をしたときのクルマの挙動も終始穏やかだからだ。
とくにハイブリッド車は余裕のある動力性能ということもあり、無理にアクセルを踏み込みようなことなく走らせることができる。その意味で日常も乗りこなすようなユーザーにはFFモデルでもまったく不満はないはずだ。一方で2リットルのガソリン車は、ハイブリッド車よりも車重が軽いことがそのまま走りに表れて、軽い身のこなしが特徴的だ。
ちなみにユニークな新装備に「調光パノラマルーフ」がある。これはガラスに液晶フィルムが挟み込まれ、光の透過(透明)と遮光(曇りガラス状)が切り替えられるというもので、音声操作も可能だ。ほかにも窓の開閉、ワイパーの作動なども音声コマンドで操作ができる。そういうことが普通の時代になったのである。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
ただ街のディーラーのショールームを見ていると、くまなく実車が配備されているように見受けられる。
色分けしながらトヨタのSUVを作ってきた……という中で、新型『ハリアー』の位置づけは“セダンの代わりになるクルマ”だそう。気構えずに気軽に選んで乗れるところがポイントだという。が、評判の高さを考えれば、きっと“趣旨”はユーザーに理解されているに違いない。
◆セダン感覚で安心して乗れる
実際に街中に乗り出してみても、確かに“セダン感覚で安心して乗れる”ことが実感できた。試乗したのはハイブリッドのE-Four(電気式4WD)と2WD(FF)、それと2.5リットルのガソリン車(FF)の3台。仕様にかかわらず全車に共通するのは、ドライバー席に座った瞬間から味わえる、クルマと自分との馴染みの良さ、だ。
全幅こそ1855mmあるが、セダンより高めのアイポイントで見晴らしがよく、車両感覚も掴みやすいので“大げさなSUVに乗ってしまった感”がない。フロントスクリーン下端が下げられ、Aピラーもグッと細く、ドアミラーもハウジングの位置が是正され斜め前方視界を広げてくれたため、視界全体がすっきりと自然になったことは新型の美点だ。
インテリアは大人のセンスで上質にまとめられている。センターコンソールの始動ボタンは、ボタン→シフトの一連の操作が自然にできるし、“鞍”のイメージのセンターコンソール始め、元シトロエンの『DS5』ほど飛ばし過ぎではないが、軽く非日常感覚の味をもつ空間は、オーナーになったら乗るたびに気持ちを引き込んでくれそうだ。
気持ちを引き込むのは外観スタイルもそう。なめらかでスマートなフォルムに、グリル、ランプ類のパーツが控えめなアクセントとなり、知的な存在感を漂わす。リヤクォーターまわりの凝ったパネル面の形状は見せ場のひとつだが、ディテールやプレスラインが過剰ではないところに個人的には好感がもてる。
◆滑らかに走る心地よさ
そして走り。なるほど過日のサーキットでは実感しにくかったが、リアルワールドで“流す”ように走らせてみると、このクルマの心地よさが実感できた。なめらかに走り、ステアリング操作をしたときのクルマの挙動も終始穏やかだからだ。
とくにハイブリッド車は余裕のある動力性能ということもあり、無理にアクセルを踏み込みようなことなく走らせることができる。その意味で日常も乗りこなすようなユーザーにはFFモデルでもまったく不満はないはずだ。一方で2リットルのガソリン車は、ハイブリッド車よりも車重が軽いことがそのまま走りに表れて、軽い身のこなしが特徴的だ。
ちなみにユニークな新装備に「調光パノラマルーフ」がある。これはガラスに液晶フィルムが挟み込まれ、光の透過(透明)と遮光(曇りガラス状)が切り替えられるというもので、音声操作も可能だ。ほかにも窓の開閉、ワイパーの作動なども音声コマンドで操作ができる。そういうことが普通の時代になったのである。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
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