トヨタ ハイランダー 番外試乗 この理屈抜きの心地よさを日本でも味わいたい…島崎七生人
◆『RAV4 PHV』に受け継がれたプラットフォーム
走り出した瞬間、交通量の多いサンタモニカ・フリーウェイを走らせているような気分になった。ラジオのアダルト・コンテンポラリーを流す放送局を選んで、ボズ・スキャッグスでも流れてくればご機嫌さ……といったところか。
『ハイランダー』は北米、ヨーロッパ市場向けに上市されるモデルで、もともと初代『クルーガー』として初代『ハリアー』とともに日本市場でも用意されていた。写真のクルマは北米市場で『ハイランダー』の4世代目として2019年から発売されているモデルで、実は新型『RAV4 PHV』はこのクルマのプラットフォームをベースに生まれたという経緯をもつ。
『ハイランダー』は3列シートをもち、『RAV4』に対し全長が350mm長く(4950mm)、ホイールベースは160mm長い2850mmの設定。筆者もレポートしたが、より上級のこの『ハイランダー』のプラットフォームのポテンシャルの高さを活かすことで『RAV4 PHV』の上質な走りが成り立ったという訳だ。
◆アメリカ車の快適な走りの味をモノにしている
今回は短時間の試乗ではあったが、北米仕様車もしくは逆輸入車の類いには久しぶりに乗ったが、アメリカ車の快適な走りの味をものの見事にモノにしている点に強く感銘をおぼえた次第。
試乗車は3.5リットルのV6搭載車で、8速ATとの組み合わせで、ほんとうにゆったりと底力の半分も使わない感じで加・減速してくれるのがいい。乗り味もM+Sとはいえ235/55 R20 102Vサイズのタイヤをしっかりと履きこなしていて、これもまたアメリカ車らしいタプッ!とした感触。レザーシートも、どういう調達先かは不明だが、革自体の厚みもありクッションも優しく身体を受け止めてくれるというもの。
北米では“サッカー・マム”が今も典型的なユーザーだそうだが、この上質な室内でママがステアリングを握り、後席に乗るヤンチャ盛りの子供たちがジュースでもこぼそうものなら、運転席から「ズボンのジュースを早く拭きなさい、シミになるわ! タオルはそこにあるでしょ! 帰ったら晩ご飯の前に学校の宿題を片づけるのも約束よ!」といったママの声が飛んでいる……いかにもそんなシーンが目に浮かぶ室内だ。
◆理屈抜きで心地いい乗用車にこそ乗りたい
とにかく心地いい、それから国内で展開される多くのトヨタ車よりも“大人びている”のはどうしてだろう?とも思う。全幅が1930mmあることなどから「日本市場にはどうか?」というのが目下のトヨタの判断らしいが、ことボディサイズだけで言えば、大型のSUVの普及が進んだ現在、ユーザーの皮膚感覚で考えれば、日本のユーザーでも、もはや抵抗感はほとんどないのではないだろうか?
そして何より、こういう人肌に合った理屈抜きで心地いい乗用車こそ、乗りたいと思っているクルマなのだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
(オススメ度:★★★★★)
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
走り出した瞬間、交通量の多いサンタモニカ・フリーウェイを走らせているような気分になった。ラジオのアダルト・コンテンポラリーを流す放送局を選んで、ボズ・スキャッグスでも流れてくればご機嫌さ……といったところか。
『ハイランダー』は北米、ヨーロッパ市場向けに上市されるモデルで、もともと初代『クルーガー』として初代『ハリアー』とともに日本市場でも用意されていた。写真のクルマは北米市場で『ハイランダー』の4世代目として2019年から発売されているモデルで、実は新型『RAV4 PHV』はこのクルマのプラットフォームをベースに生まれたという経緯をもつ。
『ハイランダー』は3列シートをもち、『RAV4』に対し全長が350mm長く(4950mm)、ホイールベースは160mm長い2850mmの設定。筆者もレポートしたが、より上級のこの『ハイランダー』のプラットフォームのポテンシャルの高さを活かすことで『RAV4 PHV』の上質な走りが成り立ったという訳だ。
◆アメリカ車の快適な走りの味をモノにしている
今回は短時間の試乗ではあったが、北米仕様車もしくは逆輸入車の類いには久しぶりに乗ったが、アメリカ車の快適な走りの味をものの見事にモノにしている点に強く感銘をおぼえた次第。
試乗車は3.5リットルのV6搭載車で、8速ATとの組み合わせで、ほんとうにゆったりと底力の半分も使わない感じで加・減速してくれるのがいい。乗り味もM+Sとはいえ235/55 R20 102Vサイズのタイヤをしっかりと履きこなしていて、これもまたアメリカ車らしいタプッ!とした感触。レザーシートも、どういう調達先かは不明だが、革自体の厚みもありクッションも優しく身体を受け止めてくれるというもの。
北米では“サッカー・マム”が今も典型的なユーザーだそうだが、この上質な室内でママがステアリングを握り、後席に乗るヤンチャ盛りの子供たちがジュースでもこぼそうものなら、運転席から「ズボンのジュースを早く拭きなさい、シミになるわ! タオルはそこにあるでしょ! 帰ったら晩ご飯の前に学校の宿題を片づけるのも約束よ!」といったママの声が飛んでいる……いかにもそんなシーンが目に浮かぶ室内だ。
◆理屈抜きで心地いい乗用車にこそ乗りたい
とにかく心地いい、それから国内で展開される多くのトヨタ車よりも“大人びている”のはどうしてだろう?とも思う。全幅が1930mmあることなどから「日本市場にはどうか?」というのが目下のトヨタの判断らしいが、ことボディサイズだけで言えば、大型のSUVの普及が進んだ現在、ユーザーの皮膚感覚で考えれば、日本のユーザーでも、もはや抵抗感はほとんどないのではないだろうか?
そして何より、こういう人肌に合った理屈抜きで心地いい乗用車こそ、乗りたいと思っているクルマなのだ。
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