スバル STI S209 試乗 昔ながらのドロドロ音!北米専用の最強モデルを国内で試す
ワークスが勢ぞろいする「2020年ワークスチューン試乗会」での目玉となったのは、間違いなくこの1台『S209』だ。世界209台限定、しかも北米でしか売られないモデルに日本で試乗することができた。
◆北米仕様のWRX STIをベースに346psまでパワーアップ
現在のスバルの躍進は北米市場での成功にある。そうしたなかで、STIの活動もまた重要な役割を果たしてきた。すでにSTIは『WRX STIタイプA』と『BRZ tS』というコンプリートモデルを北米で販売しているが、この「S209」のようなトップチューンドモデル「Sシリーズ」の導入は初の試みである。北米専用モデルで、わずか209台のみの販売台数という貴重なモデルの試乗機会を得た。
S209は北米仕様のWRX STI(2.5リットル、水平対向4気筒)をベースに専用の大型エアクリーナー、専用吸気ダクト、新開発の大径ターボや大型テールパイプを備える専用設計低背圧マフラーを装備。制御系も専用のECUが使われている。このチューニングによって得られたスペックは最高出力が341hp(346ps)、最大トルクが330ib-ft(447Nm)という大パワー/大トルクを獲得。熱ダレ防止のインタークーラーウォータースプレーも搭載している。
シャシー関係ではビルシュタインダンパーとそれに合わせたスプリングを設定。強化ブッシュも組み込まれる。タイヤはダンロップのSPスポーツMAXX GT600Aで265/35R19というSシリーズでもっとも太いサイズが組み合わされる。このワイドタイヤの装着に合わせ、オーバーフェンダーを装着。
ボディチューンとしてはストラットタワーバーやドロースティフナーを装着、ルーフはカーボン化され、フロントアンダースポイラー、フロントバンパーサイドカナード、ドライカーボン製大型リヤウイングなどが装着される。
◆味わい深い不等長排気のドロドロ音
重めのクラッチペダルを踏み込み、ギヤを1速に入れる。軽くブリッピングしながら、左足を戻してくるとクルマが動き出す。クラッチは強化タイプが使われているが、扱いにセンシティブさは感じない。3000回転くらいからはターボがグッと効いて加速感もかなり強くなる。エンジンからはドロドロッという昔のスバル車のような音が聞こえてくる……と思ったらなんとこのエンジン、昔ながらの不等長排気とのこと。久しぶりにヒストリックスバルの味わいを感じることができた。
タイヤがかなり太く、それを受け止めるショックアブソーバーやスプリング、さらにはボディチューンまでがしっかりしているため、コーナリングはかなりガッシリとした印象。せっかくなのでドライバーズコントロールセンターデフを操作して、トルクをリヤよりにしてみるとより素直な曲がりやすい特性を生かすことができる。FF車が全盛となる今、こうした駆動配分を選ぶことができる4WDは、走りを楽しみたいドライバーにとっては魅力あふれるモデルだ。
残念ながらこのS209が国内で販売される予定はない。しかしながら、S209と同じ考えで開発されたサスペンションシステムを国内のWRX STIユーザー向けに開発中だというので期待は膨らむばかりだ。またあくまでもウワサだが新型WRXが2021年に登場との声も聞こえてくる。そうなれば国内でも新たなるSシリーズが生まれる可能性も大きい。
◆軽量化に貢献、BRZ用チタンマフラーも
『インプレッサ STIスポーツ2.0 2WD』をベースとしたパーツ装着車も用意された。装着されたパーツはSTIエアロパッケージ(STIフロントアンダースポイラー、STIサイドアンダースポイラー、STIリヤアンダースポイラーのセット)、STIルーフスポイラー、STIスカートリップ、STIアクセサリーライナー、STIフロアカーペット。
さて、今回の試乗会ではBRZ用のチタンマフラーが装着されたモデルも展示された。このチタンマフラーはサイレンサー(タイコ)より後ろ側にチタンを採用したもので、ノーマルマフラーに比べて約4kgの軽量化を可能にしている。サイレンサーはリヤのオーバーハングに存在するため、オーバーハング部分で約4kgの軽量化ができることになり、これはかなり効果の大きな軽量化となる。
チタンマフラーは前期型25本、後期型25本の限定生産で税別50万円の価格設定だ。
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
◆北米仕様のWRX STIをベースに346psまでパワーアップ
現在のスバルの躍進は北米市場での成功にある。そうしたなかで、STIの活動もまた重要な役割を果たしてきた。すでにSTIは『WRX STIタイプA』と『BRZ tS』というコンプリートモデルを北米で販売しているが、この「S209」のようなトップチューンドモデル「Sシリーズ」の導入は初の試みである。北米専用モデルで、わずか209台のみの販売台数という貴重なモデルの試乗機会を得た。
S209は北米仕様のWRX STI(2.5リットル、水平対向4気筒)をベースに専用の大型エアクリーナー、専用吸気ダクト、新開発の大径ターボや大型テールパイプを備える専用設計低背圧マフラーを装備。制御系も専用のECUが使われている。このチューニングによって得られたスペックは最高出力が341hp(346ps)、最大トルクが330ib-ft(447Nm)という大パワー/大トルクを獲得。熱ダレ防止のインタークーラーウォータースプレーも搭載している。
シャシー関係ではビルシュタインダンパーとそれに合わせたスプリングを設定。強化ブッシュも組み込まれる。タイヤはダンロップのSPスポーツMAXX GT600Aで265/35R19というSシリーズでもっとも太いサイズが組み合わされる。このワイドタイヤの装着に合わせ、オーバーフェンダーを装着。
ボディチューンとしてはストラットタワーバーやドロースティフナーを装着、ルーフはカーボン化され、フロントアンダースポイラー、フロントバンパーサイドカナード、ドライカーボン製大型リヤウイングなどが装着される。
◆味わい深い不等長排気のドロドロ音
重めのクラッチペダルを踏み込み、ギヤを1速に入れる。軽くブリッピングしながら、左足を戻してくるとクルマが動き出す。クラッチは強化タイプが使われているが、扱いにセンシティブさは感じない。3000回転くらいからはターボがグッと効いて加速感もかなり強くなる。エンジンからはドロドロッという昔のスバル車のような音が聞こえてくる……と思ったらなんとこのエンジン、昔ながらの不等長排気とのこと。久しぶりにヒストリックスバルの味わいを感じることができた。
タイヤがかなり太く、それを受け止めるショックアブソーバーやスプリング、さらにはボディチューンまでがしっかりしているため、コーナリングはかなりガッシリとした印象。せっかくなのでドライバーズコントロールセンターデフを操作して、トルクをリヤよりにしてみるとより素直な曲がりやすい特性を生かすことができる。FF車が全盛となる今、こうした駆動配分を選ぶことができる4WDは、走りを楽しみたいドライバーにとっては魅力あふれるモデルだ。
残念ながらこのS209が国内で販売される予定はない。しかしながら、S209と同じ考えで開発されたサスペンションシステムを国内のWRX STIユーザー向けに開発中だというので期待は膨らむばかりだ。またあくまでもウワサだが新型WRXが2021年に登場との声も聞こえてくる。そうなれば国内でも新たなるSシリーズが生まれる可能性も大きい。
◆軽量化に貢献、BRZ用チタンマフラーも
『インプレッサ STIスポーツ2.0 2WD』をベースとしたパーツ装着車も用意された。装着されたパーツはSTIエアロパッケージ(STIフロントアンダースポイラー、STIサイドアンダースポイラー、STIリヤアンダースポイラーのセット)、STIルーフスポイラー、STIスカートリップ、STIアクセサリーライナー、STIフロアカーペット。
さて、今回の試乗会ではBRZ用のチタンマフラーが装着されたモデルも展示された。このチタンマフラーはサイレンサー(タイコ)より後ろ側にチタンを採用したもので、ノーマルマフラーに比べて約4kgの軽量化を可能にしている。サイレンサーはリヤのオーバーハングに存在するため、オーバーハング部分で約4kgの軽量化ができることになり、これはかなり効果の大きな軽量化となる。
チタンマフラーは前期型25本、後期型25本の限定生産で税別50万円の価格設定だ。
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