BMW 4シリーズ 新型試乗 別次元の存在感!気持ちよさは申し分なし…島崎七生人
◆別次元の存在感を示す巨大キドニーグリル
試乗後、現行『X7』と『7シリーズ』のあの巨大に思えたキドニーグリルを見直して、何とも思わなくなった。人間の感覚とはそんなものである。
E32かE38の時代の『7シリーズ』でV12かLボディのキドニーグリルの横幅を広げたことがあったが、その時の度合いも超越している。近年“変異”が見られたキドニーグリルだったが、新型『4シリーズ』ではサイズも内部のパターンも、これまでとはまったく別次元の存在感を示すこととなった。
おそらく今後は、そう時間をかけずに見慣れてくるのだろうが、BMWのライバル車よりも薄く控えめなマスクが良かった……そんな感覚、価値観はもう過去のものということか……。
なお試乗車には「アクティブ・エア・ストリーム」と呼ぶ、グリルの裏側にコンピューター制御で自動開閉し空気の流れをコントロールするシャッターが標準で備わっていた。
◆『8シリーズ』に通じる趣のデザイン
さて新しい『4シリーズ』だが、全体の趣はフラッグシップの『8シリーズ』のクーペの雰囲気に通じる味わい。とくにリヤクォーターウインドが細く長く後方まで切れ長になったデザインは共通性を感じる。
ルーフラインもなだらかに傾斜しており、クーペらしいデザインだが、運転席よりも先に後席に座ってみたところ、スペースは頭上、足元ともに余裕を残し、着座姿勢も心地いいシェイプのシートが身体をしっかりと受け止めてくれるタイプ。ホイールベースは2850mmで、これは『3シリーズ』のセダン、ツーリングと共通だ。
運転席まわりは、ここ最近のBMW車共通のクールでシンプルなデザイン。体格を問わず自分のポジションをとれば直ちにクルマが自分にフィットしてくれるのはいつものBMWの美点だ。シートも大柄でなくともあわせやすい。
ひとつだけ、眼前にある12.3インチのディスプレイ(メーターパネル)の現状のグラフィックは、個人的には見やすさの点でなじみにくい。液晶パネルだから表示はいかようにも作れるはずで、ここはぜひ、E36あたりの往年の丸型ダイヤルを再現したモードも追加してほしい……とも思う。
◆敷かれたレールの上を走っているかのような安定感
試乗車は「M440i xDrive」だったが、走らせた時の気持ちよさは申し分ないもの。搭載エンジンは直6の3リットルで、これに8速ATが組み合わせられ、387ps/51.0kgmのパフォーマンスが堪能できる。
堪能……といっても一般公道での試乗であり、レポーターは“限界より気持ちよく走らせていたいタイプ”なので、いつもの山道をそれなりのレベルにとどめながら走らせたが、敷かれたレールの上を走っているかのような安定感、スムースが印象的だった。
エンジンは低回転からトルクが豊かだし、回転の伸びも、これもまた申し分ない。走行モードをSPORTに切り替えるとステアリングとパワーフィールが一段とキレ味を増す。
トランクスペースは床面のサイズで奥行き、幅ともにほぼ100cm、高さは50cmほど。ここに愛用の旅行バッグを2つ載せて夫婦でどこかに出かける……そんな使い方ができたらさぞシアワセなことだろう。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
試乗後、現行『X7』と『7シリーズ』のあの巨大に思えたキドニーグリルを見直して、何とも思わなくなった。人間の感覚とはそんなものである。
E32かE38の時代の『7シリーズ』でV12かLボディのキドニーグリルの横幅を広げたことがあったが、その時の度合いも超越している。近年“変異”が見られたキドニーグリルだったが、新型『4シリーズ』ではサイズも内部のパターンも、これまでとはまったく別次元の存在感を示すこととなった。
おそらく今後は、そう時間をかけずに見慣れてくるのだろうが、BMWのライバル車よりも薄く控えめなマスクが良かった……そんな感覚、価値観はもう過去のものということか……。
なお試乗車には「アクティブ・エア・ストリーム」と呼ぶ、グリルの裏側にコンピューター制御で自動開閉し空気の流れをコントロールするシャッターが標準で備わっていた。
◆『8シリーズ』に通じる趣のデザイン
さて新しい『4シリーズ』だが、全体の趣はフラッグシップの『8シリーズ』のクーペの雰囲気に通じる味わい。とくにリヤクォーターウインドが細く長く後方まで切れ長になったデザインは共通性を感じる。
ルーフラインもなだらかに傾斜しており、クーペらしいデザインだが、運転席よりも先に後席に座ってみたところ、スペースは頭上、足元ともに余裕を残し、着座姿勢も心地いいシェイプのシートが身体をしっかりと受け止めてくれるタイプ。ホイールベースは2850mmで、これは『3シリーズ』のセダン、ツーリングと共通だ。
運転席まわりは、ここ最近のBMW車共通のクールでシンプルなデザイン。体格を問わず自分のポジションをとれば直ちにクルマが自分にフィットしてくれるのはいつものBMWの美点だ。シートも大柄でなくともあわせやすい。
ひとつだけ、眼前にある12.3インチのディスプレイ(メーターパネル)の現状のグラフィックは、個人的には見やすさの点でなじみにくい。液晶パネルだから表示はいかようにも作れるはずで、ここはぜひ、E36あたりの往年の丸型ダイヤルを再現したモードも追加してほしい……とも思う。
◆敷かれたレールの上を走っているかのような安定感
試乗車は「M440i xDrive」だったが、走らせた時の気持ちよさは申し分ないもの。搭載エンジンは直6の3リットルで、これに8速ATが組み合わせられ、387ps/51.0kgmのパフォーマンスが堪能できる。
堪能……といっても一般公道での試乗であり、レポーターは“限界より気持ちよく走らせていたいタイプ”なので、いつもの山道をそれなりのレベルにとどめながら走らせたが、敷かれたレールの上を走っているかのような安定感、スムースが印象的だった。
エンジンは低回転からトルクが豊かだし、回転の伸びも、これもまた申し分ない。走行モードをSPORTに切り替えるとステアリングとパワーフィールが一段とキレ味を増す。
トランクスペースは床面のサイズで奥行き、幅ともにほぼ100cm、高さは50cmほど。ここに愛用の旅行バッグを2つ載せて夫婦でどこかに出かける……そんな使い方ができたらさぞシアワセなことだろう。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
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1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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