ホンダ フリード モデューロX 新型試乗 風を味方につけた!背の高さを意識させない走り…片岡英明!
アクセサリー用品やドレスアップ用品などを開発し送り出す、ホンダアクセスが手がけているコンプリートカーブランドが「モデューロX」だ。
これはホンダ車を知り尽くしたエンジニアが、匠の技を用いて上質に熟成させたホンダ純正のワークスチューニングカーで、エアロパーツはデザインが洗練されているだけでなく走行性能も大幅に高めている。また、ホンダの販売店で購入でき、買った後の保証もしっかりしているのも魅力のひとつだ。
◆2020年5月に登場したフリード モデューロX II型
モデューロXの第1弾は2013年に登場した軽ハイトワゴンの『N-BOX』だった。以来、バリエーションを増やし続け、2020年までに6車種のモデューロXを送り出している。その第4弾として17年12月にリリースされたのが、コンパクトサイズのミニバン『フリード』だ。精悍なエアロパーツをまとい、サスペンションも専用にチューニングした。
ベースとなっているフリードは19年10月にマイナーチェンジを行い、フロントマスクなどの化粧直しを行っている。そこで20年1月に開催された東京オートサロン2020に、新型をベースにしたフリードのモデューロXコンセプト2020を参考出品した。そして5月にモデューロXのII型を発売している。
◆3種のフリードを比較、エアロバンパー効果を試す
その実力の違いを試すための舞台に選ばれたのが、袖ヶ浦フォレストレースウェイだ。モデューロXのI型とII型で大きく違っているのはエアロパーツに代表される空力デバイスである(ホンダアクセスは「実効空力デバイス」と呼ぶ)。そこで、エアロバンパーの実際の効果を知るために、ノーマルのベース車両、バンパーだけをノーマルとし、サスペンションなどをモデューロXのものに変更した実験車、そしてエアロバンパーなどを装着したフル装備の市販モデューロXを用意。走りながら比較してみた。
ノーマル車を含め、タイヤは185/65R15サイズのダンロップエナセーブEC300を履くが、アルミホイールはモデューロXの2台は専用品を装着する。駆動方式はFFだけの設定だ。パワートレインは2つあるが、これはI型と同じように変えていない。
ダンパーとスプリングなどを変更したモデューロXは接地フィールがよくなり、舵がしっかりと伝わる印象を受けた。ハンドリングは正確さを増し、ハードな走りでもロールが小さくなり、切り返ししたときの揺り返しも減少している。サスペンションはちょっと引き締まった印象だが、ストロークがあり、硬さを意識させない。エコタイヤだったが、アベレージを上げても安心して気持ちよく走れるクルマに変身していた。
◆ダイレクトな乗り味と絶妙なバランス感覚
これはいい、と感じてフル装備のモデューロXに乗り換えたら、コイツは、さらに上をいくダイレクトな乗り味と絶妙なバランス感覚を身につけていたのである。サイドにエアロフィンを備え、底面の両サイドにエアロボトムフィン、中央にエアロスロープを配したフロントのエアロバンパーは、空力効果が大きいようだ。ストレート路での直進安定性は一歩上で、ビシッと直進性を保つ。横風に対しても強いように感じる。
そこから先の高速コーナーでもピッチングとロールバランスがいい。傾斜が変わる路面でも舵が抜けず、しっかりとトラクションがかかった。タイヤが1ランク上のスポーツタイヤになったかのように接地フィールと接地バランスがよく、踏ん張りが利く。ステアリング操作に対する応答性とリアの追従性がよくなり、無駄な動きを抑え込んでいるから狙ったラインに乗せやすい。乗り心地は低速域ではちょっと硬質な印象だが、ペースアップすると気にならなくなる。
マイナーチェンジして登場したモデューロXのII型は、エアロチューンが中心となっているが、乗り味は大きく進化していた。乗車人数や荷物の量が変化し、多人数でロングドライブやワインディングロードを走る機会が多いのがフリードなどのミニバンである。背が高いからボディの揺れが大きく、ロールだけでなくピッチングも大きめだ。モデューロXは背の高さを意識させずに気持ちいい走りを楽しめる。
無駄な動きも抑え込んでいるから、同乗者のクルマ酔いも少ないはずだ。エアロダイナミクスを磨き、風を味方につけた最新のモデューロXは、違いが分かりやすいのも美点である。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★
片岡英明│モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員
これはホンダ車を知り尽くしたエンジニアが、匠の技を用いて上質に熟成させたホンダ純正のワークスチューニングカーで、エアロパーツはデザインが洗練されているだけでなく走行性能も大幅に高めている。また、ホンダの販売店で購入でき、買った後の保証もしっかりしているのも魅力のひとつだ。
◆2020年5月に登場したフリード モデューロX II型
モデューロXの第1弾は2013年に登場した軽ハイトワゴンの『N-BOX』だった。以来、バリエーションを増やし続け、2020年までに6車種のモデューロXを送り出している。その第4弾として17年12月にリリースされたのが、コンパクトサイズのミニバン『フリード』だ。精悍なエアロパーツをまとい、サスペンションも専用にチューニングした。
ベースとなっているフリードは19年10月にマイナーチェンジを行い、フロントマスクなどの化粧直しを行っている。そこで20年1月に開催された東京オートサロン2020に、新型をベースにしたフリードのモデューロXコンセプト2020を参考出品した。そして5月にモデューロXのII型を発売している。
◆3種のフリードを比較、エアロバンパー効果を試す
その実力の違いを試すための舞台に選ばれたのが、袖ヶ浦フォレストレースウェイだ。モデューロXのI型とII型で大きく違っているのはエアロパーツに代表される空力デバイスである(ホンダアクセスは「実効空力デバイス」と呼ぶ)。そこで、エアロバンパーの実際の効果を知るために、ノーマルのベース車両、バンパーだけをノーマルとし、サスペンションなどをモデューロXのものに変更した実験車、そしてエアロバンパーなどを装着したフル装備の市販モデューロXを用意。走りながら比較してみた。
ノーマル車を含め、タイヤは185/65R15サイズのダンロップエナセーブEC300を履くが、アルミホイールはモデューロXの2台は専用品を装着する。駆動方式はFFだけの設定だ。パワートレインは2つあるが、これはI型と同じように変えていない。
ダンパーとスプリングなどを変更したモデューロXは接地フィールがよくなり、舵がしっかりと伝わる印象を受けた。ハンドリングは正確さを増し、ハードな走りでもロールが小さくなり、切り返ししたときの揺り返しも減少している。サスペンションはちょっと引き締まった印象だが、ストロークがあり、硬さを意識させない。エコタイヤだったが、アベレージを上げても安心して気持ちよく走れるクルマに変身していた。
◆ダイレクトな乗り味と絶妙なバランス感覚
これはいい、と感じてフル装備のモデューロXに乗り換えたら、コイツは、さらに上をいくダイレクトな乗り味と絶妙なバランス感覚を身につけていたのである。サイドにエアロフィンを備え、底面の両サイドにエアロボトムフィン、中央にエアロスロープを配したフロントのエアロバンパーは、空力効果が大きいようだ。ストレート路での直進安定性は一歩上で、ビシッと直進性を保つ。横風に対しても強いように感じる。
そこから先の高速コーナーでもピッチングとロールバランスがいい。傾斜が変わる路面でも舵が抜けず、しっかりとトラクションがかかった。タイヤが1ランク上のスポーツタイヤになったかのように接地フィールと接地バランスがよく、踏ん張りが利く。ステアリング操作に対する応答性とリアの追従性がよくなり、無駄な動きを抑え込んでいるから狙ったラインに乗せやすい。乗り心地は低速域ではちょっと硬質な印象だが、ペースアップすると気にならなくなる。
マイナーチェンジして登場したモデューロXのII型は、エアロチューンが中心となっているが、乗り味は大きく進化していた。乗車人数や荷物の量が変化し、多人数でロングドライブやワインディングロードを走る機会が多いのがフリードなどのミニバンである。背が高いからボディの揺れが大きく、ロールだけでなくピッチングも大きめだ。モデューロXは背の高さを意識させずに気持ちいい走りを楽しめる。
無駄な動きも抑え込んでいるから、同乗者のクルマ酔いも少ないはずだ。エアロダイナミクスを磨き、風を味方につけた最新のモデューロXは、違いが分かりやすいのも美点である。
■5つ星評価
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