レクサス LS 新型試乗 クルマ好きも納得の仕上がりに進化した…九島辰也
今回マイナーチェンジしたレクサス『LS』のテーマは“原点回帰”だそうだ。高級サルーンとしてもう一度見直すところから始まった。そのため1989年にリリースされた初代LSのどこが高く評価され、カスタマーに受け入れられたのかを再確認したという。そこで、目をつけたのが静粛性の向上と乗り心地の改善。各部を煮詰めることでそれを実現した。
◆ノイズ発生源を徹底的に潰し静粛性を向上
静粛性の向上はエンジン音を抑えるところにも手を入れている。これまでであれば遮音材を追加すればそれで済んでいたのを徹底的にノイズ発生源を潰したのだ。例えばクランクシャフトがそれ。サイズから見直し再設計している。サイズを最適化しフリクションを軽減、音を抑え込むという作戦だ。これだけでもかなりこだわっているのがわかる。この他にもいろいろあるが、そうした細かい作業によりキャビンを静かにした。
ちなみに、静粛性の向上は単に遮音材および吸音材を適所に散りばめればある程度は達成できる。が、それではクルマ自体が重くなりコストもかかってしまう。車両重量の増加は運動性能と燃費の面からも避けなければならない事項である。
実際に走らせてみるとキャビンはかなり静かであることが確認できた。特に中速域から高速に上がるにつれそれを強く感じる。エンジン音、ロードノイズは見事に消されていた。ただ、ここまで静かになると風切り音が逆に気になる。この辺はいたちごっこと言えるかもしれない。
◆コーナリングでの安定性は想像以上に進化
乗り心地に関してもかなり良くなっている。特にスポーツモードにしたときそれを感じた。ダンパーの減衰圧が高まりしっかり路面をつかまえる。コーナリングでの安定性は想像以上だ。
ステアリング操舵に追従するボディ、それを受け止めるリアサスペンションのセッティングは秀逸。コーナーではキャビンをフラットに保ったまま高いグリップで駆るのがいい。スポーツマインドをくすぐる仕上がりだ。4ドアサルーンであることを忘れさせる瞬間である。
もちろん、コンフォートモードの快適さも保たれる。路面状況では若干ランフラットタイヤの硬さが気になるところもあったが、総体的に許容範囲であることは間違いない。ロングホイールベースもうまい具合に効果を発揮していそうだ。
パワーソースに関してはガソリンエンジン、ハイブリッドともに文句なし。高いボディ剛性とサスペンションのセッティングで、ハイブリッドでも十分スポーティさを引き出せるし、ガソリン車に関してはフィーリングもしっかり出ている。これならドライバーズカーとしても楽しめそうだ。
◆クルマ好きにも納得の仕上がり
このクルマは平日はショーファードリブンとして、週末はドライバーズカーとして使えるようになっている。この他では、安全装備とパークアシストなどの運転支援システムがバージョンアップしているのがニュースだろう。全方位的に抜かりなしだ。その意味で、クルマ好きにも納得の仕上がりとなっている。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。
◆ノイズ発生源を徹底的に潰し静粛性を向上
静粛性の向上はエンジン音を抑えるところにも手を入れている。これまでであれば遮音材を追加すればそれで済んでいたのを徹底的にノイズ発生源を潰したのだ。例えばクランクシャフトがそれ。サイズから見直し再設計している。サイズを最適化しフリクションを軽減、音を抑え込むという作戦だ。これだけでもかなりこだわっているのがわかる。この他にもいろいろあるが、そうした細かい作業によりキャビンを静かにした。
ちなみに、静粛性の向上は単に遮音材および吸音材を適所に散りばめればある程度は達成できる。が、それではクルマ自体が重くなりコストもかかってしまう。車両重量の増加は運動性能と燃費の面からも避けなければならない事項である。
実際に走らせてみるとキャビンはかなり静かであることが確認できた。特に中速域から高速に上がるにつれそれを強く感じる。エンジン音、ロードノイズは見事に消されていた。ただ、ここまで静かになると風切り音が逆に気になる。この辺はいたちごっこと言えるかもしれない。
◆コーナリングでの安定性は想像以上に進化
乗り心地に関してもかなり良くなっている。特にスポーツモードにしたときそれを感じた。ダンパーの減衰圧が高まりしっかり路面をつかまえる。コーナリングでの安定性は想像以上だ。
ステアリング操舵に追従するボディ、それを受け止めるリアサスペンションのセッティングは秀逸。コーナーではキャビンをフラットに保ったまま高いグリップで駆るのがいい。スポーツマインドをくすぐる仕上がりだ。4ドアサルーンであることを忘れさせる瞬間である。
もちろん、コンフォートモードの快適さも保たれる。路面状況では若干ランフラットタイヤの硬さが気になるところもあったが、総体的に許容範囲であることは間違いない。ロングホイールベースもうまい具合に効果を発揮していそうだ。
パワーソースに関してはガソリンエンジン、ハイブリッドともに文句なし。高いボディ剛性とサスペンションのセッティングで、ハイブリッドでも十分スポーティさを引き出せるし、ガソリン車に関してはフィーリングもしっかり出ている。これならドライバーズカーとしても楽しめそうだ。
◆クルマ好きにも納得の仕上がり
このクルマは平日はショーファードリブンとして、週末はドライバーズカーとして使えるようになっている。この他では、安全装備とパークアシストなどの運転支援システムがバージョンアップしているのがニュースだろう。全方位的に抜かりなしだ。その意味で、クルマ好きにも納得の仕上がりとなっている。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。
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