三菱 エクリプスクロスPHEV 新型試乗 現代の社会に極めてマッチしている…中谷明彦
三菱自動車が世界に誇るPHEV(プラグインハイブリッド)システム搭載モデル第二弾として『エクリプスクロスPHEV』が登場。すでに多くのユーザーから注目を浴びている。
今回は一般道で試乗インプレッションし、その走りの特性を解説しよう。
◆「アウトランダーPHEV」と共用するパワートレイン
PHEVシステムを中心としたパワートレインは「アウトランダーPHEV」と共用している。そのため搭載するガソリンエンジンは2.4リットルの直4だ。オリジナルのエクリプスクロス1.5リットル直4ターボ搭載モデルだったことを思えば、相当キャパシティが向上していることがわかる。
ガソリンエンジンは基本的に発電のために稼働させられるので、発進から加速、停止などはほぼEV(電気自動車)として走行でき、静かでトルクに溢れていた力強い走りだ。
三菱自のPHEVシステムは4輪駆動のAWDとして構築されているのも特徴で、エクリプスクロスPHEVもAWDとなっている。前輪を駆動するのは82psの駆動用モーターで、後輪にはより強力な95psのモーターを配している。
前後に2基のモーターを個別に配することで前後輪間の駆動トルク配分を自由自在にコントロールできるためハンドリング(操縦性)に優れた特性に仕上げることができるわけだ。
◆S-AWCによるスポーティさ
さらにエクリプスクロスPHEVにはランサーエボリューションX(テン)で培ったS-AWC(スーパーオールホイールコントロール)制御が織り込まれている。その効果でSUVとは思えぬスポーティなハンドリングが実現できているというわけだ。
実際、曲がりくねったワインディングロードの山道をエクリプスクロスPHEVは実に軽快に駆け上がっていく。電動モーターはアクセルオンに対し瞬時に最大トルクが引き出せるので、トルクピックアップがよく加減速を自在に操れる。
減速時には前後のモーターが発電機として電力を回生し13.8kwhのリチウムイオンバッテリーに蓄える。このバッテリー容量は満充電状態ならWLTC(国際統一テストサイクル)モードで57.3kmのEV走行レンジを誇る大型のものだ。登り区間で電力を消費しても、同区間を回生させながら降りてくると消費電力の6割以上を回生することができた。
◆PHEVは現代の社会に極めてマッチ
実はエクリプスクロスPHEVは車格的にはアウトランダーPHEVの弟分にあたる。従来型から全長が140mm拡大されたとはいえアウトランダーよりは150mm短い。しかし試乗車の最上級グレードは電動パワーシートの採用や車体剛性確保の補強などにより車両重量は1930kgと重くなっている。一方、燃料タンクは45リットルが確保され、総航続距離は伸びているのだ。
外部給電機能による非常用電源車としての役割などPHEVは現代の社会に極めてマッチしている。加えて軽快な走りを手に入れているのだから魅力を感じないわけにはいかないだろう。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
中谷明彦|レース&テストドライバー/自動車関連コンサルタント
大学在学中よりレーサー/モータージャーナリストとして活動。1988年全日本F3選手権覇者となるなど国内外で活躍。1997年よりドライビング理論研究会「中谷塾」を開設、2009年より東京大学と自動車新技術の共同研究に取組む。自動車関連の開発、イベント運営など様々な分野でのコンサルタントも行っている。
今回は一般道で試乗インプレッションし、その走りの特性を解説しよう。
◆「アウトランダーPHEV」と共用するパワートレイン
PHEVシステムを中心としたパワートレインは「アウトランダーPHEV」と共用している。そのため搭載するガソリンエンジンは2.4リットルの直4だ。オリジナルのエクリプスクロス1.5リットル直4ターボ搭載モデルだったことを思えば、相当キャパシティが向上していることがわかる。
ガソリンエンジンは基本的に発電のために稼働させられるので、発進から加速、停止などはほぼEV(電気自動車)として走行でき、静かでトルクに溢れていた力強い走りだ。
三菱自のPHEVシステムは4輪駆動のAWDとして構築されているのも特徴で、エクリプスクロスPHEVもAWDとなっている。前輪を駆動するのは82psの駆動用モーターで、後輪にはより強力な95psのモーターを配している。
前後に2基のモーターを個別に配することで前後輪間の駆動トルク配分を自由自在にコントロールできるためハンドリング(操縦性)に優れた特性に仕上げることができるわけだ。
◆S-AWCによるスポーティさ
さらにエクリプスクロスPHEVにはランサーエボリューションX(テン)で培ったS-AWC(スーパーオールホイールコントロール)制御が織り込まれている。その効果でSUVとは思えぬスポーティなハンドリングが実現できているというわけだ。
実際、曲がりくねったワインディングロードの山道をエクリプスクロスPHEVは実に軽快に駆け上がっていく。電動モーターはアクセルオンに対し瞬時に最大トルクが引き出せるので、トルクピックアップがよく加減速を自在に操れる。
減速時には前後のモーターが発電機として電力を回生し13.8kwhのリチウムイオンバッテリーに蓄える。このバッテリー容量は満充電状態ならWLTC(国際統一テストサイクル)モードで57.3kmのEV走行レンジを誇る大型のものだ。登り区間で電力を消費しても、同区間を回生させながら降りてくると消費電力の6割以上を回生することができた。
◆PHEVは現代の社会に極めてマッチ
実はエクリプスクロスPHEVは車格的にはアウトランダーPHEVの弟分にあたる。従来型から全長が140mm拡大されたとはいえアウトランダーよりは150mm短い。しかし試乗車の最上級グレードは電動パワーシートの採用や車体剛性確保の補強などにより車両重量は1930kgと重くなっている。一方、燃料タンクは45リットルが確保され、総航続距離は伸びているのだ。
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