ベントレー コンチネンタルGT V8コンバーチブル 新型試乗 まさにウルトラ級のGTカー…九島辰也
3世代目となる『コンチネンタルGT』シリーズに最新モデルが加わった。V8エンジンを搭載したコンバーチブルである。通例通りW12エンジンからスタートし、V8、そしてそれぞれのコンバーチブルという流れだ。
その意味ではこれでひと段落だが、これからパフォーマンスモデルの追加なんかもあるかもしれないから目は離せない。
◆長距離乗らないと真意ははかり知れない「V8コンバーチブル」
では「V8コンバーチブル」だが、グローバルでの発表は昨年6月で、日本上陸は初冬となった。ステアリングを握ったのは12月。すぐさま、東京、奈良を往復するテストドライブを行った。ベントレーに代表されるウルトラプレミアムGTカーは長い距離乗らないと真意ははかり知れない。
ならば結論はどうだったのか。と、その前に簡単にスペックをご紹介しよう。エンジンは4リットルV8ツインターボで最高出力550ps、最大トルク770Nmを発揮する。クーペと同じユニットで気筒休止を行う優れものだ。
そして屋根は4層のファブリック。ベントレーは英国的オープンカーの趣を大事するためリトラクタブルハードトップは採用しない。その辺は開発者インタビューで何度か耳にしている。稼働はおおよそ19秒。開ける用と閉める用のスイッチで動かす。
幌の収納はリアシートとトランクの間だが、トランク容量はそれなりにあるので問題なし。機内持ち込みトロリーもOKだ。また、50km/h以下であれば走行中でも開閉できる。まぁ、この辺は各車デフォルトになりつつあるが。
◆底知れぬ余裕を見せる大きなエンジン
それじゃ肝心の走りはというと、まさにウルトラ級のGTカー。ターボで過給する大きなエンジンは底知れぬ余裕を見せる。今回は高速道路での移動が中心だったので、それが際立った。低回転のまま太いトルクで優雅にクルマを走らせる感覚だ。トップギアでは2000回転前後で巡航。そこからの追い越し加速も余裕だ。
当然乗り心地もこの上なく快適。ドライブモードを「コンフォート」にすれば大海原を走る大型クルーザーのよう。「コンチネンタル」の名前が光る。そもそもこの名称は1950年代にベントレーがヨーロッパ大陸をグランドツアラーできるクルマを称してあてがったものだ。『コンチネンタルR』がそれである。きっと島国の大陸に対する憧れもあったに違いない。
キャビンの静粛性もそう。トップを閉めての走行はまるでクーペそのもの。ロードノイズや風切音は見事に消されている。それにコースティング機能があり、まるでアメンボがスーッと水面を移動するような感覚を得る。あらゆるフリクションが消された状態だ。
それでいて、モンスターマシンのような走りをすることを付け加えよう。高速道路からワインディングへとステージを変えると、キャラは豹変する。猛獣が喉を鳴らすようなアイドリングから始まり、雄叫びを発する領域へと導かれる。
そしてその時のエンジンパワーと足さばきはまんまスポーツカー。ステアリング操作に対し瞬時にかつ素直に反応するボディとリアサスペンションのグリップ感は驚異的だ。「スポーツ」モードでそれを味わうと病みつきになるだろう。若干のロールとリアの踏ん張りがドライバーに伝わるのが好み。要するに走らせるのが楽しいのだ。
◆底知れぬパフォーマンスは「いやはやお見事」
あらためて考えると、コンバーチブルはクーペよりも重量が重くなっているが、それを意識させないのはさすがである。もちろん、このクラスのパワーとなれば多少の重量増加は許容するのだろうが、それにしても峠道でのスポーティな身のこなしはトップレベルである。
いやはやお見事。高速走行を含め、まさにベントレーの底知れぬパフォーマンスを体感するロングドライブであった。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
九島辰也|モータージャーナリスト 外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。
その意味ではこれでひと段落だが、これからパフォーマンスモデルの追加なんかもあるかもしれないから目は離せない。
◆長距離乗らないと真意ははかり知れない「V8コンバーチブル」
では「V8コンバーチブル」だが、グローバルでの発表は昨年6月で、日本上陸は初冬となった。ステアリングを握ったのは12月。すぐさま、東京、奈良を往復するテストドライブを行った。ベントレーに代表されるウルトラプレミアムGTカーは長い距離乗らないと真意ははかり知れない。
ならば結論はどうだったのか。と、その前に簡単にスペックをご紹介しよう。エンジンは4リットルV8ツインターボで最高出力550ps、最大トルク770Nmを発揮する。クーペと同じユニットで気筒休止を行う優れものだ。
そして屋根は4層のファブリック。ベントレーは英国的オープンカーの趣を大事するためリトラクタブルハードトップは採用しない。その辺は開発者インタビューで何度か耳にしている。稼働はおおよそ19秒。開ける用と閉める用のスイッチで動かす。
幌の収納はリアシートとトランクの間だが、トランク容量はそれなりにあるので問題なし。機内持ち込みトロリーもOKだ。また、50km/h以下であれば走行中でも開閉できる。まぁ、この辺は各車デフォルトになりつつあるが。
◆底知れぬ余裕を見せる大きなエンジン
それじゃ肝心の走りはというと、まさにウルトラ級のGTカー。ターボで過給する大きなエンジンは底知れぬ余裕を見せる。今回は高速道路での移動が中心だったので、それが際立った。低回転のまま太いトルクで優雅にクルマを走らせる感覚だ。トップギアでは2000回転前後で巡航。そこからの追い越し加速も余裕だ。
当然乗り心地もこの上なく快適。ドライブモードを「コンフォート」にすれば大海原を走る大型クルーザーのよう。「コンチネンタル」の名前が光る。そもそもこの名称は1950年代にベントレーがヨーロッパ大陸をグランドツアラーできるクルマを称してあてがったものだ。『コンチネンタルR』がそれである。きっと島国の大陸に対する憧れもあったに違いない。
キャビンの静粛性もそう。トップを閉めての走行はまるでクーペそのもの。ロードノイズや風切音は見事に消されている。それにコースティング機能があり、まるでアメンボがスーッと水面を移動するような感覚を得る。あらゆるフリクションが消された状態だ。
それでいて、モンスターマシンのような走りをすることを付け加えよう。高速道路からワインディングへとステージを変えると、キャラは豹変する。猛獣が喉を鳴らすようなアイドリングから始まり、雄叫びを発する領域へと導かれる。
そしてその時のエンジンパワーと足さばきはまんまスポーツカー。ステアリング操作に対し瞬時にかつ素直に反応するボディとリアサスペンションのグリップ感は驚異的だ。「スポーツ」モードでそれを味わうと病みつきになるだろう。若干のロールとリアの踏ん張りがドライバーに伝わるのが好み。要するに走らせるのが楽しいのだ。
◆底知れぬパフォーマンスは「いやはやお見事」
あらためて考えると、コンバーチブルはクーペよりも重量が重くなっているが、それを意識させないのはさすがである。もちろん、このクラスのパワーとなれば多少の重量増加は許容するのだろうが、それにしても峠道でのスポーティな身のこなしはトップレベルである。
いやはやお見事。高速走行を含め、まさにベントレーの底知れぬパフォーマンスを体感するロングドライブであった。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
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オススメ度:★★★★★
九島辰也|モータージャーナリスト 外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。
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