ホンダ N-ONE RS 新型試乗 「Sシリーズに近い」というのは褒め過ぎだろうか…丸山誠
◆キープコンセプトどころではないコンセプト
デザインはキープコンセプトどころか、初代とボディパネルがまったく一緒というのはいままで聞いたことがない。
初代『N-ONE』は、1967年に発売されたホンダ初の市販軽乗用車『N360』がモチーフ。「長く愛されるクルマを提案したい」というコンセプトを掲げての登場だったが、デザインそのものを2代目にまで引き継ぐとは思ってもみなかった。
軽自動車の主流はハイトワゴンに移り、現在ではスーパーハイトのスライドドア仕様が人気の中心になった。当然、こうしたハッチバックの軽自動車は需要が少なくなっていたから、フルモデルチェンジして存続させるのかホンダにとって微妙だったはずだ。
そこでボディのプレスを同じにして開発コストを抑えられれば、なんとかなると考えたはずだ。もちろん開発者がそんな裏事情を話すはずがないが、生産効率を高めるため新型プラットフォームに移行しながら、新型を登場させる一つの方法だったのは間違いないだろう。そうしたことから2代目のコンセプトは「車と楽しむ暮らしのために末永く愛せるクルマを」となった。従来にない軽自動車が誕生したわけだ。
◆「MTは楽しい」と再認識させてくれる
“N-ONE LOVE”なユーザーにとって、お気に入りのデザインそのままで、最新の先進安全装備を手に入れられるようになったのはうれしいはず。もちろんヘッドライトなどは新デザインで、軽自動車初のLEDデイタイムランニングランプを採用。リヤコンビランプもフルLEDに変更されている。ボディは従来のままだが、装備関係は最新装備となっているのだ。先代もカワイイ表情が評判だったが、新型はヘッドライトがより瞳のように見えるためカワイさが倍増している。
インテリアは新デザインで、「RS」には6速MTが用意されている。軽ターボMTでは『アルトワークス』があるがモデルが古く、5速MT。ターボと6速MTの組み合わせは軽自動車初だ。RSは『S660』譲りの6速MTで、シフトノブは『S2000』のデザインを流用している。ホンダのSシリーズではないが、RSにはホンダスポーツの魂が込められている。
新車のためかシフトフィールはフリクションがある感じだったが、低回転域からトルクが出ているため早めのシフトアップでもスイスイと加速する。高回転域まで使うとターボらしい加速感が味わえ、スポーティさを満喫できると同時にパワーを使い切っている心地いい充実感もある。改めてMTは楽しいと再認識させてくれる。
◆軽スポーツというより、コンパクトスポーツという仕上がり
さらに高剛性ボディとスムーズに動くサスペンションが、スポーティなハンドリングを実現しているのもポイントだ。ステアリングの正確性が高く、狙ったラインを気持ちよくトレースしている感じはホンダSシリーズに近いというのは褒め過ぎだろうか。軽スポーツというより、コンパクトスポーツという仕上がりでよくまとまっている。
先進安全装備のホンダセンシングも最新にアップグレードされ、ACCは渋滞追従機能付の全車速タイプ。レーンキープも装備された。RSの6速MTを選んでもACC(渋滞追従なし)とレーンキープが装備されるのは高く評価したい。もちろんパキングブレーキは電動タイプで、オートホールド機能も付けられている。
このように充実した装備のため199万9800円と、ギリギリ200万円を切る価格設定のため軽ターボとしてはやや高い。180万円くらいならさらに魅力的なのだが…。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★
丸山 誠|モータージャーナリスト
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブで新車試乗記事、新車解説記事などを執筆。先進安全装備や環境技術、キャンピングカー、キャンピングトレーラーなどにも詳しい。
デザインはキープコンセプトどころか、初代とボディパネルがまったく一緒というのはいままで聞いたことがない。
初代『N-ONE』は、1967年に発売されたホンダ初の市販軽乗用車『N360』がモチーフ。「長く愛されるクルマを提案したい」というコンセプトを掲げての登場だったが、デザインそのものを2代目にまで引き継ぐとは思ってもみなかった。
軽自動車の主流はハイトワゴンに移り、現在ではスーパーハイトのスライドドア仕様が人気の中心になった。当然、こうしたハッチバックの軽自動車は需要が少なくなっていたから、フルモデルチェンジして存続させるのかホンダにとって微妙だったはずだ。
そこでボディのプレスを同じにして開発コストを抑えられれば、なんとかなると考えたはずだ。もちろん開発者がそんな裏事情を話すはずがないが、生産効率を高めるため新型プラットフォームに移行しながら、新型を登場させる一つの方法だったのは間違いないだろう。そうしたことから2代目のコンセプトは「車と楽しむ暮らしのために末永く愛せるクルマを」となった。従来にない軽自動車が誕生したわけだ。
◆「MTは楽しい」と再認識させてくれる
“N-ONE LOVE”なユーザーにとって、お気に入りのデザインそのままで、最新の先進安全装備を手に入れられるようになったのはうれしいはず。もちろんヘッドライトなどは新デザインで、軽自動車初のLEDデイタイムランニングランプを採用。リヤコンビランプもフルLEDに変更されている。ボディは従来のままだが、装備関係は最新装備となっているのだ。先代もカワイイ表情が評判だったが、新型はヘッドライトがより瞳のように見えるためカワイさが倍増している。
インテリアは新デザインで、「RS」には6速MTが用意されている。軽ターボMTでは『アルトワークス』があるがモデルが古く、5速MT。ターボと6速MTの組み合わせは軽自動車初だ。RSは『S660』譲りの6速MTで、シフトノブは『S2000』のデザインを流用している。ホンダのSシリーズではないが、RSにはホンダスポーツの魂が込められている。
新車のためかシフトフィールはフリクションがある感じだったが、低回転域からトルクが出ているため早めのシフトアップでもスイスイと加速する。高回転域まで使うとターボらしい加速感が味わえ、スポーティさを満喫できると同時にパワーを使い切っている心地いい充実感もある。改めてMTは楽しいと再認識させてくれる。
◆軽スポーツというより、コンパクトスポーツという仕上がり
さらに高剛性ボディとスムーズに動くサスペンションが、スポーティなハンドリングを実現しているのもポイントだ。ステアリングの正確性が高く、狙ったラインを気持ちよくトレースしている感じはホンダSシリーズに近いというのは褒め過ぎだろうか。軽スポーツというより、コンパクトスポーツという仕上がりでよくまとまっている。
先進安全装備のホンダセンシングも最新にアップグレードされ、ACCは渋滞追従機能付の全車速タイプ。レーンキープも装備された。RSの6速MTを選んでもACC(渋滞追従なし)とレーンキープが装備されるのは高く評価したい。もちろんパキングブレーキは電動タイプで、オートホールド機能も付けられている。
このように充実した装備のため199万9800円と、ギリギリ200万円を切る価格設定のため軽ターボとしてはやや高い。180万円くらいならさらに魅力的なのだが…。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★
丸山 誠|モータージャーナリスト
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブで新車試乗記事、新車解説記事などを執筆。先進安全装備や環境技術、キャンピングカー、キャンピングトレーラーなどにも詳しい。
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