トヨタ ヤリスクロス 新型試乗 人気絶好調、キックスに対する有利・不利は…渡辺陽一郎
◆月あたり約1万台!人気絶好調のヤリスクロス
『ヤリスクロス』の人気は絶好調だ。日本自動車販売協会連合会が公表する登録台数は、『ヤリス』+『GRヤリス』+ヤリスクロスの合計だが、車種ごとに分類してもヤリスクロスは多い。2020年11月から2021年2月に掛けて、1か月当たり9000台から1万台を登録した。
ヤリスクロスは価格が割安だ。エンジンは直列3気筒1.5リットルのノーマルタイプとハイブリッドで、2WD・Zの価格はノーマルが221万円、ハイブリッドは258万4000円になる。ハイブリッドZは日産『キックスX』に比べて約20万円安い。
その代わりホイールベース(前輪と後輪の間隔)もヤリスと同じ2560mmに留まり、全長は4180mmだから、後席は狭めだ。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ1つ少々になる。コンパクトカーのヤリスに比べると、床と座面の間隔に20mmの余裕があるから快適だが、キックスに比べると狭い。
またZの運転席に装着される電動調節機能も注意したい。複数のモーターを装着せず、1個だけでクラッチを介して調節できる箇所を増やしたから、スイッチを操作してからシートの各部が動くまでに若干の時間を要する。
◆機敏で峠道も走りやすい操舵感
ノーマルエンジンは低回転域の駆動力が少し弱い。3500回転前後から加速が活発化する。登坂路に差し掛かってアクセルペダルを踏み増すと、3気筒エンジン特有のノイズも少し耳障りだ。
その点でハイブリッドは、アクセルペダルを踏み増した時など、まずはモーターの駆動力が立ち上がる。そのためにアクセルペダルの踏み込み量が抑えられ、加速が滑らかになってノイズは小さい。ハイブリッドの方が快適だ。
乗り心地は、18インチタイヤを装着したZは硬めに感じる。開発者は「走りと乗り心地では17インチがベストだが、外観のカッコ良さも考えて18インチを選んだ」という。硬めに感じる代わりに、操舵感は機敏で峠道も走りやすい。
SUVでありながら、運転感覚はスポーティなコンパクトハッチバックに近い。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。
『ヤリスクロス』の人気は絶好調だ。日本自動車販売協会連合会が公表する登録台数は、『ヤリス』+『GRヤリス』+ヤリスクロスの合計だが、車種ごとに分類してもヤリスクロスは多い。2020年11月から2021年2月に掛けて、1か月当たり9000台から1万台を登録した。
ヤリスクロスは価格が割安だ。エンジンは直列3気筒1.5リットルのノーマルタイプとハイブリッドで、2WD・Zの価格はノーマルが221万円、ハイブリッドは258万4000円になる。ハイブリッドZは日産『キックスX』に比べて約20万円安い。
その代わりホイールベース(前輪と後輪の間隔)もヤリスと同じ2560mmに留まり、全長は4180mmだから、後席は狭めだ。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ1つ少々になる。コンパクトカーのヤリスに比べると、床と座面の間隔に20mmの余裕があるから快適だが、キックスに比べると狭い。
またZの運転席に装着される電動調節機能も注意したい。複数のモーターを装着せず、1個だけでクラッチを介して調節できる箇所を増やしたから、スイッチを操作してからシートの各部が動くまでに若干の時間を要する。
◆機敏で峠道も走りやすい操舵感
ノーマルエンジンは低回転域の駆動力が少し弱い。3500回転前後から加速が活発化する。登坂路に差し掛かってアクセルペダルを踏み増すと、3気筒エンジン特有のノイズも少し耳障りだ。
その点でハイブリッドは、アクセルペダルを踏み増した時など、まずはモーターの駆動力が立ち上がる。そのためにアクセルペダルの踏み込み量が抑えられ、加速が滑らかになってノイズは小さい。ハイブリッドの方が快適だ。
乗り心地は、18インチタイヤを装着したZは硬めに感じる。開発者は「走りと乗り心地では17インチがベストだが、外観のカッコ良さも考えて18インチを選んだ」という。硬めに感じる代わりに、操舵感は機敏で峠道も走りやすい。
SUVでありながら、運転感覚はスポーティなコンパクトハッチバックに近い。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。
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