【トヨタ ランドクルーザー 新型試乗】今の時代にこそ相応しいクルマだ…島崎七生人
信頼性、耐久性、悪路走破性をしっかり確保することと、どこへでも行けて生きて帰ってこれること。『ランドクルーザー』の開発テーマは実に明快、かつ、それって何かと過酷な今の時代にこそ、自分で乗るクルマに求めたい条件だよなぁ……とも思う。
14年振りのフルモデルチェンジに興味津々
エアロ仕様の「ZX」だとやや見えにくいが、標準の「VX」はアプローチアングル32度(ZXは24度)、デパーチャアングル26度と、これは「80」以降変わらないのだそう。渡河性能は水深700mmだ。新しいGA-Fプラットフォームをベースにラダーフレーム構造や、リヤのリジッドアクスルなどは踏襲。一方でドア、ボンネット、ルーフをアルミ化し、軽量化と相対的な低重心化も図ったという。
エンジンではディーゼルが復活したが、シールを2重であれば3重にするなどして水や泥がより入らないようにし、最新の10速ATとのマッチングで動力性能、快適性のレベルも高めたという。
個別に受け取った試乗車の案内に「防犯対策としてハンドルロック、タイヤロックを付けて貸し出す」とあり、恐れおののきすっかり貸し出しの申し込みをしそびれていた次第。今回はいわゆる試乗会の場で、試乗枠中にクルマから離れさえしなければ何事も起こらないだろう……と、落ち着いて試乗に臨むことができた。
先代の「200」から今回の「300」へ、およそ14年振りのフルモデルチェンジで、不勉強にも同じくらい振りの試乗になるが、果たしてどんな印象をもつか?、自分でも興味津々だった。
何しろ快適で運転がしやすい
すると、よかった。今回は平和な街中のオンロード(一般道と首都高速)での試乗となったが、何しろ快適で運転がしやすいことに驚かされた。ボディサイズは試乗車(ZX)で全長4985mm、全幅1980mm、全高1925mmとさすがに巨体ではある。
が、運転席に乗り込みクルマを走らせてみて、フードの見切りのよさや、サイドウインドの下側のラインが低く落とされていることで視界がよく、まったく句もなく取り回せるのだった。乗り込みはAピラーのグリップを掴み、エイヤッ!と登っての乗車となるが、サイドステップ上面のすべり止めにより、安心して乗り込める。
インテリアは水平基調のインパネを始め、遊びが過ぎないデザインで落ち着いた印象。さらにセンターパネル部には、主要な機能を操作するために十分なサイズの“物理スイッチ”が並べられているのが何といってもホッとさせられる。大事なマルチテレインセレクトや空調など、走行中でも手が伸ばしやすく扱いやすいのは、クルマのことをよくわかっているエンジニアの仕事だとわかる。
最上級サルーンのようなしっとりとした乗り味
試乗車はZX・5人乗りの3.5リットルディーゼル搭載車だったが、走行中、遮音の効いた室内でディーゼルであることを音や振動で知ることはほとんど不可能……それほどの快適性だった。
短時間の試乗時間内ではあらゆる走行シーン、モードを試すことはできなかったものの、少なくとも日常的な街中や高速走行で動力性能は十分でフレキシブルだし、何より2.5t超の車重を感じさせないスッとした、しなやかな挙動と、最上級サルーンのようなしっとりとした乗り味が印象に残った。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
14年振りのフルモデルチェンジに興味津々
エアロ仕様の「ZX」だとやや見えにくいが、標準の「VX」はアプローチアングル32度(ZXは24度)、デパーチャアングル26度と、これは「80」以降変わらないのだそう。渡河性能は水深700mmだ。新しいGA-Fプラットフォームをベースにラダーフレーム構造や、リヤのリジッドアクスルなどは踏襲。一方でドア、ボンネット、ルーフをアルミ化し、軽量化と相対的な低重心化も図ったという。
エンジンではディーゼルが復活したが、シールを2重であれば3重にするなどして水や泥がより入らないようにし、最新の10速ATとのマッチングで動力性能、快適性のレベルも高めたという。
個別に受け取った試乗車の案内に「防犯対策としてハンドルロック、タイヤロックを付けて貸し出す」とあり、恐れおののきすっかり貸し出しの申し込みをしそびれていた次第。今回はいわゆる試乗会の場で、試乗枠中にクルマから離れさえしなければ何事も起こらないだろう……と、落ち着いて試乗に臨むことができた。
先代の「200」から今回の「300」へ、およそ14年振りのフルモデルチェンジで、不勉強にも同じくらい振りの試乗になるが、果たしてどんな印象をもつか?、自分でも興味津々だった。
何しろ快適で運転がしやすい
すると、よかった。今回は平和な街中のオンロード(一般道と首都高速)での試乗となったが、何しろ快適で運転がしやすいことに驚かされた。ボディサイズは試乗車(ZX)で全長4985mm、全幅1980mm、全高1925mmとさすがに巨体ではある。
が、運転席に乗り込みクルマを走らせてみて、フードの見切りのよさや、サイドウインドの下側のラインが低く落とされていることで視界がよく、まったく句もなく取り回せるのだった。乗り込みはAピラーのグリップを掴み、エイヤッ!と登っての乗車となるが、サイドステップ上面のすべり止めにより、安心して乗り込める。
インテリアは水平基調のインパネを始め、遊びが過ぎないデザインで落ち着いた印象。さらにセンターパネル部には、主要な機能を操作するために十分なサイズの“物理スイッチ”が並べられているのが何といってもホッとさせられる。大事なマルチテレインセレクトや空調など、走行中でも手が伸ばしやすく扱いやすいのは、クルマのことをよくわかっているエンジニアの仕事だとわかる。
最上級サルーンのようなしっとりとした乗り味
試乗車はZX・5人乗りの3.5リットルディーゼル搭載車だったが、走行中、遮音の効いた室内でディーゼルであることを音や振動で知ることはほとんど不可能……それほどの快適性だった。
短時間の試乗時間内ではあらゆる走行シーン、モードを試すことはできなかったものの、少なくとも日常的な街中や高速走行で動力性能は十分でフレキシブルだし、何より2.5t超の車重を感じさせないスッとした、しなやかな挙動と、最上級サルーンのようなしっとりとした乗り味が印象に残った。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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