【トヨタ アクア 新型試乗】快適性も、クルマと息を合わせて走る楽しさも格段に進化した…藤島知子
燃費至上主義のモデルではなくなった
2011年に誕生した初代トヨタ『アクア』はガソリンエンジンを搭載するハイブリッドカーで燃費世界一を狙って造られたモデル。約10年の時を経て、2021年7月に初めてフルモデルチェンジが行われたが、初代と異なるのは単に燃費至上主義のモデルではなくなったこと。
初代は空気抵抗を減らすあまり、後席のヘッドクリアランスが犠牲になっていたが、2代目は少しだけふっくらした形に。後席には大人がくつろげるだけの居住空間をもたらした。
アクアがより快適性をもたらすモデルに変貌を遂げた背景には、兄弟車の『ヤリス』が軽量、軽快に走れる絞り込まれたスタイリングに変わったことが挙げられるだろう。ハイブリッドカーの技術を磨き続けてきたトヨタはモーターやバッテリーの技術の進化と同時にパッケージング技術も磨いてきたが、今回のアクアについても、ハイブリッドカーのわりに荷室容積が犠牲になるようなこともない。日常から旅行まで十分にこなせるだけの荷室容量を確保しているあたりは見事だ。
さらに、非常時給電機能を標準装備。停電などの際に利用できる外部給電はAC100V/1500Wまでの家電が使える。ガソリンを満タンにした状態でエンジンで発電して電力をまかなえば、スマホなら約5000台分の充電が可能だという。
快適性もクルマと息を合わせて走る楽しさも
駆動用バッテリーは大電流を一気に流せるシンプルな構造で、従来と同じスペースでもより多くのセルを搭載できるバイポーラ型のニッケル水素電池を世界で初めて採用。従来のアクアと比較してバッテリー出力が2倍になったこともあり、アクセルの踏み込みに対する応答性が高まっている。
発進加速ではスムースでなめらかに動き出してくれるほか、EV走行領域が拡がったことで、静かにシームレスに加速していくモータードライブ感を満喫させてくれる時間が増えた。ヤリスと同じ新世代のプラットフォームが採用されているだけあって、操縦安定性も抜群だ。快適性もクルマと息を合わせて走る楽しさも初代と比べて格段の進化を遂げていると感じさせた。
グレードによってタイヤサイズが異なるが、足元の存在感と操舵に対してレスポンスの良さを求める人はオプションの16インチを選ぶのもいいが、快適性と操縦性のバランスという意味では個人的には15インチの仕様をオススメしたい。各自のクルマの使い方に応じて選んで欲しいと思う。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
藤島知子|モータージャーナリスト
幼い頃からのクルマ好きが高じて、2002年からワンメイクレースに挑戦。市販車からフォーミュラカーに至るまで、ジャンルを問わず、さまざまなレースに参加している。2007年にはマツダロードスターレースで女性初のクラス優勝を獲得した経験をもつ。現在はクルマの楽しさを多くの人に伝えようと、自動車専門誌、一般誌、TV、WEB媒体を通じて活動中。走り好きの目線と女性の目線の両方向から、カーライフ全般をサポートしている。
2011年に誕生した初代トヨタ『アクア』はガソリンエンジンを搭載するハイブリッドカーで燃費世界一を狙って造られたモデル。約10年の時を経て、2021年7月に初めてフルモデルチェンジが行われたが、初代と異なるのは単に燃費至上主義のモデルではなくなったこと。
初代は空気抵抗を減らすあまり、後席のヘッドクリアランスが犠牲になっていたが、2代目は少しだけふっくらした形に。後席には大人がくつろげるだけの居住空間をもたらした。
アクアがより快適性をもたらすモデルに変貌を遂げた背景には、兄弟車の『ヤリス』が軽量、軽快に走れる絞り込まれたスタイリングに変わったことが挙げられるだろう。ハイブリッドカーの技術を磨き続けてきたトヨタはモーターやバッテリーの技術の進化と同時にパッケージング技術も磨いてきたが、今回のアクアについても、ハイブリッドカーのわりに荷室容積が犠牲になるようなこともない。日常から旅行まで十分にこなせるだけの荷室容量を確保しているあたりは見事だ。
さらに、非常時給電機能を標準装備。停電などの際に利用できる外部給電はAC100V/1500Wまでの家電が使える。ガソリンを満タンにした状態でエンジンで発電して電力をまかなえば、スマホなら約5000台分の充電が可能だという。
快適性もクルマと息を合わせて走る楽しさも
駆動用バッテリーは大電流を一気に流せるシンプルな構造で、従来と同じスペースでもより多くのセルを搭載できるバイポーラ型のニッケル水素電池を世界で初めて採用。従来のアクアと比較してバッテリー出力が2倍になったこともあり、アクセルの踏み込みに対する応答性が高まっている。
発進加速ではスムースでなめらかに動き出してくれるほか、EV走行領域が拡がったことで、静かにシームレスに加速していくモータードライブ感を満喫させてくれる時間が増えた。ヤリスと同じ新世代のプラットフォームが採用されているだけあって、操縦安定性も抜群だ。快適性もクルマと息を合わせて走る楽しさも初代と比べて格段の進化を遂げていると感じさせた。
グレードによってタイヤサイズが異なるが、足元の存在感と操舵に対してレスポンスの良さを求める人はオプションの16インチを選ぶのもいいが、快適性と操縦性のバランスという意味では個人的には15インチの仕様をオススメしたい。各自のクルマの使い方に応じて選んで欲しいと思う。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
藤島知子|モータージャーナリスト
幼い頃からのクルマ好きが高じて、2002年からワンメイクレースに挑戦。市販車からフォーミュラカーに至るまで、ジャンルを問わず、さまざまなレースに参加している。2007年にはマツダロードスターレースで女性初のクラス優勝を獲得した経験をもつ。現在はクルマの楽しさを多くの人に伝えようと、自動車専門誌、一般誌、TV、WEB媒体を通じて活動中。走り好きの目線と女性の目線の両方向から、カーライフ全般をサポートしている。
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