日産『フェアレディZ』新型にピストン西沢が最速試乗!「世界トップレベルのドライビングファンだ」

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今回、新型『フェアレディZ』にオートサロンの外会場で乗ることができました。

これはピストン西沢が主宰している「みんなのモーターショー」のスピンアウトで「NEW FAIRLADY Z FULL POWER LIVE」というイベントでのこと。

ここで走ったATは世界初公開で、その出来の良さに感動です。その辺はピストン西沢のYoutubeの映像『公式!世界初フェアレディZをアクセル全開。NEW FAIRLADY Z FULLPOWER DRIFT インカー映像、インプレ、ローンチコントロール…これを見たら絶対欲しくなる』でその素晴らしさを観てもらうこととして、ここでは文章で出来るだけお伝えしましょう。

GTカーとしての『NEW FAIRLADY Z』の実力は
まずこのクルマは工場製作のプロトということで、仕様は“ほぼ”市販車スペック。乗り心地はなかなか良く、会場の荒れた路面でもスムース。これは、タイヤ、脚、シートによるところ。タイヤはコンフォート性も高い19インチのブリヂストン『ポテンザ RE-007A』で、剛性を気にしたというホイールと、柔らか目のサスがマッチングしている。

シートは前後角度、高さが前後で変更できるセミバケットタイプで、振動をうまく逃がして上質な乗り心地に寄与している。室内は静かで、新しい騒音の基準に準じたマフラーは、その存在感を消していて、拍子抜けするほどだ。しかし、アクセルを踏み込むとZらしいエンジン音が室内に木霊する。これは最近流行りのスピーカーからの合成音だが、一応音楽屋で音の専門家の西沢も全く違和感を感じない自然なもの。

高級GTらしく、9速のATは、上が巡航に振ってあり9速100km/hだと、エンジン回転は1000回転ちょっとだという。まぁここで西沢は7000rpmのレブまで2から3速でけたたましく走っただけだが…(笑)

でも単なるGTカーではない「ピュアスポーツカー」
まず新型Zは、重いと思う。それは(1)エンジンが大きくなった(2)そこでボディ剛性が必要で補強しまくり(3)パワーあるので冷却系もたくさん付けた…あとはタイヤもサイズが変わった。で、小活するとそれでも動きは軽く…正確で…楽しい。

スキを見てドリフトまでしてみたが、重いがゆえにゆったり安定した動きが好ましい。勿論重すぎるとどこかで破綻するのだが、新型Zはあくまでコントロール下における。

理由として考えられるのが、ボディの剛性アップと前後バランス、サス、タイヤのグリップバランス、そして反応が良いエンジンパワー…あとはハンドルの応答性(切れ角も含め)。で見事にバランスさせているのが新型Zということだ。車重はエンジンが大きくなった分、1600kmを超えて人間燃料オイルなどで1700kmになると思われる。ボンネットも重かったし、エンジンも100kgくらい重いらしいので、前後50:50の重量バランスは望むべくもないのだが、フロントヘビーな感じはここで乗る分には全くしない。

走りで特筆すべきはアクセルの動きにすぐ反応するトルクフルなエンジンのおかげ。ブーストは1.5くらいかかっているのだが、下からよくふける。ご存知の通り『スカイライン400R』のエンジンをベースに、タービン周りを工夫…タービンの回転スピードが急激に落ちないようにしてある。だから反応が良い→フィーリング面良し→コントロールしやすい。踏めばすぐにパワーが出てくる感じは大排気量のNAで、レスポンス良くクルマの姿勢をアクセルで自由自在に変えられるところが素晴らしい!腕に覚えがある人にはこれはたまらなく楽しいと思う。

なななんと!機械式のデフが入っているのだ
VDCも先代から比べ大幅に進化。以前はガックンガックン大きく雑な動きで、古さを隠せなかったが、新型Zの場合はそんな無粋な事は一切ない。田村宏志チーフプロダクトスペシャリストの言葉を借りると「ムニュムニュムニュっていつの間にか収まっていて、自分が運転上手になったかのよう」とのこと。また下のギアで全開加速してノーズアップ、ブレーキ強くかけてノーズダイブというアンダーオーバーが出そうなコースだったが、フロントはかなり余裕があって、「曲がらない」ということはなかった。これはフロント・タイヤを先代Zの245から、新型Zでは255に拡大されているので、その容量がフロントのグリップ容量アップにそのままつながっているということ。

重量増はあきらめたわけではなく、なんとミッションケースはマグネシウム製…って昔のレーシングカーみたいな話?「S30」を感じさせる新型Zとは親和性の高い話だ。さて、ドリフトしながらコントロール性を探ると、荷重の乗っかり方がなめらかというか、重量のおかげで安定していてその動きもまったりで乗りやすい。さらにドリフト状態からの左右の切り替えしで、リアの荷重が片方から反対側に移動するときに内輪の接地面がなくなって、いきなりオーバーからスピンする車が多い中、この車は全く以て安定している。どうしてかと言うとなななんと!機械式のデフが入っているのだ。

それもあってなんとエンジン、ミッション、デフの油温計は標準装着。他のメーターは電圧計、タービンのスピード計、その他走りに関係するメーターはてんこ盛り。本質的にGTで乗り心地が良くスタイルも良く室内の品質も良いのだが、いざこういったアクセル全開の走りにも対応できるところが今回はめっちゃ素晴らしいのだ。

マニュアルは今回乗れなかったが、先代のクラッチが抱えていたオーバーヒートで切れなくなることなど、問題は事細かく対処しているとのことなので、期待したい。

結論
新型フェアレディZは大人のデートカーや上質な移動空間を持ちながら、その実サーキットもこなせる、「世界トップレベルのドライビングファンを持つ車」だということがわかった。この高次元のバランスはかつてBMWの『M4』など一部のクルマでしか体験していないレベルだ。

買った人がどんな風に使っても満足できる商品性は、さすがユーザーを知り尽くした田村CPS率いる開発スタッフの努力と実力の賜物として、受け取る側はそれを購入することで答えたい…ところだが、西沢は『GT-R NISMO 2022』をオーダーしていて、まだ納車されていないのよ(笑)日産さん、俺のクルマ早くしてください!

ピストン西沢|DJ
大学時代からクラブDJとして活動。現在はJ-WAVEのDJ、数多くのCD製作し音楽業界に関わっている。自動車が大好きで、アマチュアレーサーとして数多くのワンメイクレース、スーパー耐久にも参戦。

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  • ピストン西沢氏(左)と田村宏志チーフプロダクトスペシャリスト
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