ホンダ ヴェゼル Modulo X に最速雪上試乗!はじめから選択すべき理由がある
「ヴェゼルe:HEV Modulo X」プロトタイプに初試乗
ホンダにはアクセサリーなど純正パーツの一部を開発・販売するホンダアクセスというグループ会社がある。そしてこのホンダアクセスが手がけるブランドが「Modulo(モデューロ)」だ。
ホンダユーザーであればそのカタログページを閲覧したことはあるだろう。ディーラーで装着できる分、オーダーすると購入時にテンションは上がる。
そのModuloが送り出しているコンプリートカーが『Modulo X(モデューロエックス)』。スタートは2013年の『N-BOX Modulo X』で、昨年は第7弾となる『フィットe:HEV Modulo X』を登場させた。さらにいえば、今年1月のオートサロンで、年内発売予定という『ヴェゼルe:HEV Modulo Xコンセプト』を発表している。ポップな印象のヴェゼルをアグレッシブな装いに変えている。
そんなモデルのプロトタイプに乗る機会を得た。場所はホンダの4WDモデルをテストドライブした木曽山奥にある雪上コース。低ミュー路での走行テストだ。試乗車はAWDの『ヴェゼルe:HEV Modulo Xプロトタイプ』と『ヴェゼル カジュアルスタイル』。タイヤはスタンダードなヴェゼルが「ブリヂストン BLIZZAK VRX2」なのに対し、今回の2台はともに「ヨコハマ ICE GUARD7」を履いていた。
はじめから「Modulo X」を選択すべき理由
注目はフロントグリルをゼブラで覆った『ヴェゼルe:HEV Modulo Xプロトタイプ』だ。というのも、こちらは足まわりに手を入れている。コンプリートカーとしての真骨頂である走りを味付けているのだ。架装パーツであれば後からでも自由にいじれるが、足まわりは後からではひと苦労。つまり、その良さを知っていれば、はじめからModulo Xを選択する理由になる。
今回のプロトタイプは専用のダンパーとスタンダードモデルとは異なるバネレートのスプリングを装備する。簡単にいうと、フロント側は標準より少し柔らかく、リア側は少し硬めといった感じらしい。その選定に関してはホンダアクセス専用の実験部が関わっているそうだ。つまり、テストコースで専任のテストドライバーが走行を繰り返しているのだ。
しかもセッティングはサスペンションにとどまらない。彼らはホイールもサスペンションの一部と位置付け、オリジナルで開発している。データを取って設計を修正し、生産を外部に委託しているのだ。理想は接地面圧を高めること。ホイールの剛性を上げるだけでなくたわませることも重視している。なるほど、そこまでホイールにこだわれば、タイヤ選定がスタンダードモデルと違うのも納得がいく。
走り初めから明らかにスタンダードモデルとは違う
では、実際に走らせるとどうか。走り出してすぐに感じたのは、同じ雪上コースを走ったスタンダードモデルのヴェゼルとは明らかに違うこと。ステアリングフィールはそのままなので、その延長線上にあると感じられるが、乗り心地だけを抽出するなら別物と言いたくなる。ポイントは当たりの柔らかさ。路面からの入力が頭でイメージする以上に柔らかく、しなやかなのだ。
もちろん、それでいて接地感はしっかりあり、雪道での安心感は強い。トラクションがちゃんと路面に伝わり、終始ステアリングとアクセルでコントロールできるように仕上がっている。言うなれば、上が柔らかく下が硬いといった印象。どちらかというと、ヨーロッパ車的な味付けである。これはいい。個人的にもかなり好みだ。
この味付けはもっと多くのクルマ好きに知ってほしい
と同時に、こんな良いものをどうしてもっと積極的にアピールしないのだろうと思った。この味付けはもっと多くのクルマ好きに知ってもらいたい。マーケティングに注力すれば、ブランディングが容易にできることだろう。惜しい。
いずれにせよ、ホンダアクセスがかなりの実力者であることは理解した。あとはオートサロンで発表されたヴェゼルe:HEV Modulo Xコンセプトの市販版がリリースされるのを待つだけ。次回は一般道、高速、ワインディングでそのパフォーマンスを試したい。
九島辰也|モータージャーナリスト外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。
ホンダにはアクセサリーなど純正パーツの一部を開発・販売するホンダアクセスというグループ会社がある。そしてこのホンダアクセスが手がけるブランドが「Modulo(モデューロ)」だ。
ホンダユーザーであればそのカタログページを閲覧したことはあるだろう。ディーラーで装着できる分、オーダーすると購入時にテンションは上がる。
そのModuloが送り出しているコンプリートカーが『Modulo X(モデューロエックス)』。スタートは2013年の『N-BOX Modulo X』で、昨年は第7弾となる『フィットe:HEV Modulo X』を登場させた。さらにいえば、今年1月のオートサロンで、年内発売予定という『ヴェゼルe:HEV Modulo Xコンセプト』を発表している。ポップな印象のヴェゼルをアグレッシブな装いに変えている。
そんなモデルのプロトタイプに乗る機会を得た。場所はホンダの4WDモデルをテストドライブした木曽山奥にある雪上コース。低ミュー路での走行テストだ。試乗車はAWDの『ヴェゼルe:HEV Modulo Xプロトタイプ』と『ヴェゼル カジュアルスタイル』。タイヤはスタンダードなヴェゼルが「ブリヂストン BLIZZAK VRX2」なのに対し、今回の2台はともに「ヨコハマ ICE GUARD7」を履いていた。
はじめから「Modulo X」を選択すべき理由
注目はフロントグリルをゼブラで覆った『ヴェゼルe:HEV Modulo Xプロトタイプ』だ。というのも、こちらは足まわりに手を入れている。コンプリートカーとしての真骨頂である走りを味付けているのだ。架装パーツであれば後からでも自由にいじれるが、足まわりは後からではひと苦労。つまり、その良さを知っていれば、はじめからModulo Xを選択する理由になる。
今回のプロトタイプは専用のダンパーとスタンダードモデルとは異なるバネレートのスプリングを装備する。簡単にいうと、フロント側は標準より少し柔らかく、リア側は少し硬めといった感じらしい。その選定に関してはホンダアクセス専用の実験部が関わっているそうだ。つまり、テストコースで専任のテストドライバーが走行を繰り返しているのだ。
しかもセッティングはサスペンションにとどまらない。彼らはホイールもサスペンションの一部と位置付け、オリジナルで開発している。データを取って設計を修正し、生産を外部に委託しているのだ。理想は接地面圧を高めること。ホイールの剛性を上げるだけでなくたわませることも重視している。なるほど、そこまでホイールにこだわれば、タイヤ選定がスタンダードモデルと違うのも納得がいく。
走り初めから明らかにスタンダードモデルとは違う
では、実際に走らせるとどうか。走り出してすぐに感じたのは、同じ雪上コースを走ったスタンダードモデルのヴェゼルとは明らかに違うこと。ステアリングフィールはそのままなので、その延長線上にあると感じられるが、乗り心地だけを抽出するなら別物と言いたくなる。ポイントは当たりの柔らかさ。路面からの入力が頭でイメージする以上に柔らかく、しなやかなのだ。
もちろん、それでいて接地感はしっかりあり、雪道での安心感は強い。トラクションがちゃんと路面に伝わり、終始ステアリングとアクセルでコントロールできるように仕上がっている。言うなれば、上が柔らかく下が硬いといった印象。どちらかというと、ヨーロッパ車的な味付けである。これはいい。個人的にもかなり好みだ。
この味付けはもっと多くのクルマ好きに知ってほしい
と同時に、こんな良いものをどうしてもっと積極的にアピールしないのだろうと思った。この味付けはもっと多くのクルマ好きに知ってもらいたい。マーケティングに注力すれば、ブランディングが容易にできることだろう。惜しい。
いずれにせよ、ホンダアクセスがかなりの実力者であることは理解した。あとはオートサロンで発表されたヴェゼルe:HEV Modulo Xコンセプトの市販版がリリースされるのを待つだけ。次回は一般道、高速、ワインディングでそのパフォーマンスを試したい。
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