【日産 キャラバン ディーゼル 新型試乗】新エンジンで見違えた、走りと静かさ…島崎七生人
初代『キャラバン』の登場は1973年のこと。今回、車名については「お客様とのコミュニケーションのしやすさ、馴染みやすさを考えて、思い切って“NV”から戻した」(CPS・原田裕一さん)のだそう。日本市場の実情に照らせば、そのほうがごく自然だ。
ところでガソリン車に続きマイナーチェンジを受けたディーゼル車の最大のポイントは、パワーユニットがこれまでの日産工機製から、新たに三菱自動車製に置き換わったこと。ホームページの諸元表の1ページを自力でA4に印字すると、見逃してしまいそうな小さな文字で「4N16」とあり、この型式からも『デリカD:5』の「4N14(2.2リットル)」や、タイの『パジェロスポーツ』に搭載の「4N15」の流れを汲むディーゼルエンジンということがわかる。
三菱自製ディーゼル搭載でダウンサイズ
新しい排気ガス規制対応を主眼に置き、燃費、動力性能、静粛性を高めた点も大きな特徴としている。新しい4N16型の排気量は2.4リットルとし、これまでのYD25型(2.5リットル)よりも僅かなダウンサイジングながら、パワー/トルクは95kW/356Nmから97Nm/370Nmに、燃費(JC08)も12.2km/リットルから13.9km/リットルに、いずれも向上させている。
排気後処理に尿素水を2段階で噴射させる最新のSCRシステムを採用。尿素水の消費量を低減させ、タンク容量を12リットルに増やしたことで、補水の頻度は走行距離で1万1000km程度、通常のプロのユーザーで半年程度はもつのではないかという。
そのほかバランサーシャフトの採用、アルミ製シリンダーブロック、ハイギヤードかつロックアップ領域も広げた7速ATの採用などもポイント。出足、80→100km/hの全開加速など動力性能も高められた。
従来型と比べて音・振動が小さく、より静かに
今回は日産のテストコース内という限定的な条件ながら、従来型と同条件での乗り較べも叶った。その印象は、スペックからすれば当然といえば当然だが、走りがまったく見違えたことを実感した。
新しいエンジンはいかにもメカ的なストレスなく軽々と回ってくれ、音・振動が小さく、より静かで、出足の力強さ、再加速時のアクセルのツキもよい。なので、このクルマを必要としているプロの方々が現場まで向かうにしても、(たとえ積載があったとしても)スムースで快適な運転、移動ができるのではないか、と思った。4WD車の安定感も印象的だった。
完成度の高いオーテックの特装車
ちなみにオーテックジャパンが手がける特装車も、用途に応じた、いつもながら手際よく完成度の高いラインアップが用意されている。専用防水シートを装備する「プロスタイル」や、標準シートと同じ表皮、硬質フロアパネルなどを用いて実にスマートに仕上げられた「マルチベッド」「トランスポーター」などは、キャンプや車中泊、移動など、一般ユーザーがプライベートで乗りこなすには文句なく使い勝手がよさそう……と思える仕上がりだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
ところでガソリン車に続きマイナーチェンジを受けたディーゼル車の最大のポイントは、パワーユニットがこれまでの日産工機製から、新たに三菱自動車製に置き換わったこと。ホームページの諸元表の1ページを自力でA4に印字すると、見逃してしまいそうな小さな文字で「4N16」とあり、この型式からも『デリカD:5』の「4N14(2.2リットル)」や、タイの『パジェロスポーツ』に搭載の「4N15」の流れを汲むディーゼルエンジンということがわかる。
三菱自製ディーゼル搭載でダウンサイズ
新しい排気ガス規制対応を主眼に置き、燃費、動力性能、静粛性を高めた点も大きな特徴としている。新しい4N16型の排気量は2.4リットルとし、これまでのYD25型(2.5リットル)よりも僅かなダウンサイジングながら、パワー/トルクは95kW/356Nmから97Nm/370Nmに、燃費(JC08)も12.2km/リットルから13.9km/リットルに、いずれも向上させている。
排気後処理に尿素水を2段階で噴射させる最新のSCRシステムを採用。尿素水の消費量を低減させ、タンク容量を12リットルに増やしたことで、補水の頻度は走行距離で1万1000km程度、通常のプロのユーザーで半年程度はもつのではないかという。
そのほかバランサーシャフトの採用、アルミ製シリンダーブロック、ハイギヤードかつロックアップ領域も広げた7速ATの採用などもポイント。出足、80→100km/hの全開加速など動力性能も高められた。
従来型と比べて音・振動が小さく、より静かに
今回は日産のテストコース内という限定的な条件ながら、従来型と同条件での乗り較べも叶った。その印象は、スペックからすれば当然といえば当然だが、走りがまったく見違えたことを実感した。
新しいエンジンはいかにもメカ的なストレスなく軽々と回ってくれ、音・振動が小さく、より静かで、出足の力強さ、再加速時のアクセルのツキもよい。なので、このクルマを必要としているプロの方々が現場まで向かうにしても、(たとえ積載があったとしても)スムースで快適な運転、移動ができるのではないか、と思った。4WD車の安定感も印象的だった。
完成度の高いオーテックの特装車
ちなみにオーテックジャパンが手がける特装車も、用途に応じた、いつもながら手際よく完成度の高いラインアップが用意されている。専用防水シートを装備する「プロスタイル」や、標準シートと同じ表皮、硬質フロアパネルなどを用いて実にスマートに仕上げられた「マルチベッド」「トランスポーター」などは、キャンプや車中泊、移動など、一般ユーザーがプライベートで乗りこなすには文句なく使い勝手がよさそう……と思える仕上がりだ。
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