【レクサス LX 新型試乗】「OFFROAD」はランクル80や100世代のオジサマに刺さる…島崎七生人
“流行に左右されていない感”が何とも気に入った。レクサス『LX600』は基本は5人乗りまたは7名乗りの1グレード。だが4人乗り上級仕様の「EXECUTIVE(エグゼクティブ)」と、もう1タイプ日本市場独自に設定されたパッケージというのが、今回の試乗車「OFFROAD(オフロード)」だ。
肉厚タイヤのスノッブな姿だけでも満足できる
とにかく大径・超ロープロファイルタイヤが当たり前の今の時代、“肉厚”なこのタイヤ(265/65 R16 114V M+S・DUNLOP GRANDTREC AT23、日本製)が標準装着された出で立ちはかえって新鮮。見ただけで惚れ惚れとさせられた。他の試乗車(20インチ、22インチがある)の現認はちゃんと出来ていないのだが、恐らくはまあ順当、正攻法の今どきの高級SUVの体であるはず。
しかしサイドウォールをプクッ!と丸く膨らませた16インチタイヤを履くこのスノッブな姿は実に潔い。試乗車を借り受け、都内某所のいつもの場所で、増え始めた緑をバックにカメラのファインダーを覗いていたら、この姿を見られただけでも満足だと思った。
もちろん“ランクル”由来のオフロード性能の高さの評判は高そうだ。おそらくそうした場面では、大径ホイールと違い臆せず走らせられるだろうから、存分にパフォーマンスが楽しめるに違いない。
一方でオンロードでは、さすがに高速走行時などロープロファイルタイヤに対し“懐かしめ”の乗り味を示すかもしれない……の予想に反し、直進、コーナリング問わず非常に安定感があり、かつゆったりと心地いい乗り心地が実感できた。従来モデルと比べて車体で約200kgもの軽量化が実現されたそうだが、4本のタイヤが無理なく荷重を受け止めているし、ここが現代的なところだが、トレッド面の繊細で実にスムースな感触も味わえる。音も静かで、新たに電動化されたパワーステアリングも、路面状況とキチンと伝え、しっかりとした操舵力をもつ。
現代的といえば運転支援関係の機能も走行中に有効に機能してくれる。
ランクル「80」や「100」世代のベテランにササりそう
3.5リットル(3.444リットル)のV6ツインターボ(415ps/650Nm)は、小気味よいエンジン音を低く聞かせながらなめらかなパワーフィールを披露する。
主たるはずのエンジン始動ボタンは、指紋認証がついたせいか、やや高めのあらぬ場所(上部モニターの右下。できればその真下のインパネ上にあったほうが自然では?)にあり最初は暫く探した。が、そのことを除けば、シフトレバーや物理スイッチが適度に残された運転席まわりの扱いさすさは上々だ。
イージークローザー付きのドアは静かに上品な“ドアを閉める所作”が実行できる。そのほかの充実した装備は、一つ一つは書ききれないが、セカンド、サードシートの折り畳みと展開がパワー機構付きなのは、このクラスのクルマ相応だ。
かつてランクルの「80」や「100」に乗っていたような世代(=ベテランまたはオジサマ)であれば、間違いなくササりそう。コロナ禍でアウトドアが注目されているが、その機を捉えた商品企画ともいえる。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
肉厚タイヤのスノッブな姿だけでも満足できる
とにかく大径・超ロープロファイルタイヤが当たり前の今の時代、“肉厚”なこのタイヤ(265/65 R16 114V M+S・DUNLOP GRANDTREC AT23、日本製)が標準装着された出で立ちはかえって新鮮。見ただけで惚れ惚れとさせられた。他の試乗車(20インチ、22インチがある)の現認はちゃんと出来ていないのだが、恐らくはまあ順当、正攻法の今どきの高級SUVの体であるはず。
しかしサイドウォールをプクッ!と丸く膨らませた16インチタイヤを履くこのスノッブな姿は実に潔い。試乗車を借り受け、都内某所のいつもの場所で、増え始めた緑をバックにカメラのファインダーを覗いていたら、この姿を見られただけでも満足だと思った。
もちろん“ランクル”由来のオフロード性能の高さの評判は高そうだ。おそらくそうした場面では、大径ホイールと違い臆せず走らせられるだろうから、存分にパフォーマンスが楽しめるに違いない。
一方でオンロードでは、さすがに高速走行時などロープロファイルタイヤに対し“懐かしめ”の乗り味を示すかもしれない……の予想に反し、直進、コーナリング問わず非常に安定感があり、かつゆったりと心地いい乗り心地が実感できた。従来モデルと比べて車体で約200kgもの軽量化が実現されたそうだが、4本のタイヤが無理なく荷重を受け止めているし、ここが現代的なところだが、トレッド面の繊細で実にスムースな感触も味わえる。音も静かで、新たに電動化されたパワーステアリングも、路面状況とキチンと伝え、しっかりとした操舵力をもつ。
現代的といえば運転支援関係の機能も走行中に有効に機能してくれる。
ランクル「80」や「100」世代のベテランにササりそう
3.5リットル(3.444リットル)のV6ツインターボ(415ps/650Nm)は、小気味よいエンジン音を低く聞かせながらなめらかなパワーフィールを披露する。
主たるはずのエンジン始動ボタンは、指紋認証がついたせいか、やや高めのあらぬ場所(上部モニターの右下。できればその真下のインパネ上にあったほうが自然では?)にあり最初は暫く探した。が、そのことを除けば、シフトレバーや物理スイッチが適度に残された運転席まわりの扱いさすさは上々だ。
イージークローザー付きのドアは静かに上品な“ドアを閉める所作”が実行できる。そのほかの充実した装備は、一つ一つは書ききれないが、セカンド、サードシートの折り畳みと展開がパワー機構付きなのは、このクラスのクルマ相応だ。
かつてランクルの「80」や「100」に乗っていたような世代(=ベテランまたはオジサマ)であれば、間違いなくササりそう。コロナ禍でアウトドアが注目されているが、その機を捉えた商品企画ともいえる。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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