【ジープ レネゲード 4xe 新型試乗】レネゲードにPHEVは「あり」か「なし」か…岩貞るみこ
ジープのイメージといえば、泥と野生である。洗練されすぎない粗忽さに惹かれる人は多いはずだ。なので、プラグイン・ハイブリッド(充電設備で充電しながら走れるハイブリッド。以下PHEV)が登場したときは、「はあ?」だった。
なにを血迷っているのだ。唯我独尊、泥と野生の我が道を行くのがジープのよさではなかったか。『レネゲード』を愛車とする私の脳は拒否反応を示し、日本市場に導入されてから1年半ものあいだ試乗する気にすらなれなかった。しかし、ついにこの日がやってきた。今回の【ワンポイント確認】は、レネゲードにPHEVはありなのか? いざ、4WDごと雪上で試すべく北上である。
脳に刻まれた走行感覚の常識が、一瞬にして覆される
試乗車は「レネゲード・トレイルホーク4xe」。4WDだが、後輪は電気モーターのみが担当する。走りはじめると、即座に重心の低さが伝わってくる。明らかに床下がずっしりと思い。4WDならではの重量感……というより、バッテリーなどが組み込まれた重心の低さだ。カタログで比較すると、PHEVのシステムにより300kgほど重量増になっている。
ただし、走りは軽い。走り出しをモーターがアシストして、びっくりするほど軽いのである。脚にまとわりつくようなずっしりした重さに対して走りのこの軽さ。さらに、コーナリングもすこぶるスムーズ。ハンドルが軽く感じるのに加え、曲がりたい方向に対して、モーターが絶妙なトルク配分で後輪を動かしてくれるためするするとコーナーをいなしていく。脳に刻み込まれた走行感覚の常識が、一瞬にして覆される思いである。
満充電で最大50kmをEVとして走れる
走行モードボタンで、ハイブリッド、電気のみ、電力セーブの3つのモードが選べるのだが、電気のみのELECTRICモードでは、電気自動車として50km以上走ることが可能というのも面白い。50kmも走れるのならば、ちょっとした通勤や買い物程度ならガソリンを一滴も使わず、電気自動車として十分使うことができる。
今回は、HYBRIDモードで高速道路と信号のほとんどない郊外を500kmほど走ったところ、先にバッテリーにためた電気で積極的に走るプログラムになっていて、最初の50kmは、リッターあたり60km超えという驚きの燃費を計測。その後、電気をほぼ使い切り、バッテリー残量が1~3%のあいだ(回生ブレーキ等でゼロにならないよう勝手に充電する)で走り続けたところ、燃費は16~17kmという数字だった。
充電せずに走ると、単なる重いクルマになってしまうので、やはりPHEVはその利点を最大限活かせるようこまめに充電して走るべきだろう。充電、面倒くさいけれど。4xeはタンク容量が36リットルと驚愕の小ささだが、電気で走る部分が多いため、満充電+満タンなら、ストレスのない長距離走行が可能である。
これまで試乗しないで悪かったと猛省
レネゲードにPHEVは、ありかなしか。周囲は雪だらけの北陸だったが、取材当日はすっかり道は除雪され雪上4WD試乗の機会は逸した。残念。しかし、アスファルトでの重量感がありながら抜群にスムーズで軽い走行感はかなり面白く、これまで試乗しないで悪かったと猛省している。結論。レネゲードのPHEVは、ありだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。最新刊は「世界でいちばん優しいロボット」(講談社)。
なにを血迷っているのだ。唯我独尊、泥と野生の我が道を行くのがジープのよさではなかったか。『レネゲード』を愛車とする私の脳は拒否反応を示し、日本市場に導入されてから1年半ものあいだ試乗する気にすらなれなかった。しかし、ついにこの日がやってきた。今回の【ワンポイント確認】は、レネゲードにPHEVはありなのか? いざ、4WDごと雪上で試すべく北上である。
脳に刻まれた走行感覚の常識が、一瞬にして覆される
試乗車は「レネゲード・トレイルホーク4xe」。4WDだが、後輪は電気モーターのみが担当する。走りはじめると、即座に重心の低さが伝わってくる。明らかに床下がずっしりと思い。4WDならではの重量感……というより、バッテリーなどが組み込まれた重心の低さだ。カタログで比較すると、PHEVのシステムにより300kgほど重量増になっている。
ただし、走りは軽い。走り出しをモーターがアシストして、びっくりするほど軽いのである。脚にまとわりつくようなずっしりした重さに対して走りのこの軽さ。さらに、コーナリングもすこぶるスムーズ。ハンドルが軽く感じるのに加え、曲がりたい方向に対して、モーターが絶妙なトルク配分で後輪を動かしてくれるためするするとコーナーをいなしていく。脳に刻み込まれた走行感覚の常識が、一瞬にして覆される思いである。
満充電で最大50kmをEVとして走れる
走行モードボタンで、ハイブリッド、電気のみ、電力セーブの3つのモードが選べるのだが、電気のみのELECTRICモードでは、電気自動車として50km以上走ることが可能というのも面白い。50kmも走れるのならば、ちょっとした通勤や買い物程度ならガソリンを一滴も使わず、電気自動車として十分使うことができる。
今回は、HYBRIDモードで高速道路と信号のほとんどない郊外を500kmほど走ったところ、先にバッテリーにためた電気で積極的に走るプログラムになっていて、最初の50kmは、リッターあたり60km超えという驚きの燃費を計測。その後、電気をほぼ使い切り、バッテリー残量が1~3%のあいだ(回生ブレーキ等でゼロにならないよう勝手に充電する)で走り続けたところ、燃費は16~17kmという数字だった。
充電せずに走ると、単なる重いクルマになってしまうので、やはりPHEVはその利点を最大限活かせるようこまめに充電して走るべきだろう。充電、面倒くさいけれど。4xeはタンク容量が36リットルと驚愕の小ささだが、電気で走る部分が多いため、満充電+満タンなら、ストレスのない長距離走行が可能である。
これまで試乗しないで悪かったと猛省
レネゲードにPHEVは、ありかなしか。周囲は雪だらけの北陸だったが、取材当日はすっかり道は除雪され雪上4WD試乗の機会は逸した。残念。しかし、アスファルトでの重量感がありながら抜群にスムーズで軽い走行感はかなり面白く、これまで試乗しないで悪かったと猛省している。結論。レネゲードのPHEVは、ありだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。最新刊は「世界でいちばん優しいロボット」(講談社)。
最新ニュース
-
-
2倍の速さで自動駐車! メルセデスベンツのパーキングアシストが性能向上
2024.11.29
-
-
-
「超イケてる!」ホンダの本格SUV『パスポート』発表に日本導入を期待する声
2024.11.29
-
-
-
BMW『X3』新型はマイルドHV、Mパフォーマンスも…価格は798万~998万円
2024.11.29
-
-
-
レクサス、日本の伝統工芸に現代技術を融合…アート作品展開催中
2024.11.29
-
-
-
トヨタ『スープラ』生産終了へ、435馬力の最終モデルを発表
2024.11.29
-
-
-
トヨタ『RAV4』が一部改良、FF廃止で全車4WDに
2024.11.29
-
-
-
アウディ、新型『SQ5スポーツバック』発表…367馬力の高性能SUVクーペ
2024.11.29
-
最新ニュース
MORIZO on the Road