【トヨタ ランドクルーザー 新型試乗】発揮させる場所がなくとも、その性能はプライドになる…渡辺陽一郎
『ランドクルーザー』の納期は、発売後1年近くを経過した今でも、販売店では「4~5年を要する」という。これは新型コロナウイルスの影響ではない。
開発者は「ランドクルーザーの生産総数の内、約50%は中東、約20%はオーストラリアで売られ、国内市場の割り当ては全体の10%以下」という。つまり日本への供給台数が少ないから、長期の納期遅延に陥った。この影響で、先代ランドクルーザーの中古車価格まで高騰しており、市場の混乱を招いてしまっている。
試乗して分かる注意点も
確かにランドクルーザーは、海外向けの車種だ。全長は約5m、全幅も約2mと大柄で、最小回転半径は5.9mに達する。悪路走破力を向上させるため、最低地上高は225mmを確保して、ラダー(梯型)フレームも備えるから床が高い。視線の位置も高く、遠方が良く見える代わりに、ボディに近い部分の死角は大きい。
そこでボンネットの中央部分を下側に少しヘコませた。前方視界は若干改善されたが、ボンネットの両端と車幅を把握しにくい。乗降性の悪さを含めて、試乗して分かる注意点も多い。
エンジンはV型6気筒3.5リットルのガソリンと3.3リットルのクリーンディーゼルで、両タイプともツインターボを装着する。ガソリンは実用回転域の駆動力を高めて、高回転域の吹き上がりも良い。一般的な選択だが、ランドクルーザーには、実用回転域の駆動力が際立って高いディーゼルが似合う。悪路の走破にも適する。
悪路向けのSUVらしさを求めるなら18インチを
人気のグレードは豪華指向の「ZX」だが、20インチタイヤは乗り心地が少し粗い。開発者は「20インチは、日本特有の車外騒音規制に対応したチューニングが施され、悪路向けの18インチとは性格が異なる」という。悪路向けのSUVらしい少し鈍めの悠々とした運転感覚が好みなら、18インチタイヤが相応しい。
ランドクルーザーの特徴は、本格的な悪路走破力にある。それを発揮させる場所は、日本国内にはほとんど存在しないが、ランドクルーザーのユーザーにとって、その性能は大切なプライドになっている。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★
渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。
開発者は「ランドクルーザーの生産総数の内、約50%は中東、約20%はオーストラリアで売られ、国内市場の割り当ては全体の10%以下」という。つまり日本への供給台数が少ないから、長期の納期遅延に陥った。この影響で、先代ランドクルーザーの中古車価格まで高騰しており、市場の混乱を招いてしまっている。
試乗して分かる注意点も
確かにランドクルーザーは、海外向けの車種だ。全長は約5m、全幅も約2mと大柄で、最小回転半径は5.9mに達する。悪路走破力を向上させるため、最低地上高は225mmを確保して、ラダー(梯型)フレームも備えるから床が高い。視線の位置も高く、遠方が良く見える代わりに、ボディに近い部分の死角は大きい。
そこでボンネットの中央部分を下側に少しヘコませた。前方視界は若干改善されたが、ボンネットの両端と車幅を把握しにくい。乗降性の悪さを含めて、試乗して分かる注意点も多い。
エンジンはV型6気筒3.5リットルのガソリンと3.3リットルのクリーンディーゼルで、両タイプともツインターボを装着する。ガソリンは実用回転域の駆動力を高めて、高回転域の吹き上がりも良い。一般的な選択だが、ランドクルーザーには、実用回転域の駆動力が際立って高いディーゼルが似合う。悪路の走破にも適する。
悪路向けのSUVらしさを求めるなら18インチを
人気のグレードは豪華指向の「ZX」だが、20インチタイヤは乗り心地が少し粗い。開発者は「20インチは、日本特有の車外騒音規制に対応したチューニングが施され、悪路向けの18インチとは性格が異なる」という。悪路向けのSUVらしい少し鈍めの悠々とした運転感覚が好みなら、18インチタイヤが相応しい。
ランドクルーザーの特徴は、本格的な悪路走破力にある。それを発揮させる場所は、日本国内にはほとんど存在しないが、ランドクルーザーのユーザーにとって、その性能は大切なプライドになっている。
■5つ星評価
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パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★
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1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。
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