【マツダ CX-50 海外試乗】日本とは違う、ジワリと効くハンドリングと実用的な2.5Lターボに納得…工藤貴宏
北米向け新型SUV、マツダ『CX-50』を試す
マツダが北米向けとして開発し、現地で生産。今年3月から現地でのデリバリーがはじまったばかりのSUVが『CX-50』。そんなモデルに、ロサンゼルス近郊で試乗してきた。
日本でなじみのないクルマなので車両概要を説明しておくと、車体設計は“スモールアーキテクチャー”なので『マツダ3』や『CX-30』の兄弟ということになる。ただし車体は全長4719×全幅1920mmと『CX-5』よりも大きい。エンジンは2.5リットルのガソリンで、自然吸気(200ps)とターボ(230ps)が用意される。今回試乗したのはターボエンジン搭載モデルだ。駆動方式はマツダの北米戦略に基づいて全車4WDとなっている。
日本向けとは違い、ジワリと気持ちよく曲がる
日本におけるマツダ車のハンドリングといえばハンドルを切るとクルマが素早く反応し、スッと向きを変える印象が強い。しかしCX-50はそうではなく、日本向けのハンドリングに比べると穏やかというかおおらか。ジワッと向きを変える感じだ。それはいうなれCX-5に2021年冬の年次改良で追加された仕様「フィールドジャーニー」のような感覚だが、何を隠そうその2台には共通点がある。それは足元。オールシーズンタイヤを履いているのだ。
フィールドジャーニーは他のグレードに比べると挙動が穏やかだが、柔らかい構造のオールシーズンタイヤにあわせてサスペンションはパワーステアリングの味付けを行っているからにほかならない。
とはいえ、決してハンドリングがダルかといえばそんなことはなく、バランスがいい。不安なロールなどはなくジワリと気持ちよく曲がり、ハンドルの舵角もしっかり定まるから旋回中の修正舵が少ないのもマツダらしい美点だ。
自慢は低回転トルクの太さ
試乗したターボエンジンは日本市場でも最新モデルに切り替わるまでCX-5に用意され(現在はドロップ)、『CX-8』や『マツダ6』には用意されているユニット。だから日本仕様でドライブした人もいることだろう。自慢は低回転トルクの太さで、いっぽう高回転が得意というわけではない実用的な特性だ。スポーツユニットのように高回転の盛り上がりを期待するとちょっと拍子抜けだが、実はこの特性が北米で乗るとものすごく乗りやすい。大排気量自然吸気のような感覚である。
現地ではフリーウェイに合流する際の中間加速が重要視される(だから大排気量が好まれる!)が、湧き出すような低回転トルクの太さはそこでクルマをグイグイと力強く押し出してくれるのである。アメリカでのマツダ車は、日本では設定のないマツダ3やCX-30も含めて2.5リットルターボの人気が高いという。日本では無用なトルクと思われがちだが、アメリカで試乗すればその実用性の高さに納得する。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
工藤貴宏|モータージャーナリスト
小学校高学年から自動車雑誌を読みはじめ、1日でも早く運転したくて18歳誕生日の翌日には仮免許を取得したクルマ好き。大学在学中から自動車雑誌でアルバイトを始め、自動車専門誌編集部在籍後、編集プロダクションを経てフリーランスライターに。愛車は2シーターオープンカーとホットハッチとディーゼルエンジン搭載のSUV。
マツダが北米向けとして開発し、現地で生産。今年3月から現地でのデリバリーがはじまったばかりのSUVが『CX-50』。そんなモデルに、ロサンゼルス近郊で試乗してきた。
日本でなじみのないクルマなので車両概要を説明しておくと、車体設計は“スモールアーキテクチャー”なので『マツダ3』や『CX-30』の兄弟ということになる。ただし車体は全長4719×全幅1920mmと『CX-5』よりも大きい。エンジンは2.5リットルのガソリンで、自然吸気(200ps)とターボ(230ps)が用意される。今回試乗したのはターボエンジン搭載モデルだ。駆動方式はマツダの北米戦略に基づいて全車4WDとなっている。
日本向けとは違い、ジワリと気持ちよく曲がる
日本におけるマツダ車のハンドリングといえばハンドルを切るとクルマが素早く反応し、スッと向きを変える印象が強い。しかしCX-50はそうではなく、日本向けのハンドリングに比べると穏やかというかおおらか。ジワッと向きを変える感じだ。それはいうなれCX-5に2021年冬の年次改良で追加された仕様「フィールドジャーニー」のような感覚だが、何を隠そうその2台には共通点がある。それは足元。オールシーズンタイヤを履いているのだ。
フィールドジャーニーは他のグレードに比べると挙動が穏やかだが、柔らかい構造のオールシーズンタイヤにあわせてサスペンションはパワーステアリングの味付けを行っているからにほかならない。
とはいえ、決してハンドリングがダルかといえばそんなことはなく、バランスがいい。不安なロールなどはなくジワリと気持ちよく曲がり、ハンドルの舵角もしっかり定まるから旋回中の修正舵が少ないのもマツダらしい美点だ。
自慢は低回転トルクの太さ
試乗したターボエンジンは日本市場でも最新モデルに切り替わるまでCX-5に用意され(現在はドロップ)、『CX-8』や『マツダ6』には用意されているユニット。だから日本仕様でドライブした人もいることだろう。自慢は低回転トルクの太さで、いっぽう高回転が得意というわけではない実用的な特性だ。スポーツユニットのように高回転の盛り上がりを期待するとちょっと拍子抜けだが、実はこの特性が北米で乗るとものすごく乗りやすい。大排気量自然吸気のような感覚である。
現地ではフリーウェイに合流する際の中間加速が重要視される(だから大排気量が好まれる!)が、湧き出すような低回転トルクの太さはそこでクルマをグイグイと力強く押し出してくれるのである。アメリカでのマツダ車は、日本では設定のないマツダ3やCX-30も含めて2.5リットルターボの人気が高いという。日本では無用なトルクと思われがちだが、アメリカで試乗すればその実用性の高さに納得する。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
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フットワーク:★★★★
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