【トヨタ シエンタ 新型試乗】両側スライドドアは使い勝手はいいけれど、乗り心地はどうなの?…岩貞るみこ
今回のワンポイント確認は、「シエンタの両側スライドドアは使い勝手はいいけれど、乗り心地はどうなの?」である。
5ナンバーサイズの両側スライドドア車、という価値
“乗る”と“降りる”。マイカーを使うとき、週末など一回の走行距離が長くなる傾向にある人(主に会社員パターン)はともかく、日々の生活でちょこちょこ使う機会の多い人(主に主夫・主婦パターン)にとって、乗り降りの楽さは大問題である。乗って降りてを繰り返すたびに、これって軽負荷ではあるものの筋トレだよねと感じてしまう。
その点、スライドドアの便利さといったらない。今回も、ジジババの乗せ降ろしや、チャイルドシート、さらに、荷物多めのキャリアウーマンを想定して試乗すると、一回一回の所要時間や、クルマまわりで動く歩数の少なさに、心の中で「めっちゃ便利!」と、何度叫んだかわからない。
単に乗り降りのしやすさや、荷物の出し入れが楽になるのに加え、前後席に人が同時に乗っているときに、それぞれの降りるタイミングをずらさなくていいという、ストレスのなさといったらないのである(通常のドアの場合、後ろの人がドアを開けると、前の人は乗り降りしにくくなるので、どちらかが一瞬、待たなくてはいけない)。
また、シエンタの評価ポイントは、全幅1695mmの5ナンバーをつらぬいてくれたこともあるだろう。せっかく乗り降りしやすいドアなのだ、駐車しやすいサイズは必須なのである。
インテリアは、シンプルでカジュアルで落ち着ける。もうちょっと質感があったらいいなと思わないでもないけれど、ポケット類もふんだんにあり、運転席の背もたれ裏側には、後席で使える充電ソケットとスマホホルダーが2台分しつらえてあって使い勝手もいい。ただ、充電ソケットはふたつまとめた方が価格的にも抑えられるのだろうけれど、スマホを入れるホルダーは助手席後ろにもひとつつけて欲しかった。だって、ロック画面に通知がきたら、隣の人に見られちゃうんだもの。
加速、音、乗り心地はハイブリッドに軍配
では、走りはどうなのか。シエンタの場合、全高が1695mmと、ミニバンやSUV並みの高さがある。自転車や、車椅子を入れることを想定しているためだ。では、この全高でコーナリングはどうなのか。背が高いクルマは、頭の位置が遠心力で外側にひっぱられる傾向があるものの、シエンタは、ぎょっとするくらいひっぱられない。
ハンドルを切ると、クルマ全体が素直に行きたい方向に向かうのだが、そのときに、頭の部分というか、身体全体が外側にひっぱられないように軽く押されるような安心感があるのだ。なんだこの、透明人間執事のようなかゆいところに手が届く仕事ぶりは。
今回は、ガソリン車とハイブリッド車(以下HV)の両方に試乗したのだが、結論から言うと、HVに軍配を上げたい。
まず、加速と音。加速するときに私が欲しい加速感を得るためにアクセルを踏み込むと、ガソリン車の場合、どうしてもエンジン音が大きめになる。一方、HVは、発進加速をモーターがアシストしてくれるため、走り出しのスムーズさがあり、アクセルを踏み込もうという気にならない。よって全体的にエンジン音を無駄に聞かずに加速できるというわけだ。
そして、乗り心地。ガソリン車に比べ、HVのほうが車は重くなる。今回は、ガソリン車が5人乗り(1555kg)で、HVが7人乗り(1755kg)ということもあり、車重に100kgの差があった(HVの5人乗りは1625kg)。このためかHVのほうが、下半身が安定してばたつかず落ち着いた乗り心地に感じられた。
結論。
今回のワンポイント確認である、「両側スライドドアは使い勝手はいいけれど、乗り心地はどうなの?」。シエンタは、これまで体験したことのない安定した独特のコーナリング感があり、ロングドライブも気持ちいいクルマに仕上がっていた。HVであればさらにスムーズな加速がついてきて、乗り心地も満足なのであった。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「ハチ公物語」「しっぽをなくしたイルカ」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。最新刊は「法律がわかる!桃太郎こども裁判」(すべて講談社)。
5ナンバーサイズの両側スライドドア車、という価値
“乗る”と“降りる”。マイカーを使うとき、週末など一回の走行距離が長くなる傾向にある人(主に会社員パターン)はともかく、日々の生活でちょこちょこ使う機会の多い人(主に主夫・主婦パターン)にとって、乗り降りの楽さは大問題である。乗って降りてを繰り返すたびに、これって軽負荷ではあるものの筋トレだよねと感じてしまう。
その点、スライドドアの便利さといったらない。今回も、ジジババの乗せ降ろしや、チャイルドシート、さらに、荷物多めのキャリアウーマンを想定して試乗すると、一回一回の所要時間や、クルマまわりで動く歩数の少なさに、心の中で「めっちゃ便利!」と、何度叫んだかわからない。
単に乗り降りのしやすさや、荷物の出し入れが楽になるのに加え、前後席に人が同時に乗っているときに、それぞれの降りるタイミングをずらさなくていいという、ストレスのなさといったらないのである(通常のドアの場合、後ろの人がドアを開けると、前の人は乗り降りしにくくなるので、どちらかが一瞬、待たなくてはいけない)。
また、シエンタの評価ポイントは、全幅1695mmの5ナンバーをつらぬいてくれたこともあるだろう。せっかく乗り降りしやすいドアなのだ、駐車しやすいサイズは必須なのである。
インテリアは、シンプルでカジュアルで落ち着ける。もうちょっと質感があったらいいなと思わないでもないけれど、ポケット類もふんだんにあり、運転席の背もたれ裏側には、後席で使える充電ソケットとスマホホルダーが2台分しつらえてあって使い勝手もいい。ただ、充電ソケットはふたつまとめた方が価格的にも抑えられるのだろうけれど、スマホを入れるホルダーは助手席後ろにもひとつつけて欲しかった。だって、ロック画面に通知がきたら、隣の人に見られちゃうんだもの。
加速、音、乗り心地はハイブリッドに軍配
では、走りはどうなのか。シエンタの場合、全高が1695mmと、ミニバンやSUV並みの高さがある。自転車や、車椅子を入れることを想定しているためだ。では、この全高でコーナリングはどうなのか。背が高いクルマは、頭の位置が遠心力で外側にひっぱられる傾向があるものの、シエンタは、ぎょっとするくらいひっぱられない。
ハンドルを切ると、クルマ全体が素直に行きたい方向に向かうのだが、そのときに、頭の部分というか、身体全体が外側にひっぱられないように軽く押されるような安心感があるのだ。なんだこの、透明人間執事のようなかゆいところに手が届く仕事ぶりは。
今回は、ガソリン車とハイブリッド車(以下HV)の両方に試乗したのだが、結論から言うと、HVに軍配を上げたい。
まず、加速と音。加速するときに私が欲しい加速感を得るためにアクセルを踏み込むと、ガソリン車の場合、どうしてもエンジン音が大きめになる。一方、HVは、発進加速をモーターがアシストしてくれるため、走り出しのスムーズさがあり、アクセルを踏み込もうという気にならない。よって全体的にエンジン音を無駄に聞かずに加速できるというわけだ。
そして、乗り心地。ガソリン車に比べ、HVのほうが車は重くなる。今回は、ガソリン車が5人乗り(1555kg)で、HVが7人乗り(1755kg)ということもあり、車重に100kgの差があった(HVの5人乗りは1625kg)。このためかHVのほうが、下半身が安定してばたつかず落ち着いた乗り心地に感じられた。
結論。
今回のワンポイント確認である、「両側スライドドアは使い勝手はいいけれど、乗り心地はどうなの?」。シエンタは、これまで体験したことのない安定した独特のコーナリング感があり、ロングドライブも気持ちいいクルマに仕上がっていた。HVであればさらにスムーズな加速がついてきて、乗り心地も満足なのであった。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「ハチ公物語」「しっぽをなくしたイルカ」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。最新刊は「法律がわかる!桃太郎こども裁判」(すべて講談社)。
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