【スバル クロストレック 新型試乗】“骨太”に進化、理屈ではなく純粋に楽しめるSUVだ…島崎七生人
◆より骨太になったデザインとパッケージング
背が高く分厚く四角いのがSUV……そんなアメリカ市場の指向に合わせて、新しい外観スタイルは生まれたのだそう。確かに従来の“XVイメージ”を受け継ぎつつ、全体の雰囲気はより骨太な印象になった。
大型化されたフロントグリル(とダイナミックな内側のパターン)は新旧で較べると押し出し感が増した。またクラッディングと呼ばれる、黒色の樹脂部分も、バンパー左右で天地に視線を誘い、ホイールアーチ部分も、アーチに丸く均等に沿わせるのではなく、スタイリング上のアクセントになるようにひと手間加えた形状になっている(クラッディング表面の菱形パターンのシボは、資料を見るとダイヤモンドカットと記されていた)。
ボディサイズは従来型XVに対して全長はマイナス5mmの4480mm、全幅の1800mm、ホイールベースの2670mmは変わらず。全高は1580mmで新旧のカタログの諸元表を見較べるとややこしかったのだが、メーカーの資料を見直すとルーフレール付き車のシャークアンテナまでの最大値で従来比ー15~+5mmとあっさりと表記があった。アンテナ、レールなしの場合はー30mmとあり、それであれば1550mmで立体駐車場問題をクリアしているという訳だ。最小回転半径の5.4mは旧XVとクロストレックは同じだ。
インテリアでは上級車並みの11.6インチのセンターインフォメーションディスプレイ(Limitedに標準)が目を惹く。全体の印象としては上質な味わいで納得がいく。
◆理屈ではなく、純粋に楽しめる仕上がり
今回の試乗は一般公道ながら限られた時間と決められたルートでのもの。なので心ゆくまで……とはいかなかったまでも、クロストレックの「おっ!」と思わせられる上々の仕上がりぶりを実感した。
まず何といってもいいのがシートで、運転席に関して言えばクッション云々ではなく新構造と骨格、形状で身体をシッカリと受け止めてくれるため、運転中に姿勢が崩れず実に快適で、まさにクルマとの一体感を味わわせてくれた。乗り味もさらによくなっており、ルーフ部分の造りが新しくなるなどした恩恵で、走行中の不快に感じる音圧、振動も相当に少ない。
パワーユニットが水平対向4気筒の2リットルエンジン+モーターということもあり、動力性能は常に余力を残している印象で、スムースさも印象的だった。試乗した2グレード(いずれもAWD)ではタイヤサイズの違い(Limited:225/55R18・ファルケン、Touring:225/60R17・ヨコハマ)があり、Touringの17インチがより直進性を強調しているのに対し、Limitedの18インチはすべてのシーンで一定の感触、表情を示す……そんな印象をもった。
アイサイトはさらに充実し、安全運転支援関係の機能も心強さを増した。理屈ではなく、使いこなすことと走らせることを純粋に楽しめる、そういうクルマに仕上げられている。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
スバルの試乗記事
-
-
【試乗記】スバルBRZ S(FR/6MT)
2024.11.22 クルマ情報
-
-
【試乗記】スバル・クロストレック プレミアムS:HEV EX プロトタイプ(4WD/CVT)
2024.11.01 クルマ情報
-
-
【スバル クロストレック 新型試乗】身のこなしの自然さは、日本車の中でも傑出している…島崎七生人
2024.04.14 クルマ情報
-
-
【スバル レヴォーグレイバック 新型試乗】スバルの戦略、吉と出るか凶と出るか…中村孝仁
2024.03.17 クルマ情報
-
-
【スバル アウトバック 新型試乗】守るべきスバルらしさと表裏一体の「弱点」…中村孝仁
2024.02.20 クルマ情報
-
-
【スバル・インプレッサST-H】ロングドライブもスポーティな走りも(まるも亜希子)
2023.11.25 クルマ情報
スバルに関する情報
-
-
スバル『フォレスター』新型、米IIHSの最高安全評価「TOP SAFETY PICK+」獲得
2024.12.19 ニュース
-
-
「一段と格好良くなった」スバル『WRX S4』の新カラー&装備にSNSで反響
2024.12.18 ニュース
-
-
カーデザイナーのクリエイティビティを掻き立てるピックアップトラック『スバル ブランビー』
2024.12.13 愛車広場
-
-
スバル『ジャスティ』、一部改良…スマホ連携オーディオとリアカメラを標準化
2024.12.12 ニュース
-
-
スバル『レヴォーグレイバック』改良新型も発表…Black Selection を新設定
2024.12.12 ニュース
-
-
スバル『レヴォーグ』改良新型が登場…「STI Sport」に特別仕様も新設定
2024.12.12 ニュース
-
-
スバルの高性能セダン、『WRX S4』が一部改良…ホイールやシートの色を変更、ボディには新色
2024.12.12 ニュース
-
-
【連載全16話】第4話 スバル1000・・・日本生まれのFF車特集
2024.12.11 特集
-
-
「ファミマで買えるミニカー」新作はスバル4車種! KYOSHO 64 Collection、12月6日発売
2024.12.06 ニュース
最新ニュース
-
-
トヨタ『タコマ』のオフロード性能さらにアップ! 冒険志向の「トレイルハンター」2025年モデルに
2024.12.19
-
-
佐藤琢磨が往年のホンダF1で走行、エンジン始動イベントも…東京オートサロン2025
2024.12.19
-
-
レクサス『LC500』が一部改良、床下ブレース採用でボディ剛性を向上…1488万円から
2024.12.19
-
-
「ネーミング通りの雰囲気」トヨタの新型電動SUV『アーバンクルーザー』発表に、日本のファンも注目
2024.12.19
-
-
スバル『フォレスター』新型、米IIHSの最高安全評価「TOP SAFETY PICK+」獲得
2024.12.19
-
-
ジープ『V6ラングラー』に8速AT復活…米国での人気に応える
2024.12.19
-
-
時代は変わった! 24時間営業や純水洗車も、進化するコイン洗車場の全貌~Weeklyメンテナンス~
2024.12.19
最新ニュース
-
-
トヨタ『タコマ』のオフロード性能さらにアップ! 冒険志向の「トレイルハンター」2025年モデルに
2024.12.19
-
-
佐藤琢磨が往年のホンダF1で走行、エンジン始動イベントも…東京オートサロン2025
2024.12.19
-
-
レクサス『LC500』が一部改良、床下ブレース採用でボディ剛性を向上…1488万円から
2024.12.19
-
-
「ネーミング通りの雰囲気」トヨタの新型電動SUV『アーバンクルーザー』発表に、日本のファンも注目
2024.12.19
-
-
スバル『フォレスター』新型、米IIHSの最高安全評価「TOP SAFETY PICK+」獲得
2024.12.19
-
-
ジープ『V6ラングラー』に8速AT復活…米国での人気に応える
2024.12.19