【DS 3 新型試乗】肌で実感できるプレミアムのコンセプト、ただ価格は…島崎七生人
車名を呼ぶ際、筆者は未だに「シトロ……」と言いそうになるのだが、仏マクロン大統領も乗るプレミアムブランドDSオートモビルズのモデルラインアップ中、もっともコンパクトなモデルがこの『DS 3』だ。
◆肌で実感できるプレミアムのコンセプト
初代は3ドアハッチバックだったが、現行モデルは時流に乗ったクロスオーバーSUVの体を成している。ただし今年5月のマイナーチェンジで当初からの車名から“クロスバック”が外れ、同時にモデルラインアップからEVがカタログ落ちし、今回の試乗車である1.5リットルの4気筒DOHCディーゼルターボ(130ps/300Nm)が残された。グレード名は「OPERA(オペラ)」だ。
フェイスリフトを経た最新型は、フロントグリルの輪郭など若干だけデザインが変えられたが、ほぼほぼ従来のイメージどおり。インテリアも同様で、菱形のモチーフをそこここにちりばめたデザインについては、それを見た家人には「昭和のマジシャンの商売道具みたい」と映ったらしいが、相変わらずの退屈しないデザイン。スイッチやトリム類の上質感からは、プレミアムコンパクトのコンセプトが肌で実感できる。
◆シトロエンの流儀と、DSならではの仕上げの絶妙さ
今回の試乗では、長距離の取材を複数回こなすなどしながら1000km弱(966km)ほど走った。そこでわかったのは、DS 3はコンパクトな部類のクルマながらロングドライブも何事もなかったかのようにこなしてくれ、日常使いでも実に扱いやすいということ。
とくに乗り味は、試乗車を借り受けた瞬間は心なしか引き締まって感じられたものの、距離を伸ばすに連れ、みるみるこなれた印象に変わっていった。基本的にフラットライドで、走行中の路面からの入力のかわし方が巧みなのはシトロエンの流儀だが、その最後の仕上げの絶妙な引き締め具合がDS流だ。
◆走るに連れクルマが身体に馴染んでいく
もちろん前述の1.5リットル・ディーゼルターボは8速ATとの組み合わせで実にいい仕事ぶり。街中で扱いやすく、高速走行でも無理なくスピードを乗せる。ディーゼルエンジンの音と振動は、遮音、ノイズ対策が上級車並みに入念なようで常にボリュームが抑えられ、音の周波数も低いため、一気呵成に長距離を走ってもまったく疲れ知らずだった。というか、走るに連れクルマが身体に馴染んでいく……そんな実感を持った。
そして市街地も含む今回の試乗での燃費は22.56km/リットル。カタログ記載のWLTCモードの21.0km/リットルを上回る数字が出た。唯一509万円の価格設定は、さすがに気持ちの大らかなユーザー向けだと思い、オススメ度の★は4つとしておく。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
◆肌で実感できるプレミアムのコンセプト
初代は3ドアハッチバックだったが、現行モデルは時流に乗ったクロスオーバーSUVの体を成している。ただし今年5月のマイナーチェンジで当初からの車名から“クロスバック”が外れ、同時にモデルラインアップからEVがカタログ落ちし、今回の試乗車である1.5リットルの4気筒DOHCディーゼルターボ(130ps/300Nm)が残された。グレード名は「OPERA(オペラ)」だ。
フェイスリフトを経た最新型は、フロントグリルの輪郭など若干だけデザインが変えられたが、ほぼほぼ従来のイメージどおり。インテリアも同様で、菱形のモチーフをそこここにちりばめたデザインについては、それを見た家人には「昭和のマジシャンの商売道具みたい」と映ったらしいが、相変わらずの退屈しないデザイン。スイッチやトリム類の上質感からは、プレミアムコンパクトのコンセプトが肌で実感できる。
◆シトロエンの流儀と、DSならではの仕上げの絶妙さ
今回の試乗では、長距離の取材を複数回こなすなどしながら1000km弱(966km)ほど走った。そこでわかったのは、DS 3はコンパクトな部類のクルマながらロングドライブも何事もなかったかのようにこなしてくれ、日常使いでも実に扱いやすいということ。
とくに乗り味は、試乗車を借り受けた瞬間は心なしか引き締まって感じられたものの、距離を伸ばすに連れ、みるみるこなれた印象に変わっていった。基本的にフラットライドで、走行中の路面からの入力のかわし方が巧みなのはシトロエンの流儀だが、その最後の仕上げの絶妙な引き締め具合がDS流だ。
◆走るに連れクルマが身体に馴染んでいく
もちろん前述の1.5リットル・ディーゼルターボは8速ATとの組み合わせで実にいい仕事ぶり。街中で扱いやすく、高速走行でも無理なくスピードを乗せる。ディーゼルエンジンの音と振動は、遮音、ノイズ対策が上級車並みに入念なようで常にボリュームが抑えられ、音の周波数も低いため、一気呵成に長距離を走ってもまったく疲れ知らずだった。というか、走るに連れクルマが身体に馴染んでいく……そんな実感を持った。
そして市街地も含む今回の試乗での燃費は22.56km/リットル。カタログ記載のWLTCモードの21.0km/リットルを上回る数字が出た。唯一509万円の価格設定は、さすがに気持ちの大らかなユーザー向けだと思い、オススメ度の★は4つとしておく。
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オススメ度:★★★★
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1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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