【ジープ レネゲード 4xe 新型試乗】電気で走るジープの登場など誰が想像しただろうか?…島崎七生人
“ウイリスMB”とは言わないまでも、1980年代、XJ型の2代目ジープ『チェロキー』が日本でも人気を集めていた頃、果たして電気モーターで走れるジープの登場など誰が想像しただろうか? 改めてそんな思いを巡らせながらの試乗だった。
『レネゲード』自体の日本市場導入は2015年9月。今回の試乗車は2020年11月に追加設定された「4×e」だ。いずれにしても、導入時の試乗会では触れていたものの、少しジックリ試すことで見えてくることがあるため、スケジュールを調整してもらい今回の試乗が実現した。
すると、よかった。昔ほどではないがジープというと『ラングラー』に代表されるタフでワイルドなイメージを思い浮かべる人が今も少なくないかもしれない。が、レネゲードに関しては、非常にカジュアルでフレンドリーなキャラクターの持ち主なのである。
スタイリングこそ今どきの多くのSUVとは一線を画す箱形で、フェンダーの張り出しも見るからに大きい。けれど全幅は1805mmに留められ、全長も4255mmと手の内にある長さ。立ったAピラー(インナートリムを2トーンにしてあるもののかなり太めではある)とフロントガラス越しの視界は、XJ型チェロキー的な視界のよさ、車両感覚の掴みやすさに繋がっている。平たく言うと、外観や雰囲気から連想させる大袈裟なクルマに乗ってしまった感はまったくないのである。
とくにいいのはホッコリとした乗り味。何気なく高剛性ボディのよさが発揮され、シューズ(グッドイヤー イーグルF1、235/55R17 99H=指定空気圧:前後とも240kPa)のオールマイティな素性のよさもあり、懐が深く安心感の高い走りっぷりが味わえた。後席で我が家の愛犬のシュン(柴犬・オス・2歳)にも試乗させ、ドッグランに出かけてみたが、道中、もちろん不快感を示す素振りは見せなかった。
1.3リットルターボ+前後2モーター方式のプラグインハイブリッドをパワートレインとし、モーターもしっかりと使いながらの走りは総じて自然なマナーを発揮。動力性能の不満も覚えない。今回はスタートから充電分をほぼ使いきったところまでの試乗としたが、それでもチェックした“燃費”の数字をそのまま記すと15.7km/リットルと、ほぼWLTCモード並みだった。
個性が楽しめ、実はあつかいやすく実用性も高い、日常から週末までオールマイティに使えるクルマということを改めて実感した次第。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
『レネゲード』自体の日本市場導入は2015年9月。今回の試乗車は2020年11月に追加設定された「4×e」だ。いずれにしても、導入時の試乗会では触れていたものの、少しジックリ試すことで見えてくることがあるため、スケジュールを調整してもらい今回の試乗が実現した。
すると、よかった。昔ほどではないがジープというと『ラングラー』に代表されるタフでワイルドなイメージを思い浮かべる人が今も少なくないかもしれない。が、レネゲードに関しては、非常にカジュアルでフレンドリーなキャラクターの持ち主なのである。
スタイリングこそ今どきの多くのSUVとは一線を画す箱形で、フェンダーの張り出しも見るからに大きい。けれど全幅は1805mmに留められ、全長も4255mmと手の内にある長さ。立ったAピラー(インナートリムを2トーンにしてあるもののかなり太めではある)とフロントガラス越しの視界は、XJ型チェロキー的な視界のよさ、車両感覚の掴みやすさに繋がっている。平たく言うと、外観や雰囲気から連想させる大袈裟なクルマに乗ってしまった感はまったくないのである。
とくにいいのはホッコリとした乗り味。何気なく高剛性ボディのよさが発揮され、シューズ(グッドイヤー イーグルF1、235/55R17 99H=指定空気圧:前後とも240kPa)のオールマイティな素性のよさもあり、懐が深く安心感の高い走りっぷりが味わえた。後席で我が家の愛犬のシュン(柴犬・オス・2歳)にも試乗させ、ドッグランに出かけてみたが、道中、もちろん不快感を示す素振りは見せなかった。
1.3リットルターボ+前後2モーター方式のプラグインハイブリッドをパワートレインとし、モーターもしっかりと使いながらの走りは総じて自然なマナーを発揮。動力性能の不満も覚えない。今回はスタートから充電分をほぼ使いきったところまでの試乗としたが、それでもチェックした“燃費”の数字をそのまま記すと15.7km/リットルと、ほぼWLTCモード並みだった。
個性が楽しめ、実はあつかいやすく実用性も高い、日常から週末までオールマイティに使えるクルマということを改めて実感した次第。
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