【スバル クロストレック 新型試乗】身のこなしの自然さは、日本車の中でも傑出している…島崎七生人
「『XV』の広報車を貸していただけますか?」「あ、『クロストレック』ですね!」……このやりとりは何と実話! 個人的に先代までの好印象があまりに強かったためか、スバルの人を相手に“昔の名前”を口走ってしまう失態を演じてしまったのだった。
たとえ車名を間違えても心優しく広報車の日程を押さえてくださった広報部には感謝しかないが、晴れて(!)クロストレックを数日間改めて試乗でき、実感したのは、スバルの現行SUVの中でもこのクルマは、軽快さと上質感を備え、トータルバランスが実に高いところが魅力だということだった。
◆日常の中でとにかく扱いやすい
今回の試乗ではFWD、4WDの両方を借り出すことができ、筆者の日常生活の中でも使ってみた。するとわかったのは、とにかく運転しやすく扱いやすいということ。
ポイントのひとつはボディサイズで、全幅が1800mmにとどめられ、全長も4480mmと持て余さないから、スーパーの駐車場などでもスムースにスペースへ収められる。視界もよく取り回し性も良好。もちろんラゲッジルームも、後席を使った通常の状態でもキャンプ用具一式ぐらい軽く積み込める容量をもつ。
後席も外観から想像するよりもずっと広く快適で、ドアガラスを開けた際しっかりと下までガラスが降り切るので、写真のようにペット(当方の乗り心地・NVH評価担当の柴犬のシュン)が楽な着座姿勢で窓から外を眺められる。
◆日本車の中でも傑出した身のこなしの自然さ
それと乗り味の良さも光る。雑味がないどころか、細かな振動、ノイズの遮断が行き届き、なめらかでひとクラス上の快適で気持ちのいいドライバビリティが味わえるのがいい。さらに骨盤を立たせて身体支えるという新構造のシートは、確かに目を見張るものがあり、長時間の運転でも疲れを相当に軽減してくれる効果を実感した。
もちろん走りも軽快で身のこなしが非常に自然なところは、日本車の中でも傑出している。ここで意外だったのは、およそ一般的な日常の走行シーンでFWD車の安定感が4WD車にまったく遜色がないという点。アイサイトの各種機能も心強い。動力性能も意のままの運転を可能にしている。
今回の試乗車はスタッドレスタイヤ(標準はオールシーズンタイヤ)が装着されていたこともあり、試乗時の燃費はFWD、4WDともおよそ12.0km/リットルといったところだった。2リットルHVは頻繁にEV走行も可能としているものの、もし現状のトータルバランスを保ったままエンジン排気量を下げられれば、それもクロストレックらしいのではないか、とも思う。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
たとえ車名を間違えても心優しく広報車の日程を押さえてくださった広報部には感謝しかないが、晴れて(!)クロストレックを数日間改めて試乗でき、実感したのは、スバルの現行SUVの中でもこのクルマは、軽快さと上質感を備え、トータルバランスが実に高いところが魅力だということだった。
◆日常の中でとにかく扱いやすい
今回の試乗ではFWD、4WDの両方を借り出すことができ、筆者の日常生活の中でも使ってみた。するとわかったのは、とにかく運転しやすく扱いやすいということ。
ポイントのひとつはボディサイズで、全幅が1800mmにとどめられ、全長も4480mmと持て余さないから、スーパーの駐車場などでもスムースにスペースへ収められる。視界もよく取り回し性も良好。もちろんラゲッジルームも、後席を使った通常の状態でもキャンプ用具一式ぐらい軽く積み込める容量をもつ。
後席も外観から想像するよりもずっと広く快適で、ドアガラスを開けた際しっかりと下までガラスが降り切るので、写真のようにペット(当方の乗り心地・NVH評価担当の柴犬のシュン)が楽な着座姿勢で窓から外を眺められる。
◆日本車の中でも傑出した身のこなしの自然さ
それと乗り味の良さも光る。雑味がないどころか、細かな振動、ノイズの遮断が行き届き、なめらかでひとクラス上の快適で気持ちのいいドライバビリティが味わえるのがいい。さらに骨盤を立たせて身体支えるという新構造のシートは、確かに目を見張るものがあり、長時間の運転でも疲れを相当に軽減してくれる効果を実感した。
もちろん走りも軽快で身のこなしが非常に自然なところは、日本車の中でも傑出している。ここで意外だったのは、およそ一般的な日常の走行シーンでFWD車の安定感が4WD車にまったく遜色がないという点。アイサイトの各種機能も心強い。動力性能も意のままの運転を可能にしている。
今回の試乗車はスタッドレスタイヤ(標準はオールシーズンタイヤ)が装着されていたこともあり、試乗時の燃費はFWD、4WDともおよそ12.0km/リットルといったところだった。2リットルHVは頻繁にEV走行も可能としているものの、もし現状のトータルバランスを保ったままエンジン排気量を下げられれば、それもクロストレックらしいのではないか、とも思う。
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パワーソース:★★★★★
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オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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