【海外試乗記】レクサスGX550
レクサスだからできること
ランドクルーザーという資産
時の80系「ランドクルーザー」をベースにウッドパネルや革シートなどがおごられたその演出手法は「グランドワゴニア」や「レンジローバー」等に倣ったものだが、トヨタの礎である信頼性や耐久性、四輪コイルリジッドからなる走破性を武器に一定の支持を集め、V8ユニットを搭載した2代目の「LX470」の世界的成功へとつなげていく。
その2代目LXが人気を博していた2002年、新たに投入されたのがGXだ。LXよりもひと回り小さい車格ながら肩を並べんばかりの使い勝手や走破性を備えたそれは、北米や中東などの厳しい自然環境下で暮らす人々の、ちょっといいクルマが欲しいというニーズを広くくみ上げた。
レクサスのSUVラインナップはRXを筆頭とするモノコック構造のモデル群が大半を占めるが、かようにラダーフレーム構造のLXやGXにも確たるニーズがある。プレミアム系ブランドで骨付きのクルマを持つ事例といえばメルセデス・ベンツやキャデラックが思い浮かぶが、間口の広さはレクサスならではといえるだろう。裏返せばそれは、ランドクルーザーという偉大な資産があってこそ構成できるものでもある。
ボディーサイズが一気に拡大
外寸関係は今回試乗した北米仕様のスペックでいえば、前型より完全にひと回り大きく、現行LXにほど近い。ざっくり言えば全長が100mm短い以外はほぼ一緒と、両車の車格はそのくらい接近したものだ。最低地上高はLXの210mmに対してGXは220〜225mmとやや高いが、LXは油圧調整式の車高調システムを採用、上下に110mmの可変幅を武器として高い悪路走破性を実現している。対するGXはコンベンショナルな足まわりだが、前後のオーバーハングが計100mm短いぶん、LXに準ずるアプローチやデパーチャーアングルを確保した――というのが両車の相関関係となるだろうか。
サスペンションは四輪コイルバネで、ベースグレード以外は電子制御可変ダンピングシステムの「AVS」が採用される。前がハイマウントダブルウイッシュボーンによる独立懸架、後ろがラテラルロッド支持の4リンクリジッドという形式は代々のGXと同様だ。ボディーマウントは並行開発された“250”と同じものを用いるが、GXはオンロードでの質感を高めるべくコアサポートやステアリングサポート、リアホイールハウス付近にブレースを追加し、剛性向上とともに減衰特性の調律を図っている。
パワーユニットはLXと同じV35A-FTS型を採用。3.5リッターV6ツインターボはタービンを小径化したことでピークパワーは60PS近く落ちるものの、低中回転域のレスポンスを高めるなど、実用域や悪路での使いやすさを重視したセットアップとなっている。仕向け地によっては2.4リッター4気筒ターボをベースにしたハイブリッドも用意されるが、日本仕様は当面V6のみの設定になるという。
フレーム付きでも走行感覚は素直
内装はさすがにLXほどの豪華さは感じられないが、車格や用途に鑑みれば相応の質感は保たれている。シフトレバーや副変速機のセレクター、ドライブモードセレクトなどをあえてアナログ系統として確実な操作性に留意したインターフェイスもクルマの性格を考えれば褒められるべきものだろう。後席の掛け心地は高床のため若干大腿(だいたい)部が持ち上がる感はあるが、着座高はシアター型で前方の見通しはすこぶるよい。米国仕様ではグレードに応じて2座独立のキャプテンシートや電動でフラットに格納できる3列シートも選べるようになっているが、日本仕様がどういう設定になるかは未定だ。
試乗は新設定グレードとなる“オーバートレイル”を中心に、20インチを履くベースモデル相当の“プレミアム”、22インチを履く“ラグジュアリー”の2グレードも試すことができた。総じて、オンロードでのマナーはレクサスのオフローダーとして十分納得できるものだった。静粛性や乗り心地はさすがにRX同然とはいかずとも、ボディーオンフレームの癖として絶えず伝わるプルプルとした微振動の類いもうまく抑えられ、すっきりとした転がり感を実現している。地上高が示すとおり重心高が低いとはいえないが、直進性に不満はない。路面変化などの外乱も柔軟に受け流し、ピタッと据わりよく走ってくれる。LX同様、ステアリングは電動アシスト式なのでレーンキープアシストのアクティブ制御も可能だが、そういった手助けも忘れるくらいに走行感覚は素直だ。
路面とのコンタクトを最重要視
試乗した18インチの“オーバートレイル”には、日本仕様ではディーラーオプション設定を検討しているというトーヨータイヤの「オープンカントリーA/T」が装着されていた。A/TでありながらM/Tに近いブロックパターンを持つそれは、見たところハンドリングうんぬんを問うものではなさそうだが、これが望外にオンロードでのしつけが行き届いている。特筆すべきはノイズレベルで、オフロードタイヤでは避けられないはずのパターンノイズの類いが極限まで抑えられていた。
そのタイヤで臨んだオフロードセクションでは、30度のバンクや登坂を苦もなくクリア。前型比で86mmも上下ストローク量を伸長したこともあって、モーグルでは猛烈な接地性を示してくれた。その要となるのが電子制御でスタビライザーの効きをアクティブ側にもフリー側にもコントロールする「E-KDSS」だ。もちろん車輪側にも駆動や制動制御が加えられるが、ともあれメカニカルなコンタクトを大前提として走破性が構築されていることが、走りの盤石さに表れ、ドライバーの安心感へとつながっている。
新型GXの国内価格は現状未定だが、恐らくはRXとLXの間を埋めるあたりに収まるのだろう。もちろん安いとはいえないが、骨付きオフローダーならではの頼りがいとレクサスらしい洗練度とが織りなすものは、他ではなかなか望めないことは間違いない。
テスト車のデータ
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4950×1980×1870mm
ホイールベース:2850mm
車重:--kg
駆動方式:4WD
エンジン:3.5リッターV6 DOHC 24バルブ ターボ
トランスミッション:10段AT
最高出力:354PS(260kW)/4800-5200rpm
最大トルク:650N・m(66.3kgf・m)/2000-3600rpm
タイヤ:(前)265/70R18 116H M+S/(後)265/70R18 116H M+S(トーヨー・オープンカントリーA/T)
燃費:--km/リッター
価格:--円/テスト車=--円
オプション装備:--
テスト車の年式:--年型
テスト開始時の走行距離:--km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター(ハイオクガソリン)
参考燃費:--km/リッター
レクサスGX550“ラグジュアリー”
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4950×1980×1870mm
ホイールベース:2850mm
車重:--kg
駆動方式:4WD
エンジン:3.5リッターV6 DOHC 24バルブ ターボ
トランスミッション:10段AT
最高出力:354PS(260kW)/4800-5200rpm
最大トルク:649N・m(66.3kgf・m)/2000-3600rpm
タイヤ:(前)265/50R22 109V M+S/(後)265/50R22 109V M+S(ダンロップ・グラントレックPT5A)
燃費:--km/リッター
価格:--円/テスト車=--円
オプション装備:--
テスト車の年式:--年型
テスト開始時の走行距離:--km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター(ハイオクガソリン)
参考燃費:--km/リッター
レクサスGX550“プレミアム”
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4950×1980×1870mm
ホイールベース:2850mm
車重:--kg
駆動方式:4WD
エンジン:3.5リッターV6 DOHC 24バルブ ターボ
トランスミッション:10段AT
最高出力:354PS(260kW)/4800-5200rpm
最大トルク:649N・m(66.3kgf・m)/2000-3600rpm
タイヤ:(前)265/55R20 113V M+S/(後)265/55R20 113V M+S(ダンロップ・グラントレックPT5A)
燃費:--km/リッター
価格:--円/テスト車=--円
オプション装備:--
テスト車の年式:--年型
テスト開始時の走行距離:--km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター(ハイオクガソリン)
参考燃費:--km/リッター
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